人生でこの本に出会えたことに感謝したい。コミカルな表紙の絵と、パンチのきいたタイトルに驚くが、内容はもっと驚く。文章は超一流に面白い。一人の大学教授の半生が赤裸々に描かれている。大学教授の書いた本といえば、史実や偉人の話を上げて意外性を示し、示唆を与えるような本が多いが、そういった記載はあまりない。
というか、ほとんど実体験にもとづいた話である。なぜ、この大学教授は高校や予備校に行って模擬講義を行うのか?なぜ、この大学教授は学生に嫌われるかもしれないのに必死で叱るのか?なぜ、この大学教授はわざわざこんな本を書くのだろうか?読んでいると、たくさんの「なぜ」が生まれる。
もう一度、読み返したとき、この大学教授の武骨なまでの実直さと、学生に対する真摯さに驚愕した。ウィットな文体で初回は見過ごしてしまったが、この大学教授の歩みは平たんではない。浪人しているし、博士課程も5年かかっているようだ。研究室では指導教授と喧嘩して干されている。しかしながら、しぶとく。あきらめていない。
「思考の整理学」は英文学者の本だったと思うが、一章ずつ、上品な文体でかみしめるような知恵を授かった気がした。こちらの本は、一章ずつ、何を得られたのかよくわからないが、生きる力が湧いてくる。学生や喧嘩した指導教授などに対する描写が、少し過激な印象はあるが、これが生きる力なんだろう。
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大学教授が、「研究だけ」していると思ったら、大間違いだ! 単行本(ソフトカバー) – 2020/5/3
斎藤 恭一
(著)
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購入オプションとあわせ買い
“大学崩壊"なんて嘆いている暇はない!
高校から「模擬講義」を依頼されれば、PRのためにと馳せ参じる。研究室を維持するためには、学生指導と予算確保が欠かせない。組織の一員として働く限り、重たい役職が降ってくる。……教授は水面下で、こんなにも努力している。
【内容紹介】
東京大学工学部で助教、助教授、そして千葉大学工学部で教授を歴任した斎藤恭一氏。しかし、その所属学科は、放っておいても学生が志望して入ってくるような「人気学科」では決してなかった。
少子化と大学間競争が激しくなるなかで、高校や予備校に赴いては、学科、学部、ひいては大学の魅力をPRするために「模擬講義」を行う。さらには「理科離れ」を防ごうと、「市民講座」で熱弁をふるう。大学内においては、講義に対して迫りくる学生からの「授業評価アンケート」にもひるまずに、見事に「ベストティーチャー賞」を受賞。ときに学生生活を充実させてあげようと、新入生や学部生を、合宿や工場見学に引率して盛り上げる。大学組織、研究室の運営を円滑に進めるためには、重荷であっても役職に就き、ゼミ生の論文を添削指導する。研究費の確保、研究の実用化を目指して、科研費を確保し、産学連携に務める。
千葉大学名誉教授が、37年間の研究者、教育者生活のなかで日夜奮闘してきた汗と涙の記録!
【本文より】
「研究」は一人で成し遂げられるものではない!
