無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
マインドフルネスと催眠 ~瞑想と心理療法が補完しあう可能性~ 単行本 – 2018/6/23
大谷彰 井上ウィマラ
(著)
- 本の長さ373ページ
- 言語日本語
- 出版社サンガ
- 発売日2018/6/23
- ISBN-104865641254
- ISBN-13978-4865641257
登録情報
- 出版社 : サンガ (2018/6/23)
- 発売日 : 2018/6/23
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 373ページ
- ISBN-10 : 4865641254
- ISBN-13 : 978-4865641257
- Amazon 売れ筋ランキング: - 840,767位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2019年5月6日に日本でレビュー済み
タイトルから精神医療の対話と予想しましたが、意外と仏教の話が多く、仏教に興味津々な大谷氏が元比丘の井上氏に仏教を教わるスタイルになっています。井上氏が語るブッダやブッダの弟子のエピソードは仏教雑学としても楽しめました。また、看取りの経験が両者に強い影響を与えており、看取りにまつわる話も多いです。マインドフルネスは意図的に体を動かしてそれに気づきを入れるスタイルですが、催眠療法というのは体を動かすつもりがないのに体が意図せず動いてしまうもののようです。ある意味正反対とも言えますが、大谷氏はいとこのようなもので重なっている部分と異なっている部分があるとしています。どちらかを選ぶべきものなのか、それとも併用することで効果がますのでしょうか。アメリカではこれからも活発に研究されていくと思われます。
2018年9月24日に日本でレビュー済み
現代催眠の大家であり,『マインドフルネス入門講義』の作者でもある大谷彰さんと,ビルマで出家修行をされた井上ウィマラさんとの4回の対談を記録した本。
個人的に一番嬉しかったのが,「悟り」や神秘体験である「魔境」というものについて,催眠との関わりもあるところだけに興味を持っていたのだが,私が今まで見てきた本の中にはどんなものか具体的に書かれたものが無く,そこに言及されているのが参考になった。
マインドフルネスと催眠の異同を皮切りに,ブッダの苦しみとの向き合い方,エリクソンの患者との関係性,グリーフケア,子育て,悟りと瞑想による至高体験等,テーマは幅広く大変興味深かった。
上記のとおり催眠なども扱われるが,主はブッダの思想(日本の大乗仏教とは区別されるべきかな)となる。
また,両者とも臨床心理学を専門的に学んでいることもあって,分脈が共通していて理解しやすく,また体験知が数多く話されることで,単なる理論書とならずブッダの思想について今日的意義を感じた。
特に,両者とも親を亡くされた際の体験を語り,死との向き合い方というのを考えさせられるとともに,死を真正面から向き合っていた仏教から学べることが多いことが分かった。
(なお,私自身は日本の俗に言う「葬式仏教」には否定的で,たまに聞く「喪主として忙しくすることで早く悲しみを忘れる役割がある」などの言説とはレベルの違う学びがあったと感じた。)
最近流行りのマインドフルネスだが,本来のブッダの思想と切り離され,単なるテクニックとして,例えばうつへの対処として用いようとされることもあるが,それに対して疑問を呈する本でもある。
よくある宗教の話では「〜はこう言っています。(だから,守りましょう。)」で終わることが多いが,両者はどうしてそれが必要かの意味にまで言及するため,納得できることが多かった。
例えば,ブッダが王子のためコミュニティを存続させる知恵に優れ,そこからサンガ(戒律)を作ったのだというのは,納得できた。
逆に,こうした過程を経なければ,これは守って,でもこれはどうしてもいまの世の中に合わないから例外みたいな恣意に基づいた解釈となり,危険な新興宗教に結びつく可能性もある。
体験話も多く,比較的易しいものの,基本的な心理学・仏教の知識はある方が理解しやすいと感じた。
心理学の知識があるが,マインドフルネス等は全く知らないなら,上記『マインドフルネス入門講義』は読むといいと思う。そこでも触れられてはいるが,高校の倫理レベルのブッダについての知識があるとより理解が深まるだろう。
