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ひとの目、驚異の進化: 4つの凄い視覚能力があるわけ 単行本 – 2012/10/20
視覚ー進化ー脳をめぐる、最新の発見や考察をとおして、
ひとの目の驚くべき4つの能力を解き明かす!
::養老孟司氏、絶賛! ::
見ることに関心がある人だけでなく、「自らを知りたい」人に、ぜひ読んでもらいたい。
ーー『毎日新聞』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なぜ、ひと(霊長類の一部)は、カラフルな色覚を進化させたのか?
なぜ、ひとの目は、横ではなく前についているのか?
なぜ、ひとの視覚は、錯覚に陥るようにできているのか?
なぜ、ひとの脳は、人工的な文字をうまく処理できるのか?
・・・視覚ー進化ー脳をめぐる、最新の発見や考察をとおして、
ひとの目の驚くべき4つの能力を解き明かす!
著者のチャンギージーは、下條信輔氏との共同研究によっても知られる
進化理論神経科学の旗手だ。
「私たちの日々の視覚認識について、まさに革命的な考察をしている」
ーー下條信輔(カリフォルニア工科大学教授、『サブリミナルマインド』などの著者)
視覚から「人間とはなにか」を探究する、知的興奮の書!
::著者::
マーク・チャンギージー
カリフォルニア工科大学・理論神経生物学の特別研究員、レンスラー工科大学・認知科学学部の准教授を経て、
現在、認知・知覚の基礎研究を進める研究所2AI Labsの主任。
チャンギージー博士の研究は、数多くのメディアや書籍で紹介されている。
::目次::(より詳しくは「なか見!検索」をどうぞ)
第1章 感情を読むテレパシーの力 ●カラフルな色覚を進化させたわけ
・なぜ霊長類は色覚を進化させたのか・・「裸のサル」だと良いこと・・女性に色覚異常が少ない理由
第2章 透視する力 ●目が横ではなく、前についていると便利なわけ
・リスに変えられて、チンパンジーに追われたら・・見通しの悪い環境に適したデザイン・・前向きの目はどこが有利なのか
第3章 未来を予見する力 ●現在を知覚するには、未来を見る必要があるわけ
・反応の遅い脳のほうが高性能・・サンショウウオの凄い視覚・・・非ユークリッド型の現在・・錯視の大統一理論
第4章 霊読(スピリット・リーディング)する力 ●脳が文字をうまく処理できるわけ
・書き言葉のトリック・・単語は、ものに似ている・・文字の平均画数は、なぜ三か?・・チューリングマシンと表記の発明
::絶賛の書評::
サイエンス本が持つべき美点の全てを兼ね備えている・・2012年のNo.1
ーー村上浩『HONZ』
従来とはまったく異なる視点から視覚のメカニズムを探る画期的研究
ーー谷本束『週刊朝日』
ひとの目の驚くべき4つの能力を解き明かす!
::養老孟司氏、絶賛! ::
見ることに関心がある人だけでなく、「自らを知りたい」人に、ぜひ読んでもらいたい。
ーー『毎日新聞』
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なぜ、ひと(霊長類の一部)は、カラフルな色覚を進化させたのか?
なぜ、ひとの目は、横ではなく前についているのか?
なぜ、ひとの視覚は、錯覚に陥るようにできているのか?
なぜ、ひとの脳は、人工的な文字をうまく処理できるのか?
・・・視覚ー進化ー脳をめぐる、最新の発見や考察をとおして、
ひとの目の驚くべき4つの能力を解き明かす!
著者のチャンギージーは、下條信輔氏との共同研究によっても知られる
進化理論神経科学の旗手だ。
「私たちの日々の視覚認識について、まさに革命的な考察をしている」
ーー下條信輔(カリフォルニア工科大学教授、『サブリミナルマインド』などの著者)
視覚から「人間とはなにか」を探究する、知的興奮の書!
