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近代日本の思想史を代表する哲学者の一人、和辻哲郎。彼が、構築しようとした「倫理学」とは、どのようなものだったのか。西田幾多郎やハイデッガーなど、同時代の哲学者と ...

『古寺巡礼』『風土』等、流麗な文体により、かつて青年の熱狂をかきたてたことで知られる和辻哲郎。彼は同時に、日本近代が生んだ最大の体系的哲学書、『倫理学』の著者で ...

... 日本』第一部の一番目の文は「若き研究者に」と題し、『新潮』の一二十五年九月号に載せられた。標題にある若き研究者とは、他ならぬ和辻門下の思想史宗教史学者の湯浅泰雄である。湯浅は大正十四年生れであるからこの年には二十六歳の青年だった。後年 ...

近代日本哲学の運命 湯浅泰雄. がいであると思う。)ここでさしあたり私が言っておきたいのは、次のような点である。明治維新後の西洋化の風潮によって、日本の思想界の大勢は西洋近代に範をとった近代主義に傾き、アカデミズムもまたその方向へと進んだ ...

明治初年にフィロソフィーという考え方が移入されて以降、日本哲学にはいくつものドラマが生まれた。例えば漱石や鴎外のように、文学と混淆していた黎明期、西田幾多郎が『 ...

... 和辻自身の書いた『自叙伝の試み』中央公論社 19 61 があるが,一高時代で中絶している。その後の伝記については,和辻照「和辻哲郎と共に』新潮社 1966 がある。高坂正顕「西田幾多郎と和辻哲郎』同 1962 は,同世代のみた随想風の和辻論。和辻照編「和辻哲郎 ...

... 和辻を甦らせた湯浅先生に、一八年経った今、御著書『和辻哲郎―近代日本哲学の運命』がどう見えていらっしゃるかを伺っておきたいと思います。御著書の結論部分には、「近代日本哲学の運命」とか「和辻哲郎の挫折」とか悲劇的な言葉が出てきますが ...

明治以来、日本人は何をどのように考えて来たのか?近代の始まりとともに、西洋の思想や文化を積極的に受け入れるようになると、それらの思想と対決しながら内面化し、独自 ...