上座部仏教を学ばれた方なら,こっちを読んでから記載されている参考書を読めばいいかな。発達心理学・臨床心理学についての入門書くらいは触れておくと,転移とかの専門用語に戸惑わないで済むと思われる。
(ちなみに私は心理系の学部卒で,高校倫理を非常勤講師で教えており,仏教についても取り扱った。)
あと,大谷彰さんによる腕浮揚のスクリプトは参考になった。現代催眠もミルトンエリクソンの患者への向き合い方,治療の考え方が無視されやすく,テクニックの公式化を問題視していたが,対談の内容を取り込みながら,話されたスクリプトは生で即興感があって,しかも目標も立てられており,素晴らしかった。井上さんの写真を見たら,「これ腕浮揚か?」と笑ってしまったが。
なお,大谷さんがマインドフルネスの体験をインサイドタイマーを用いて記録していると書かれているが,自分の環境で"inside timer"で検索して出てくるもので関係していると思われるものは全て"Insight Timer"(アプリ)の画像であったことから,おそらくインサイ「ト」タイマーの誤記か記憶違いだと思われる(出版社のページには修正等は記載されていなかった)。
個人的に一番嬉しかったのが,「悟り」や神秘体験である「魔境」というものについて,催眠との関わりもあるところだけに興味を持っていたのだが,私が今まで見てきた本の中にはどんなものか具体的に書かれたものが無く,そこに言及されているのが参考になった。
マインドフルネスと催眠の異同を皮切りに,ブッダの苦しみとの向き合い方,エリクソンの患者との関係性,グリーフケア,子育て,悟りと瞑想による至高体験等,テーマは幅広く大変興味深かった。
上記のとおり催眠なども扱われるが,主はブッダの思想(日本の大乗仏教とは区別されるべきかな)となる。
また,両者とも臨床心理学を専門的に学んでいることもあって,分脈が共通していて理解しやすく,また体験知が数多く話されることで,単なる理論書とならずブッダの思想について今日的意義を感じた。
特に,両者とも親を亡くされた際の体験を語り,死との向き合い方というのを考えさせられるとともに,死を真正面から向き合っていた仏教から学べることが多いことが分かった。
(なお,私自身は日本の俗に言う「葬式仏教」には否定的で,たまに聞く「喪主として忙しくすることで早く悲しみを忘れる役割がある」などの言説とはレベルの違う学びがあったと感じた。)
最近流行りのマインドフルネスだが,本来のブッダの思想と切り離され,単なるテクニックとして,例えばうつへの対処として用いようとされることもあるが,それに対して疑問を呈する本でもある。
よくある宗教の話では「〜はこう言っています。(だから,守りましょう。)」で終わることが多いが,両者はどうしてそれが必要かの意味にまで言及するため,納得できることが多かった。
例えば,ブッダが王子のためコミュニティを存続させる知恵に優れ,そこからサンガ(戒律)を作ったのだというのは,納得できた。
逆に,こうした過程を経なければ,これは守って,でもこれはどうしてもいまの世の中に合わないから例外みたいな恣意に基づいた解釈となり,危険な新興宗教に結びつく可能性もある。
体験話も多く,比較的易しいものの,基本的な心理学・仏教の知識はある方が理解しやすいと感じた。
心理学の知識があるが,マインドフルネス等は全く知らないなら,上記『マインドフルネス入門講義』は読むといいと思う。そこでも触れられてはいるが,高校の倫理レベルのブッダについての知識があるとより理解が深まるだろう。
上座部仏教を学ばれた方なら,こっちを読んでから記載されている参考書を読めばいいかな。発達心理学・臨床心理学についての入門書くらいは触れておくと,転移とかの専門用語に戸惑わないで済むと思われる。
(ちなみに私は心理系の学部卒で,高校倫理を非常勤講師で教えており,仏教についても取り扱った。)
あと,大谷彰さんによる腕浮揚のスクリプトは参考になった。現代催眠もミルトンエリクソンの患者への向き合い方,治療の考え方が無視されやすく,テクニックの公式化を問題視していたが,対談の内容を取り込みながら,話されたスクリプトは生で即興感があって,しかも目標も立てられており,素晴らしかった。井上さんの写真を見たら,「これ腕浮揚か?」と笑ってしまったが。
なお,大谷さんがマインドフルネスの体験をインサイドタイマーを用いて記録していると書かれているが,自分の環境で"inside timer"で検索して出てくるもので関係していると思われるものは全て"Insight Timer"(アプリ)の画像であったことから,おそらくインサイ「ト」タイマーの誤記か記憶違いだと思われる(出版社のページには修正等は記載されていなかった)。