「あなたの研究の目的とは」?と尋ねられたときに、「発見と発明」、すなわち「『これまでわからなかったことを解明する』『これまでなかったものを発明する』ことをめざして、研究を続けてきました」と言うのが、大学教授として立派な答えかもしれない。
私の場合は、研究とはそんなものではなく、よいときも、そうでないときも、学生との格闘であった。しかし、学生がいたからこそ、研究を続けることができたのは確かである。〈――終章より抜粋〉
高校から「模擬講義」を依頼されれば、PRのためにと馳せ参じる。研究室を維持するためには、学生指導と予算確保が欠かせない。組織の一員として働く限り、重たい役職が降ってくる。……教授は水面下で、こんなにも努力している。
【内容紹介】
東京大学工学部で助教、助教授、そして千葉大学工学部で教授を歴任した斎藤恭一氏。しかし、その所属学科は、放っておいても学生が志望して入ってくるような「人気学科」では決してなかった。
少子化と大学間競争が激しくなるなかで、高校や予備校に赴いては、学科、学部、ひいては大学の魅力をPRするために「模擬講義」を行う。さらには「理科離れ」を防ごうと、「市民講座」で熱弁をふるう。大学内においては、講義に対して迫りくる学生からの「授業評価アンケート」にもひるまずに、見事に「ベストティーチャー賞」を受賞。ときに学生生活を充実させてあげようと、新入生や学部生を、合宿や工場見学に引率して盛り上げる。大学組織、研究室の運営を円滑に進めるためには、重荷であっても役職に就き、ゼミ生の論文を添削指導する。研究費の確保、研究の実用化を目指して、科研費を確保し、産学連携に務める。
千葉大学名誉教授が、37年間の研究者、教育者生活のなかで日夜奮闘してきた汗と涙の記録!
【本文より】
「研究」は一人で成し遂げられるものではない!
「あなたの研究の目的とは」?と尋ねられたときに、「発見と発明」、すなわち「『これまでわからなかったことを解明する』『これまでなかったものを発明する』ことをめざして、研究を続けてきました」と言うのが、大学教授として立派な答えかもしれない。
私の場合は、研究とはそんなものではなく、よいときも、そうでないときも、学生との格闘であった。しかし、学生がいたからこそ、研究を続けることができたのは確かである。〈――終章より抜粋〉
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社イースト・プレス
- 発売日2020/5/3
- 寸法12.8 x 1.9 x 18.8 cm
- ISBN-104781618782
- ISBN-13978-4781618784
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商品の説明
著者について
斎藤恭一(さいとう・きょういち)
1953年、埼玉県生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業、東京大学大学院工学系研究科化学工学専攻修了。東京大学工学部助手、助教授を経て、2019年まで千葉大学工学部教授を務める。現在、早稲田大学理工学術院客員教授。専門は、放射線グラフト重合法による高分子吸着材の開発。
著書に、『道具としての微分方程式 偏微分編』(講談社ブルーバックス)、『数学で学ぶ化学工学11話』(朝倉書店)、『理系プレゼンの五輪書』(みみずく舎)、『理系英語最強リーディング術』(アルク)、共著に、『アブストラクトで学ぶ理系英語 構造図解50』(朝倉書店)、『グラフト重合による吸着材開発の物語』(丸善出版)など多数。
1953年、埼玉県生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業、東京大学大学院工学系研究科化学工学専攻修了。東京大学工学部助手、助教授を経て、2019年まで千葉大学工学部教授を務める。現在、早稲田大学理工学術院客員教授。専門は、放射線グラフト重合法による高分子吸着材の開発。
著書に、『道具としての微分方程式 偏微分編』(講談社ブルーバックス)、『数学で学ぶ化学工学11話』(朝倉書店)、『理系プレゼンの五輪書』(みみずく舎)、『理系英語最強リーディング術』(アルク)、共著に、『アブストラクトで学ぶ理系英語 構造図解50』(朝倉書店)、『グラフト重合による吸着材開発の物語』(丸善出版)など多数。