::著者::
マーク・チャンギージー
カリフォルニア工科大学・理論神経生物学の特別研究員、レンスラー工科大学・認知科学学部の准教授を経て、
現在、認知・知覚の基礎研究を進める研究所2AI Labsの主任。
チャンギージー博士の研究は、数多くのメディアや書籍で紹介されている。
::目次::(より詳しくは「なか見!検索」をどうぞ)
第1章 感情を読むテレパシーの力 ●カラフルな色覚を進化させたわけ
・なぜ霊長類は色覚を進化させたのか・・「裸のサル」だと良いこと・・女性に色覚異常が少ない理由
第2章 透視する力 ●目が横ではなく、前についていると便利なわけ
・リスに変えられて、チンパンジーに追われたら・・見通しの悪い環境に適したデザイン・・前向きの目はどこが有利なのか
第3章 未来を予見する力 ●現在を知覚するには、未来を見る必要があるわけ
・反応の遅い脳のほうが高性能・・サンショウウオの凄い視覚・・・非ユークリッド型の現在・・錯視の大統一理論
第4章 霊読(スピリット・リーディング)する力 ●脳が文字をうまく処理できるわけ
・書き言葉のトリック・・単語は、ものに似ている・・文字の平均画数は、なぜ三か?・・チューリングマシンと表記の発明
::絶賛の書評::
サイエンス本が持つべき美点の全てを兼ね備えている・・2012年のNo.1
ーー村上浩『HONZ』
従来とはまったく異なる視点から視覚のメカニズムを探る画期的研究
ーー谷本束『週刊朝日』
- 本の長さ279ページ
- 言語日本語
- 出版社インターシフト
- 発売日2012/10/20
- ISBN-104772695311
- ISBN-13978-4772695312
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商品の説明
著者について
カリフォルニア工科大学・理論神経生物学の特別研究員、レンスラー工科大学・認知科学学部の准教授を経て、現在、認知・知覚の基礎研究を進める研究所2AI Labsの主任。下條信輔氏との共同研究によっても知られる。チャンギージー博士の研究は、数多くのメディアで紹介されている。
登録情報
- 出版社 : インターシフト (2012/10/20)
- 発売日 : 2012/10/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 279ページ
- ISBN-10 : 4772695311
- ISBN-13 : 978-4772695312
- Amazon 売れ筋ランキング: - 427,307位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年2月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
錯視の問題を中心に、ヒトの視覚系の進化を論じている。色覚が人の肌(顔色)の変化を見極めるべく進化したという話には説得力がある。ただ「錯視のグランドセオリー」という話は分かりにくい。あと翻訳がよくない。
2012年10月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こんなにハラハラドキドキしながら読み進めた科学本もめずらしい。章タイトルに「テレパシー」やら「透視」「霊読」といったトンデモ系ワードが飛び出すばかりではない。なにしろ従来の発想が次々と打ち破られていくんだから。
たとえば、ヒト(霊長類の一部)だけが、哺乳類のなかでは豊かな色彩を見る能力をもっている。従来の説では、それは食べ物になる熟した果実や新鮮な若葉を見分けやすいため進化した、というものだった。
でも、本書はこうした定説を具体例をあげながら粉砕! そして、思いもかけない新説を提唱する。この新説、ネタバレになるので明かせないが、仮説を実証していく切れ味鋭い展開は第一級の面白さだ(トンデモではなく、正当科学的なので、かなり納得)。
ほかにも本書は「目が横ではなく前についている理由」「錯視がおこるわけ」「なぜ脳は文字に親しめるのか」といったテーマで、次々と新説を繰り出す。同時にこの分野における近年の研究成果を知ることもできる。とくに私たちの視覚がいかに環境とともに育まれ、独自の進化を遂げたかという点で教えられることが多かった。(・・そして環境の激変した今日の社会では、そのユニークな利点が活かせないことも)
・・ところで、本書の幾つかの章は、著者と下條信輔教授との共同研究がコアとなっており、視覚をテーマとした下條氏の論考としても興味深い。
たとえば、ヒト(霊長類の一部)だけが、哺乳類のなかでは豊かな色彩を見る能力をもっている。従来の説では、それは食べ物になる熟した果実や新鮮な若葉を見分けやすいため進化した、というものだった。
でも、本書はこうした定説を具体例をあげながら粉砕! そして、思いもかけない新説を提唱する。この新説、ネタバレになるので明かせないが、仮説を実証していく切れ味鋭い展開は第一級の面白さだ(トンデモではなく、正当科学的なので、かなり納得)。
ほかにも本書は「目が横ではなく前についている理由」「錯視がおこるわけ」「なぜ脳は文字に親しめるのか」といったテーマで、次々と新説を繰り出す。同時にこの分野における近年の研究成果を知ることもできる。とくに私たちの視覚がいかに環境とともに育まれ、独自の進化を遂げたかという点で教えられることが多かった。(・・そして環境の激変した今日の社会では、そのユニークな利点が活かせないことも)
・・ところで、本書の幾つかの章は、著者と下條信輔教授との共同研究がコアとなっており、視覚をテーマとした下條氏の論考としても興味深い。
2013年11月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人間の視覚の透視能力?!
