筆頭翻訳者の松本俊彦先生は、自傷・自殺のリサーチや臨床実践のエキスパートです。他にも松本先生が翻訳されている本は何冊かあってどれも“すごい”です。
自傷行為をしっかりとアセスメントし、単なる「アピール」などではなく、本人の「そうせざるをえない」苦痛としてとりあげ、冷静に、しかし熱意をもって治療対象として真正面から扱っていく、というあり方は、私たちのこれまでの「自傷」に対する視点を変えてくれるものです。
自傷あるいは自殺に関する事柄は、精神科医療やその近接領域に携わっている治療者が必ず出会うものの1つです。
それらに触れることをタブーとしするのでもなく、また単なる問題行動としてでもなく、治療対象としてクライエント本人とともに扱うというのは、非常にしんどい作業ではあるけれど治療において必須でもあります。
アプローチの切り口はさまざまですが、その作業を進めていくうえで必要なことはまず、自傷あるいは自殺に関する言動に対して、私たちが理解を深めていくことであり、そうすることでそれらを正面から扱おうといった“意志”が私たちの内部に生まれてくるのではないでしょうか・・・?本書からはそういったエネルギーが感じられます。
日々、臨床実践の中で格闘している治療者がぜひ手元に置いておきたい一冊といえるでしょう。
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自傷行為治療ガイド 単行本 – 2007/3/15
ウォルシュの前著『自傷行為――実証的研究と治療指針――』の刊行以降,自傷行為は教育現場や医療現場でますます重要視され,治療法が広く必要とされるようになっている。
本書では,前著で詳しく論じられなかったトラウマや解離の問題を含め,リネハンの弁証法的行動療法(Dialectical Behavioral Therapy ; DBT)を踏まえた具体的な治療論が展開されている。また,自傷行為の定義からはじまり,初回面接,アセスメント,認知(行動)療法,家族療法,薬物療法,伝染の問題,学校における自傷管理方法までを詳細に,よりマニュアル化した形で書かれているのも本書の特徴のひとつである。臨床の合間に必要な項目のみ参照して活用でき,初学者のみならず,中級者にも自傷臨床への有益な着想が得られるだろう。
巻末に付された付録には「呼吸法マニュアル」,自傷関連サイトの紹介,自傷者のための権利章典が収録されている。「呼吸法マニュアル」はすぐにでも自傷臨床に生かせるであろうし,サイトの紹介,権利章典なども自傷者自身の心の風景を反映しており,興味深い。
本書は,自傷行為に関するあらゆるトピックを現代的な水準で網羅し,豊富な実証的知見・臨床経験を基に,治療法をすぐさま臨床実践に生かせるようプラクティカルに解説した,自傷行為治療にたずさわるすべての人々のための最良の治療ガイドである。
本書では,前著で詳しく論じられなかったトラウマや解離の問題を含め,リネハンの弁証法的行動療法(Dialectical Behavioral Therapy ; DBT)を踏まえた具体的な治療論が展開されている。また,自傷行為の定義からはじまり,初回面接,アセスメント,認知(行動)療法,家族療法,薬物療法,伝染の問題,学校における自傷管理方法までを詳細に,よりマニュアル化した形で書かれているのも本書の特徴のひとつである。臨床の合間に必要な項目のみ参照して活用でき,初学者のみならず,中級者にも自傷臨床への有益な着想が得られるだろう。
巻末に付された付録には「呼吸法マニュアル」,自傷関連サイトの紹介,自傷者のための権利章典が収録されている。「呼吸法マニュアル」はすぐにでも自傷臨床に生かせるであろうし,サイトの紹介,権利章典なども自傷者自身の心の風景を反映しており,興味深い。
本書は,自傷行為に関するあらゆるトピックを現代的な水準で網羅し,豊富な実証的知見・臨床経験を基に,治療法をすぐさま臨床実践に生かせるようプラクティカルに解説した,自傷行為治療にたずさわるすべての人々のための最良の治療ガイドである。
- 本の長さ324ページ
- 言語日本語
- 出版社金剛出版
- 発売日2007/3/15
- ISBN-104772409564
- ISBN-13978-4772409568
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登録情報
- 出版社 : 金剛出版 (2007/3/15)
- 発売日 : 2007/3/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 324ページ
- ISBN-10 : 4772409564
- ISBN-13 : 978-4772409568
- Amazon 売れ筋ランキング: - 869,046位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,687位臨床心理学・精神分析
- - 12,801位心理学入門
- - 13,611位心理学の読みもの
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2009年6月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2008年6月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「自傷行為」と「自殺企図」とはどう違うのか? 救急室に運ばれてくる自傷行為の患者さんを治療するときに、どんな対応をしたら治療的なのか? メンタルクリニックや精神科病院の外来で自傷行為を繰り返す患者さんの治療を進めるには、どうしたらいいのか?
この本は、たとえば上記のような疑問をもたれた医療関係者には必読の本です。
この本では、「自傷行為」と「自殺企図」との違いをきちんと記述することや、「リストカット症候群」いわゆる「リスカ」と称することで自傷行為という行動の本質が歪んで捉えられて間違った対応が蔓延した歴史のふりかえりから始まり、豊富なエビデンスと臨床経験をもとにして「アセスメント」「初回面接の進め方」「治療の原則」などを丁寧に実践的に記述しています。
原著は’05年に刊行されており、日本よりも遥かに進んだ欧米での自傷行為治療の最新の知見と治療指針をこれだけ読みやすく明晰な日本語で読めるというのは、本当にありがたい。さらに索引までついており、多忙な臨床家が必要な部分をさっと読み直せる配慮もされています。
この価格でこの内容なら、絶対にお買い得!
この本は、たとえば上記のような疑問をもたれた医療関係者には必読の本です。
この本では、「自傷行為」と「自殺企図」との違いをきちんと記述することや、「リストカット症候群」いわゆる「リスカ」と称することで自傷行為という行動の本質が歪んで捉えられて間違った対応が蔓延した歴史のふりかえりから始まり、豊富なエビデンスと臨床経験をもとにして「アセスメント」「初回面接の進め方」「治療の原則」などを丁寧に実践的に記述しています。
原著は’05年に刊行されており、日本よりも遥かに進んだ欧米での自傷行為治療の最新の知見と治療指針をこれだけ読みやすく明晰な日本語で読めるというのは、本当にありがたい。さらに索引までついており、多忙な臨床家が必要な部分をさっと読み直せる配慮もされています。
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