登録情報
- 出版社 : イースト・プレス (2020/5/3)
- 発売日 : 2020/5/3
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 256ページ
- ISBN-10 : 4781618782
- ISBN-13 : 978-4781618784
- 寸法 : 12.8 x 1.9 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 190,442位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2020年7月15日に日本でレビュー済み
国立大学が独立行政法人になり私大との競争にさらされるとどうなるか、その苦労がよくわかりました。
米国のハーバード大など資産運用では有名です。竹中平蔵がいた慶応なども資産運用をかなりやっていたが・・・・
国立大学でも東大は予算でも京大より別格に多いせいか、京大は本庶 佑や山中教授というノーベル賞
学者がいても十分研究員を養えないで苦労をしている。
国立大学ほど予算がなく校舎や設備の老朽化に私大との格差は歴然たるものがある、近畿大学(別名まぐろ大)などとかくマスコミに取り上げられるので人気NO.1となった、大学祭で図書館もみたがすごいですよ。
ソクラテス式問答法は問題の答えや知識を求める方法ではなく、むしろ無知を示すことを意図していた。ソクラテスは、まず学生に無知を自覚させその上で知っておくべき事柄を教え込む必要があるとした。
第1章 未来ある高校生に必死でPR
p.41国語力がないとそれ以上の英語力は身につかない。「理系こそ国語と英語、文系こそ数学と理科」と高校生に視野を広げるよう講演した。p.44で「読む、聴く」という受信から「書く、話す」
型に学生が変身して、社会に出て給料を貰えるようになる。多くの科目は連動している「学ぶと遊ぶの枠」を作らない。p.71には恩師との感動の話がありました。
p.75には医学部出身の学長との口論、工学部の苦労。p.77は受験生に読ませるべき話ですね。
第2章 市民に理科をPRする
河合塾や代ゼミでの宣伝活動
p.94には有名な人気予備校の講師の講義を聞きに行った話。
第3章の「学生指導」は大変だった
p.116には「学生の集中力は13分」をヒントの授業、その「学生の授業評価アンケート」
でベストテイチャー賞を受けた。
p.130には未熟な学生を引率する苦労話、これこそ多くの学生が読んで教師の心を忖度すべき内容
p.147 学生が大学を卒業して社会(勤め先)で活躍できるように能力を伸ばして上げることが大学
教員の最大の使命である。以下はその苦労話。これこそ現役の学生が読んでおくべき内容。
第4章は教員採用と論文審査の風景、自身の干されかかった話
終章には科研費申請の具体的な話と産学連携でノーベル賞のリチウム電池とそのセパレター
に繋がつた話。
象牙の塔と思っていた世界を白日の下に晒してくれた興味深い話で面白く読ませていただきました。
「工学部ヒラノ教授と七人の天才 」今野 浩 にも登場した凄い野口氏の
「実力大競争時代の「超」勉強法」「「超」整理法 (中公新書)」野口 悠紀雄
「英語再入門」柴田 徹士とその弟子の 藤井 治彦の対談
「バカの壁 (新潮新書) 」養老 孟司
「国家の品格 (新潮新書)」「管見妄語 始末に困る人 」藤原 正彦 が教育TVでも解説した
「数学者列伝 天才の栄光と挫折」でアーベルの話で涙した。
「数学をいかに教えるか」「記憶の切繪図―七十五年の回想 」志村五郎(フェルマー予想で有名)は辛辣でした。意外なことに大数学者の漢文の素養も凄い。
「龍雄先生の冒険 回想の内山龍雄:一般ゲージ場理論の創始者」も厳しい指導者だったのレビューも御覧ください。
など大学教授が本業以外の人生ドラマは結構面白いですね。
米国のハーバード大など資産運用では有名です。竹中平蔵がいた慶応なども資産運用をかなりやっていたが・・・・
国立大学でも東大は予算でも京大より別格に多いせいか、京大は本庶 佑や山中教授というノーベル賞