何を言い出すかと思っていたら、地下鉄の中で(電車でもバスでもかまわない)簡単にできる実験で、それが確認できた。唐突な仮説に驚かされながら、それが実生活(ゲームとかね)の中で「ほら、本当でしょう?」と、実に簡単な説明で、その証明がなされてゆく。「視覚は未来を観る」という著者は、軽々とサイエンスの先端に立って、これまでの定説をあっけなく、くず箱に入れ、あっけにとられるような実証と論理で、認知科学の新しい地平を拓いてみせる。こういう人がいるから、サイエンスは楽しい。
何を言い出すかと思っていたら、地下鉄の中で(電車でもバスでもかまわない)簡単にできる実験で、それが確認できた。唐突な仮説に驚かされながら、それが実生活(ゲームとかね)の中で「ほら、本当でしょう?」と、実に簡単な説明で、その証明がなされてゆく。「視覚は未来を観る」という著者は、軽々とサイエンスの先端に立って、これまでの定説をあっけなく、くず箱に入れ、あっけにとられるような実証と論理で、認知科学の新しい地平を拓いてみせる。こういう人がいるから、サイエンスは楽しい。
2013年11月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この発想は真理を語っているのかどうかは、凡人たる小生には判断し難い。しかしながら好奇心を刺激されて知的?興奮を堪能
出来た。若い頃にアーサー・クラークやアシモフを初めて読んだ時を思い出す。
出来た。若い頃にアーサー・クラークやアシモフを初めて読んだ時を思い出す。
2013年1月18日に日本でレビュー済み
ひとの目、驚異の進化
著者は、マーク・チャンギージー。
「進化理論神経科学」という舌をかみそうな専門分野の博士だそうだ。
この本では、視覚についての4つの話題を取り上げている。
1.なぜ、ひと(霊長類の一部)は、カラフルな色覚を進化させたのか?
2.なぜ、ひとの目は、横ではなく前についているのか?
3.なぜ、ひとの視覚は、錯覚に陥るようにできているのか?
4.なぜ、ひとの脳は、人工的な文字をうまく処理できるのか?
どれも、切り口が独特で面白い。
特に気に入ったのは2つ目の話題。
目が前についている理由として、ヒトの持つ『透視』する能力をあげる。
ヒトの目が前についていることについて、今まで聞いた一番もっともらしい理由は、両目でモノを見るのは「立体視」するためだ!!というもの。
が、著者は片目で見ても奥行きはそれほど損なわれないとして「立体視説」を否定。
そして、動物の大きさと目の向きを調べた結果から、大きくて葉を好む動物が透視能力を持つという。
もちろん、透視能力を発揮するための条件も書いてある。
透視と聞くと怪しげだが、本の説明を読むと「ナルホド!」と思う。
錯視の話では「ミュラー・リヤー錯視」に驚いた。
1度見てみてほしい。
[...]
著者は、マーク・チャンギージー。
「進化理論神経科学」という舌をかみそうな専門分野の博士だそうだ。
この本では、視覚についての4つの話題を取り上げている。
1.なぜ、ひと(霊長類の一部)は、カラフルな色覚を進化させたのか?
