ルネサンス期の大知識人エラスムスが、友人トマス・モアに捧げた驚天動地の戯文。痴愚の女神なるものを創造し、人間の愚行を完膚なきまでに嘲弄する。堕落する教界、腐敗を ...

名作『痴愚神礼讃』は二番煎じか?!ルネサンスの天才作家エラスムスが『痴愚神礼讃』の執筆にあたり底本にしながら、極秘にしてきた原典の本邦初訳。イタリア以外では、世界 ...

... 痴愚神礼讃』のそれに酷似しているから、ソーニエの説を退けることは勿論できないが、さりとて、これを過大視することもできないような気がする。具体的な指摘ができる点で、『パンタグリュエルの夢』の重要さは、『痴愚神礼讃』のそれに優るとも劣らない ...

... 痴愚神礼讃』ネーデルラント出身で私生児として生まれたエラスムスは、自らデジデリウス・エラスムス(デジデリウスはラテン語で「望ましい」、エラスムスはギリシア語で「愛すべき」を意味する)と名乗っていた。エラスムスは 1466 年頃に生まれ、 1536 年 ...

屈にうまく合わせようとしているように思われる、と痴愚神をして語らしめている。ともかく、パウロのギリシア文化の利用の ... 礼讃』の中でこの聖ヒエロニュモスの箇所を引用して、パウロのこのようなやり口に倣て、「神学者の御一族」は原文のあちら ...

... 痴愚神礼讃』は、かくのごとく、生殖を推進する「痴愚「神」の自画自識によって行われる人間に対する諧謔的な軽い諷刺と、戦争に人間を駆りたてる「痴愚神」で表される人間の狂乱無思慮に対する痛烈な諷刺とによって成り立つのである。そして、前者の ...

... 痴愚神礼讃』に登場する「人間」は、老人も子供も、男も女も、学者も僧侶も、さらには不死の神にさえ、いずれも生身の存在であり、エラスムスの筆によって、微に入り細にわたって生き生きと描写させられる。「若返り法」に熱中する老人たちは、「白髪染め ...