学者がいても十分研究員を養えないで苦労をしている。
国立大学ほど予算がなく校舎や設備の老朽化に私大との格差は歴然たるものがある、近畿大学(別名まぐろ大)などとかくマスコミに取り上げられるので人気NO.1となった、大学祭で図書館もみたがすごいですよ。
ソクラテス式問答法は問題の答えや知識を求める方法ではなく、むしろ無知を示すことを意図していた。ソクラテスは、まず学生に無知を自覚させその上で知っておくべき事柄を教え込む必要があるとした。
第1章 未来ある高校生に必死でPR
p.41国語力がないとそれ以上の英語力は身につかない。「理系こそ国語と英語、文系こそ数学と理科」と高校生に視野を広げるよう講演した。p.44で「読む、聴く」という受信から「書く、話す」
型に学生が変身して、社会に出て給料を貰えるようになる。多くの科目は連動している「学ぶと遊ぶの枠」を作らない。p.71には恩師との感動の話がありました。
p.75には医学部出身の学長との口論、工学部の苦労。p.77は受験生に読ませるべき話ですね。
第2章 市民に理科をPRする
河合塾や代ゼミでの宣伝活動
p.94には有名な人気予備校の講師の講義を聞きに行った話。
第3章の「学生指導」は大変だった
p.116には「学生の集中力は13分」をヒントの授業、その「学生の授業評価アンケート」
でベストテイチャー賞を受けた。
p.130には未熟な学生を引率する苦労話、これこそ多くの学生が読んで教師の心を忖度すべき内容
p.147 学生が大学を卒業して社会(勤め先)で活躍できるように能力を伸ばして上げることが大学
教員の最大の使命である。以下はその苦労話。これこそ現役の学生が読んでおくべき内容。
第4章は教員採用と論文審査の風景、自身の干されかかった話
終章には科研費申請の具体的な話と産学連携でノーベル賞のリチウム電池とそのセパレター
に繋がつた話。
象牙の塔と思っていた世界を白日の下に晒してくれた興味深い話で面白く読ませていただきました。
「工学部ヒラノ教授と七人の天才 」今野 浩 にも登場した凄い野口氏の
「実力大競争時代の「超」勉強法」「「超」整理法 (中公新書)」野口 悠紀雄
「英語再入門」柴田 徹士とその弟子の 藤井 治彦の対談
「バカの壁 (新潮新書) 」養老 孟司
「国家の品格 (新潮新書)」「管見妄語 始末に困る人 」藤原 正彦 が教育TVでも解説した
「数学者列伝 天才の栄光と挫折」でアーベルの話で涙した。
「数学をいかに教えるか」「記憶の切繪図―七十五年の回想 」志村五郎(フェルマー予想で有名)は辛辣でした。意外なことに大数学者の漢文の素養も凄い。
「龍雄先生の冒険 回想の内山龍雄:一般ゲージ場理論の創始者」も厳しい指導者だったのレビューも御覧ください。
など大学教授が本業以外の人生ドラマは結構面白いですね。
2020年6月29日に日本でレビュー済み
著者は非常に古いタイプの大学教授だと感じた。古いタイプの大学教授のイメージを持っている方が、本書を読んでやはり大学教授というのはこういう人たちなのだ、大学とはこういうところなんだな、というステレオタイプを確認して満足するのには良い本である。ただし、現代的な視点から「あれ?」と思う点は非常に多く、特に若い人に勧められる本ではない。以下、私が古いと思った点についてもう少し具体的に指摘する。
授業開始時に小テストがあり、その小テスト後に退出して良いと言ったら本当に退出した学生が続出して驚いた、という話が載っていた。自分の授業を退出する生徒がいるはずはないと思っていたと書いてあるが、退出して良いと言われて退出するのは当然で、言われたことの裏を考えなければいけない非常に面倒くさい先生である。
授業評価アンケートについての話にも驚いた。学生が教授の授業を評価する無記名の授業評価アンケートがあるそうだ。そのアンケートに記入してもらう際に「無記名だからといって、何を書いても許されると思うんじゃない」と渋みを出して言い放ったそうである。無記名のものであれ、授業評価アンケートの記入に際して脅すようなことを言うのは最もやってはいけないことである。これでは学生が書きたいことは書けなくなるし、授業評価アンケートの意味がなくなってしまう。