2.なぜ、ひとの目は、横ではなく前についているのか?
3.なぜ、ひとの視覚は、錯覚に陥るようにできているのか?
4.なぜ、ひとの脳は、人工的な文字をうまく処理できるのか?
どれも、切り口が独特で面白い。
特に気に入ったのは2つ目の話題。
目が前についている理由として、ヒトの持つ『透視』する能力をあげる。
ヒトの目が前についていることについて、今まで聞いた一番もっともらしい理由は、両目でモノを見るのは「立体視」するためだ!!というもの。
が、著者は片目で見ても奥行きはそれほど損なわれないとして「立体視説」を否定。
そして、動物の大きさと目の向きを調べた結果から、大きくて葉を好む動物が透視能力を持つという。
もちろん、透視能力を発揮するための条件も書いてある。
透視と聞くと怪しげだが、本の説明を読むと「ナルホド!」と思う。
錯視の話では「ミュラー・リヤー錯視」に驚いた。
1度見てみてほしい。
[...]
2017年12月4日に日本でレビュー済み
人間の目に関して、色、二つの目、錯視、文字を読む、の4点それぞれについて、著者ら自身の研究成果を反映した大胆な仮説とエビデンスが示されている。
特に、二章の透視能力に関しては言われてみれば理解もでき納得感のある素晴らしい話である。目が前についているのは立体視のためだという定説に対して、よりエビデンスの強い証拠を示しているのも素晴らしい。
一つ一つの章を独立に切り出しても通用するような驚きの連続で、著者の仮説構築力は天才的であると思うし、間違いなく読む価値のある本。
※ただし正直なところ、翻訳文はあまり自然ではないと思う。
特に、二章の透視能力に関しては言われてみれば理解もでき納得感のある素晴らしい話である。目が前についているのは立体視のためだという定説に対して、よりエビデンスの強い証拠を示しているのも素晴らしい。
一つ一つの章を独立に切り出しても通用するような驚きの連続で、著者の仮説構築力は天才的であると思うし、間違いなく読む価値のある本。
※ただし正直なところ、翻訳文はあまり自然ではないと思う。
2012年12月1日に日本でレビュー済み
著者のチャンギージーという名前は初耳、という人も多いかもしれない。しかしそんな人でも、著者が下條信輔氏の共同研究者で、その下條氏から本書が「革命的」と評されていることを知れば、本書に対する期待が込みあげてくるのではないだろうか。そしておそらく、その期待は裏切られないだろう。
本書で著者は、われわれがもつ4つの「超人的な視覚能力」を指摘し、その進化について論じている。ここでいう「超人的な視覚能力」とは、著者の言葉を使えば、(1) テレパシー、(2) 透視、(3) 未来予見、(4) 霊読、である。何やら怪しげな言葉遣いではあるが、これらはつまるところ、(1) 色覚により他人の感情や状態を読みとること、(2) 自分の鼻や目の前の物体を透かして見ること、(3) 現在を知覚するべく未来を予見すること、(4) 文字をたやすく識別できること(それゆえに死者のメッセージも解読できること)、といった能力にほかならない。それらの能力の存在と進化の由来を説明するのが、本書の主要テーマというわけである。
第一の能力(テレパシー)について説明しよう。著者によれば、人間の色覚が進化したのは、食用の果実や若葉を見つけるためではない。そうではなく、じつは、肌の色から他人の感情や状態を識別できるがゆえに、それは進化したのである。当人の感情や状態によって肌の色が見事なまでに変化するということは、われわれ誰もがよく知っていることだろう。そして、他人の感情や状態を読みとれるという能力は、それをもつ個体にとってたしかに有利にはたらいたはずだ。
さてしかし、以上の説を支持するような、何らかの論拠はあるだろうか。そこで著者は、色覚をもつサルの種と、その種の個体が顔に体毛をもつかどうかを照合する。そう、著者はこう予測するのである。もし色覚が上記の理由で進化したのだとしたら、色覚をもつ種の個体は、その顔が毛で覆われていないはずだ。というのも、その種の個体の顔が毛で覆われていたなら、そもそもそこから肌の色を(ひいては感情や状態を)読みとることができないからである。そして見事に、著者の予測は的中する。全身毛むくじゃらのサルが多いなかで、色覚をもつサルの顔は毛に覆われていないのである。
