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現代アメリカ (有斐閣アルマ) 単行本(ソフトカバー) – 2010/11/25
渡辺 靖
(編集)
*アメリカの「現在」がわかる
13の視点から読み解く,新しいアメリカ入門テキスト。実際のエピソードを手がかりに,豊富な図表と写真を用いながら,気鋭の研究者が丁寧に説明する。アメリカについて,初めて体系的に学ぼうとする学生,アメリカへの留学・転勤を控えている人に最適の一冊。
13の視点から読み解く,新しいアメリカ入門テキスト。実際のエピソードを手がかりに,豊富な図表と写真を用いながら,気鋭の研究者が丁寧に説明する。アメリカについて,初めて体系的に学ぼうとする学生,アメリカへの留学・転勤を控えている人に最適の一冊。
- ISBN-104641124191
- ISBN-13978-4641124196
- 出版社有斐閣
- 発売日2010/11/25
- 言語日本語
- 本の長さ300ページ
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登録情報
- 出版社 : 有斐閣 (2010/11/25)
- 発売日 : 2010/11/25
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 300ページ
- ISBN-10 : 4641124191
- ISBN-13 : 978-4641124196
- Amazon 売れ筋ランキング: - 624,630位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年5月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アメリカ研究を主題とする研究セミナーでの参考文献として購入した。トクヴィルの解釈、アメリカ政治社会に登場する保守政治思想の基本的な型、No-Noボーイを代表とする戦中の日系アメリカ人の行動と彼らを巡る戦後補償・リドレス問題のそれぞれのトピックスについては、今日の主要なアメリカ論では、前提として当然とされているだけに省かれ、気づきにくくなっているきらいがあるが、本書は、こうした「忘れられやすいが、それだけに肝心要」の論点を論理的に把握しうる、読みやすい参考書である。
2011年1月11日に日本でレビュー済み
先日読んだ『
アメリカン・デモクラシーの逆説
』(岩波新書)の著者が中心となり、13人の研究者が 政治、経済、文化、外交の4側面から現代アメリカを読み解いた書です。
宗教について論じた第8章のうち「宇宙SF作品に表れたアメリカの2つの宗教性」について著者のいう「宗教性」については一理あると認めます。しかしその一方で、それぞれの映像作品が作られた当時の文化的背景に照らすと、少し違った見方を私はします。
著者は60年代の『スター・トレック』と70年代の『スター・ウォーズ』について論じています。
『スター・トレック』は「乗組員たちは行く先々で、モンスターを倒して人々を救い文明をもたらしたり、独裁者を倒して民主主義をもたらしたりするというモチーフが目立つ」ドラマで、著者はこれを「伝統的宗教性を反映している」としています。
一方で、『スター・ウォーズ』を1960年代の「カウンター・カルチャーから生じた新しい宗教性を反映している」と見なします。
しかし、私が思うに、『スター・トレック』は1950年代までのアメリカの古き良き伝統的価値観がベトナム戦争の泥沼化によって大きく揺らぐ中で、新しい価値観を紡ぎだそうという考えがバックボーンにある作品です。ですから宇宙人との戦争については大変懐疑的であり、著者が指すように必ずしも地球的価値観にあわない宇宙人を倒しておしまい、という展開ではない点が斬新であると考えます。
『スター・トレック』の1エピソード「宇宙基地SOS」はロミュラン星人とUSSエンタープライズの死闘を描いていますが、ロミュランも地球人側も戦争というものの空しさ、正義の戦争というものがまやかしであることを知っているという物語です。
「カヌーソ・ノナの魔力」は当時の米ソの代理戦争であるベトナム戦争を、舞台を宇宙に置き換えた作品ですが、一つの惑星で二つに分かれて対立している宇宙人の片方を地球人が、もう片方をクリンゴン星人が後方支援するという話です。しかしそれでも必ずしもクリンゴン側が卑劣で邪悪な存在として描かれているわけではありません。ここにもベトナム戦争における米国の価値観が絶対のものではないということが示唆されています。
このほかにも「危険な過去への旅」など、第二次世界大戦とアメリカの参戦という問題が必ずしも一筋縄ではいかないものだったということをみつめるエピソードもあります。
このように、『スター・トレック』が60年代のカウンター・カルチャー以前の価値観を体現しているという見方はあたらないと私は考えます。
その一方で70年代後期から80年代にかけての『スター・ウォーズ』はむしろカウンター・カルチャーからの揺り戻しの中で、勧善懲悪という単純な二項対立で世界を見る、そしてもちろんアメリカこそが正義であるという80年代以降のレーガン政権的な世界観の端緒を私は見るのです。事実、レーガンは戦略防衛構想(Strategic Defense Initiative, SDI)のことを盛んに「スター・ウォーズ計画」と呼んで悦に入っていましたから。
宗教について論じた第8章のうち「宇宙SF作品に表れたアメリカの2つの宗教性」について著者のいう「宗教性」については一理あると認めます。しかしその一方で、それぞれの映像作品が作られた当時の文化的背景に照らすと、少し違った見方を私はします。
著者は60年代の『スター・トレック』と70年代の『スター・ウォーズ』について論じています。
『スター・トレック』は「乗組員たちは行く先々で、モンスターを倒して人々を救い文明をもたらしたり、独裁者を倒して民主主義をもたらしたりするというモチーフが目立つ」ドラマで、著者はこれを「伝統的宗教性を反映している」としています。
一方で、『スター・ウォーズ』を1960年代の「カウンター・カルチャーから生じた新しい宗教性を反映している」と見なします。
しかし、私が思うに、『スター・トレック』は1950年代までのアメリカの古き良き伝統的価値観がベトナム戦争の泥沼化によって大きく揺らぐ中で、新しい価値観を紡ぎだそうという考えがバックボーンにある作品です。ですから宇宙人との戦争については大変懐疑的であり、著者が指すように必ずしも地球的価値観にあわない宇宙人を倒しておしまい、という展開ではない点が斬新であると考えます。
『スター・トレック』の1エピソード「宇宙基地SOS」はロミュラン星人とUSSエンタープライズの死闘を描いていますが、ロミュランも地球人側も戦争というものの空しさ、正義の戦争というものがまやかしであることを知っているという物語です。
「カヌーソ・ノナの魔力」は当時の米ソの代理戦争であるベトナム戦争を、舞台を宇宙に置き換えた作品ですが、一つの惑星で二つに分かれて対立している宇宙人の片方を地球人が、もう片方をクリンゴン星人が後方支援するという話です。しかしそれでも必ずしもクリンゴン側が卑劣で邪悪な存在として描かれているわけではありません。ここにもベトナム戦争における米国の価値観が絶対のものではないということが示唆されています。
このほかにも「危険な過去への旅」など、第二次世界大戦とアメリカの参戦という問題が必ずしも一筋縄ではいかないものだったということをみつめるエピソードもあります。
このように、『スター・トレック』が60年代のカウンター・カルチャー以前の価値観を体現しているという見方はあたらないと私は考えます。
その一方で70年代後期から80年代にかけての『スター・ウォーズ』はむしろカウンター・カルチャーからの揺り戻しの中で、勧善懲悪という単純な二項対立で世界を見る、そしてもちろんアメリカこそが正義であるという80年代以降のレーガン政権的な世界観の端緒を私は見るのです。事実、レーガンは戦略防衛構想(Strategic Defense Initiative, SDI)のことを盛んに「スター・ウォーズ計画」と呼んで悦に入っていましたから。