学科の新入生が入学式前に参加するオリエンテーションの記述にも度肝を抜かれた。まず、参加は任意である。任意ということは、参加しても良いし参加しなくても良いはずである。しかし、この本の著者は参加の意思を表明していない学生に電話をかけ、オリエンテーションの説明を「読んだ?参加できる?」と「追い詰めていく」ようである。それに対して新入生が「あれって絶対行かないといけないんですか?」と言うとその新入生のことを著者は「生意気なことを言ってくる新入生」と書いている。こんな面倒な教授は本当にやめてほしい。参加が任意ならそれは本当に任意であるべきである。全員に参加してほしいならそれを学科の公式な参加行事にすれば良い。学科の、あるいは教授の言葉の裏を読まなければいけないような、こんなことを学生に要求するべきではない。
そしてそのオリエンテーションの内容も驚愕である。高校の恩師と親へ葉書を書くそうである。こんなオリエンテーションには絶対に参加したくない。高校恩師と親へ葉書を書くなんてことは、非常に個人的なことである。学科の教授に催促されて書くものではない。オリエンテーションにはそれ以外にも様々な活動があり、それらを通じて「同じ学科だという一体感」が生まれると著者は書いている。一体、いつの時代の話だろうか。著者は、これを冗談で書いているわけではない。どうやら本気のようである。心底怖くなった。
この本の著者のような方が教えている学科には入りたくないと思った。
大学の内情を描いた興味深い点もいろいろとあり、面白くない本というわけではない。ただ、上述のように私は著者の学生に対する態度に強い違和感を感じており、若者が大学とはこういう場所であると思ってしまうとまずいと心から思っている。
授業開始時に小テストがあり、その小テスト後に退出して良いと言ったら本当に退出した学生が続出して驚いた、という話が載っていた。自分の授業を退出する生徒がいるはずはないと思っていたと書いてあるが、退出して良いと言われて退出するのは当然で、言われたことの裏を考えなければいけない非常に面倒くさい先生である。
授業評価アンケートについての話にも驚いた。学生が教授の授業を評価する無記名の授業評価アンケートがあるそうだ。そのアンケートに記入してもらう際に「無記名だからといって、何を書いても許されると思うんじゃない」と渋みを出して言い放ったそうである。無記名のものであれ、授業評価アンケートの記入に際して脅すようなことを言うのは最もやってはいけないことである。これでは学生が書きたいことは書けなくなるし、授業評価アンケートの意味がなくなってしまう。
学科の新入生が入学式前に参加するオリエンテーションの記述にも度肝を抜かれた。まず、参加は任意である。任意ということは、参加しても良いし参加しなくても良いはずである。しかし、この本の著者は参加の意思を表明していない学生に電話をかけ、オリエンテーションの説明を「読んだ?参加できる?」と「追い詰めていく」ようである。それに対して新入生が「あれって絶対行かないといけないんですか?」と言うとその新入生のことを著者は「生意気なことを言ってくる新入生」と書いている。こんな面倒な教授は本当にやめてほしい。参加が任意ならそれは本当に任意であるべきである。全員に参加してほしいならそれを学科の公式な参加行事にすれば良い。学科の、あるいは教授の言葉の裏を読まなければいけないような、こんなことを学生に要求するべきではない。
そしてそのオリエンテーションの内容も驚愕である。高校の恩師と親へ葉書を書くそうである。こんなオリエンテーションには絶対に参加したくない。高校恩師と親へ葉書を書くなんてことは、非常に個人的なことである。学科の教授に催促されて書くものではない。オリエンテーションにはそれ以外にも様々な活動があり、それらを通じて「同じ学科だという一体感」が生まれると著者は書いている。一体、いつの時代の話だろうか。著者は、これを冗談で書いているわけではない。どうやら本気のようである。心底怖くなった。
この本の著者のような方が教えている学科には入りたくないと思った。
大学の内情を描いた興味深い点もいろいろとあり、面白くない本というわけではない。ただ、上述のように私は著者の学生に対する態度に強い違和感を感じており、若者が大学とはこういう場所であると思ってしまうとまずいと心から思っている。
