お休みの日だから、あまりビジネス関係の実用書ばかりではなくと思い手に取った一冊。本当は、来月、新疆ウィグルに出張に行く予定だったので、その際に読もうと思い購入したのだが、出張自体が取りやめになってしまった。
この本を何のきっかけで知ったのか、あまり記憶が定かではないのだが、検索したら松岡正剛氏のブログが出てきたので、そこかもしれない。
Amazonの商品説明の一文に強く惹きつけられ、迷わず購入した。
「北緯30度線から40度線の大陸を東西に旅すると、いつも餃子があった。三十年にわたりアジアを彷徨し続ける異能の画家が記す、魂の餃子路。水餃子の作り方付き。」
また、著者の甲斐大策氏の経歴も実に型破り。
「1960年代後半からアフガニスタンに入りはじめ、アフガン人と義兄弟となり、さらにはイスラム教に入信し、それとともにアフガニスタン・パキスタン・インドを舞台とした絵画や作品を発表し始めるという異色のバックグランドを持つアーティスト。」
ちなみに、本書で紹介される世界の餃子の数々は以下のようなもの
・鍋貼(日本):満州からの引揚者文化としての焼餃子
・オシャク(アフガニスタン):水餃に似て非なるもの
・マントウ(アフガニスタン):巨大な鮮魚焼売
・ジュワワ(新疆ウィグル):水餃そのもの、羊肉、牛肉、韮入りもある
・チチル(新疆ウィグル):スープとともに食べる
・パルモザァ (トルキスタン) :油で揚げたもの
・水餃(中国):水餃子
ただし、本書は決して餃子が主役の本ではない。アジアの辺境に棲む市井の人々を、著者の自然な振る舞いと深い洞察で、スケッチさながらに描いているヒューマン・ドキュメンタリーである。数々のエピソードの中で、文字だけで描かれている灰色の情景は、アジアの悲惨な歴史が色濃く残っており、儚く、せつない。
その中で、著者は、今や日本とは微妙な関係にある中央アジアや中国、そして我々をつなぐ”絆”の象徴として、餃子を描いているように思える。
今日の晩御飯は餃子にしようかなどと思いながら、遥か何千年も前の彼の地で、人々が餃子を通じて交流していた情景に、思いを馳せる。なんとも贅沢な休日。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
餃子ロ-ド 単行本 – 1998/11/30
甲斐 大策
(著)
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社石風社
- 発売日1998/11/30
- ISBN-104883440346
- ISBN-13978-4883440344
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
北緯30度線から40度線の大陸を東西に旅すると、いつも餃子があった。三十年にわたりアジアを彷徨し続ける異能の画家が記す、魂の餃子路。水餃子の作り方付き。
登録情報
- 出版社 : 石風社 (1998/11/30)
- 発売日 : 1998/11/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 240ページ
- ISBN-10 : 4883440346
- ISBN-13 : 978-4883440344
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,192,023位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,615位日本文学(日記・書簡)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.8つ
5つのうち4.8つ
4グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。