尾形明子 153 宇野千代「水西書院の娘」の正子 直吉の心の中には、盲目のとき子が育っていた。帰省した直吉は、とき子を夏祭に連れ出すが物語は、大人の思惑とは無縁に「いが餅屋」で暮らす直吉と、正子、とき子の二人の少女を中心に展開していく。東大に ...
... 水西書院の娘」を一冊ずつのせておいたのは、少ししつっと過ぎはしないだろうか。どうも、こう言うところが私の困った習癖である。水西書院から家までは歩いても直ぐである。客たちは明日の朝うちを出て、東京へ帰る。鞄をあけて、土産物の整理をしたりし ...
... 水西書院の娘』]作者はすでに八十歳に近いはずであるが、この作品は「私にとって新しい試みであった。盤で一字一字彫るような手法で仕上げた」と「あとがき」に書いている。「水西書院」とは、作者の故郷である岩国市の、もと藩の学問所だったが、戦後 ...
... 水西書院の娘」 206 『水西書院の娘」 209 「女流について(続)」 229 治の恋』 246 「水槽」 208 「白髪染」 33 『真実の鞭』 85 「水府」 222 「白河夜船」 239 「信次の身の上」 107 『水府」 222 『しらさぎものがたり」 168 「新輯お伽草子・赤まんま ...
... 水西書院の娘』中央公論社昭和五十二年三月四六判二一二ページ八八〇円カバー画・青山二郎水西書院の娘チェリーが死んだよよと泣かない神さまはるかあとがき『宇野千代全集』第五巻(小説五)中央公論社昭和五十二年七月四六判二八二ページ一五〇〇円装幀 ...
... 水西書院の娘」、同月、『ママの話』(中央公論社)。「海」七月号に「本郷駕籠町の家」、「文学界」九月号に「チェリーが死んだ」、「海」十一月号に「柿の実」。昭和五十二年(一九七七)八十歳「海」二月号に「路傍の石」。三月、『水西書院の娘 ...
... 水西書院の娘』、そし『生きて行く私』までを含めての仕事はまさしく老木の薄墨の桜が見事に咲き誇る姿になぞらえることが出来るが、そこには宇野の生や文学の根に絶えず接がれていく若い木の何百本という根があるように思えるからである。その接がれた ...
... 水西書院の娘」「ママの話」の他随筆を収録各 1800 円(第 2 巻のみ 2200 円)日本の名著中公バックス全 50 巻各 1200 円若い志士に大きな影佐久間象山響と起爆力を与えた横井小楠山の「省録」小<責任編集>松浦玲楠の「国是三論」他日本の歴史中公バックス ...
... 水西書院の娘」とい小説を面白く読んだが、これはむしろ作者の創造した若い世代の男女の性格であり、又その面白さもその想像力によるのであつて、とにかく「岩国的」な要素は余りない小説である。水西書院といふ建物は宇野さんのお宅の真正面の明るい谷間 ...