2020年10月27日に日本でレビュー済み
工学部の大学教授の奮闘ぶりを赤裸々に描いた好著。
いろいろな高校や予備校に出張し、「模擬講義」などを行って化学の研究に興味を持ってもらおうと努力したり、社会人向けの「市民講座」を開いたり、学生を指導したり、研究したり、教授会などの大学運営に参画したり、まさに東奔西走の多忙な日々だ。
本書の文章は、門外漢の人にも化学や工学部のことがきちんと理解できるよう具体的な逸話をふんだんに盛り込んでおり、文章にも良質なユーモアが感じられて思わずくすりと笑ってしまった。
人口減少で大学も危機の時代にあるが、大学教授たちが己の本分を全うするべく努力する姿が垣間見えて面白かった。時には厳しい現状にぼやきつつも、一所懸命仕事に取り組んでいる筆者に拍手を送りたい。
いろいろな高校や予備校に出張し、「模擬講義」などを行って化学の研究に興味を持ってもらおうと努力したり、社会人向けの「市民講座」を開いたり、学生を指導したり、研究したり、教授会などの大学運営に参画したり、まさに東奔西走の多忙な日々だ。
本書の文章は、門外漢の人にも化学や工学部のことがきちんと理解できるよう具体的な逸話をふんだんに盛り込んでおり、文章にも良質なユーモアが感じられて思わずくすりと笑ってしまった。
人口減少で大学も危機の時代にあるが、大学教授たちが己の本分を全うするべく努力する姿が垣間見えて面白かった。時には厳しい現状にぼやきつつも、一所懸命仕事に取り組んでいる筆者に拍手を送りたい。
2024年1月9日に日本でレビュー済み
大学教授本は他にもあるが、これは最低。ダジャレの好きな「ベストティーチャー」で、高校への出前授業を盛んにやっていた人らしいが、その自慢話が鼻につく。各章も言いたいことが、イマイチよくわからない。これで「理系も国語力が大事」と本人が書いてるのだから驚く。大学教授の仕事を世に知らせたいという意図には同意するけど、もっと普通の、平凡な教員生活が今は大多数だと思う。少し昔の教員間の上下関係、研究費獲得の苦労、博士論文の審査の様子などはリアリティがあって面白いのだが。
2021年3月15日に日本でレビュー済み
著者は昔から広告塔として精力的に活動していたことを記憶していますし、その中でいろいろなご苦労があったのだと思います。この本はそのことについての集大成なのだと思います。
本レビュー欄は著者の人柄について書くところではありませんので割愛いたしますが、
〈不人気学科とは、学生が集まりにくい学科のことである。その学科の研究がダメだとか、就職率がわるいとか、はたまたカリキュラムがよくないとかではない〉の就職について一言注釈したく。
腐っても国立大学ですので、氷河期のころでも選ばなければ就職先はいくらでもありました。ですので就職率が悪くなるわけがないのです。不人気学科の理由は単純明快で他学科よりも就職先が明らかに見劣りしたからです。
これは想像ですが、そこが改善できなかったから不人気対策として改組を繰り返したのだと思います。
私はたまたま良縁があり満足できる就職ができましたが、少なくない同級生は、満足できる就職先を求めて大学院は他大に行くとか、いっそ公務員になるとか、士業につくとか。。。
こんなに士業につく人数が多い工学科も珍しいと思い何となくコメントいたしました。
本レビュー欄は著者の人柄について書くところではありませんので割愛いたしますが、
〈不人気学科とは、学生が集まりにくい学科のことである。その学科の研究がダメだとか、就職率がわるいとか、はたまたカリキュラムがよくないとかではない〉の就職について一言注釈したく。
腐っても国立大学ですので、氷河期のころでも選ばなければ就職先はいくらでもありました。ですので就職率が悪くなるわけがないのです。不人気学科の理由は単純明快で他学科よりも就職先が明らかに見劣りしたからです。
これは想像ですが、そこが改善できなかったから不人気対策として改組を繰り返したのだと思います。
私はたまたま良縁があり満足できる就職ができましたが、少なくない同級生は、満足できる就職先を求めて大学院は他大に行くとか、いっそ公務員になるとか、士業につくとか。。。
こんなに士業につく人数が多い工学科も珍しいと思い何となくコメントいたしました。