あーやっぱりかと思いがっかりする早稲田大商学部あたりの先生の売名翻訳。
タイトルの「創造的模倣戦略」は翻訳者の脳内お花畑の産物で、原題は "Managing imitation strategies" です。どこにも「創造的」という言葉はないんですね。
内容としては、先駆者がリーチできなかった、または考えもしなかった顧客に、先駆者が提唱しなかった価値を提供することで大ヒットを飛ばした例がたくさん書かれています。
戦略かと言われるととても困るタイプの本ですね。この手の戦略本は、うまくいった例だけを根拠に生存者バイアスをかけて戦略があったかのように語ってしまうのが特徴です。つまり、この本の中に書かれている成功者たちと同じような戦略を掲げたにも関わらず成功できなかった人たちについて、あまり言及されていないんですね。
本来戦略の有効性とは、何らかの実験において
戦略を a) 実行する b) 実行しない
その結果 A) 成功した B) 成功しなかった
の4象限を見なければその有効性を提唱すべきではありません。
本書は a-A についての言及が主で、例えば a-B についてはほとんど触れられていないのです。
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