(著者の提示する論拠はそれだけではない。そしてさらなる論拠のなかで、われわれの目が肌の色のわずかなちがいも読みとれるようにできていることなどが明らかになってくる。これらの点についてはぜひ実際に読んでみてほしい。)
ほかの視覚能力についても、著者はたえず独創的な視点を提示し、巧みな議論を展開していく。読者も、「そんな考え方があったのか」とうならされ、「なるほど」と膝を打つことたびたびだろう。下條氏が「革命的」と評するのも、けっして誇張ではないように思われる。
ただ、まさにそういう本であるゆえに、先に触れたような言葉遣いは不要であったように思う。超能力的なボキャブラリーを導入することによって、逆に科学好きの読者が本書を敬遠してしまわないか、その点が心配だ。
そうはいっても、それで本書の価値が大きく減ぜられるわけではない。どこまでも独創的な本書の議論が、当該分野で今後どのように受け入れられていくか、とても楽しみなところだ。ブラボー。
本書で著者は、われわれがもつ4つの「超人的な視覚能力」を指摘し、その進化について論じている。ここでいう「超人的な視覚能力」とは、著者の言葉を使えば、(1) テレパシー、(2) 透視、(3) 未来予見、(4) 霊読、である。何やら怪しげな言葉遣いではあるが、これらはつまるところ、(1) 色覚により他人の感情や状態を読みとること、(2) 自分の鼻や目の前の物体を透かして見ること、(3) 現在を知覚するべく未来を予見すること、(4) 文字をたやすく識別できること(それゆえに死者のメッセージも解読できること)、といった能力にほかならない。それらの能力の存在と進化の由来を説明するのが、本書の主要テーマというわけである。
第一の能力(テレパシー)について説明しよう。著者によれば、人間の色覚が進化したのは、食用の果実や若葉を見つけるためではない。そうではなく、じつは、肌の色から他人の感情や状態を識別できるがゆえに、それは進化したのである。当人の感情や状態によって肌の色が見事なまでに変化するということは、われわれ誰もがよく知っていることだろう。そして、他人の感情や状態を読みとれるという能力は、それをもつ個体にとってたしかに有利にはたらいたはずだ。
さてしかし、以上の説を支持するような、何らかの論拠はあるだろうか。そこで著者は、色覚をもつサルの種と、その種の個体が顔に体毛をもつかどうかを照合する。そう、著者はこう予測するのである。もし色覚が上記の理由で進化したのだとしたら、色覚をもつ種の個体は、その顔が毛で覆われていないはずだ。というのも、その種の個体の顔が毛で覆われていたなら、そもそもそこから肌の色を(ひいては感情や状態を)読みとることができないからである。そして見事に、著者の予測は的中する。全身毛むくじゃらのサルが多いなかで、色覚をもつサルの顔は毛に覆われていないのである。
(著者の提示する論拠はそれだけではない。そしてさらなる論拠のなかで、われわれの目が肌の色のわずかなちがいも読みとれるようにできていることなどが明らかになってくる。これらの点についてはぜひ実際に読んでみてほしい。)
ほかの視覚能力についても、著者はたえず独創的な視点を提示し、巧みな議論を展開していく。読者も、「そんな考え方があったのか」とうならされ、「なるほど」と膝を打つことたびたびだろう。下條氏が「革命的」と評するのも、けっして誇張ではないように思われる。
ただ、まさにそういう本であるゆえに、先に触れたような言葉遣いは不要であったように思う。超能力的なボキャブラリーを導入することによって、逆に科学好きの読者が本書を敬遠してしまわないか、その点が心配だ。
そうはいっても、それで本書の価値が大きく減ぜられるわけではない。どこまでも独創的な本書の議論が、当該分野で今後どのように受け入れられていくか、とても楽しみなところだ。ブラボー。