素晴らしい書物。もともとパースの図形論理に関心があってからのプラグマティズム探訪だったのだが、その深い思想的水脈に触れることで、もう1つ気にかかっていた統計の哲学的意味合いを感じることができた。これは平易な統計思想のテキストでは得られないものだった。
社会背景は違えど、問題構成は現在と全く類似であることも興味深く、様々な書籍のネタ本になっているだろうと推測される1っ冊である。
なお、本書の論理とは理論構成のことで、命題論理学に触れているものではない。
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メタフィジカル・クラブ――米国100年の精神史 単行本 – 2011/8/20
南北戦争は連邦存続と奴隷解放のために戦われたと理解されがちだが、実際は
イデオロギー対立の殺し合いによる解消という側面が強い。62万の戦死者を出して
維持された連邦、民主主義とは、一体何だったのか。
この反省に立脚し、現代に至る米国精神の礎石を築いた若き哲学者たちがいた。
後の合州国最高裁判事オリヴァー・ウェンデル・ホウムズ、心理学者ウィリアム・
ジェイムズ、論理学者チャールズ・サンダース・パース、教育学者ジョン・デューイである。
ときに反目した彼らの思想は次の一点で一致していた。すなわち「思想は決してイデオロ
ギーに転化してはならない」。
彼らは米国の近代化に大きな役割を果たしただけでなく、教育、民主主義、自由、正義、
寛容についての米国人の考えを変えた。その思想「プラグマティズム」胚胎の場が「メタ
フィジカル・クラブ」――形而上学批判の意味を込めて命名され、彼らが集った議論集会
であった。本書は、歴史上に一瞬あらわれたこの幻のような集会を象徴的中心として、
米国100年の精神史を見事に描き切っている。米国研究の要として名高い、現代の古典である。
フランシス・パークマン賞(Society of American Historians)、
ピューリツァー賞歴史部門受賞。
『ニューヨーク・タイムズ』紙ベストセラー。
イデオロギー対立の殺し合いによる解消という側面が強い。62万の戦死者を出して
維持された連邦、民主主義とは、一体何だったのか。
この反省に立脚し、現代に至る米国精神の礎石を築いた若き哲学者たちがいた。
後の合州国最高裁判事オリヴァー・ウェンデル・ホウムズ、心理学者ウィリアム・
ジェイムズ、論理学者チャールズ・サンダース・パース、教育学者ジョン・デューイである。
ときに反目した彼らの思想は次の一点で一致していた。すなわち「思想は決してイデオロ
ギーに転化してはならない」。
彼らは米国の近代化に大きな役割を果たしただけでなく、教育、民主主義、自由、正義、
寛容についての米国人の考えを変えた。その思想「プラグマティズム」胚胎の場が「メタ
フィジカル・クラブ」――形而上学批判の意味を込めて命名され、彼らが集った議論集会
であった。本書は、歴史上に一瞬あらわれたこの幻のような集会を象徴的中心として、
米国100年の精神史を見事に描き切っている。米国研究の要として名高い、現代の古典である。
フランシス・パークマン賞(Society of American Historians)、
ピューリツァー賞歴史部門受賞。
『ニューヨーク・タイムズ』紙ベストセラー。
- 本の長さ520ページ
- 言語日本語
- 出版社みすず書房
- 発売日2011/8/20
- ISBN-104622076101
- ISBN-13978-4622076100
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商品の説明
著者について
ルイ・メナンド
Louis Menand
1952年ニューヨーク生まれ。アメリカ研究者。英米文学者。ニューヨーク市立大学大学院教授等をへて現在ハーヴァード大学教授。2001年より雑誌『ニューヨーカー』のスタッフライターもつとめる。
本書Metaphysical Club (2001) により2002年にピューリツァー賞歴史部門を受賞。
他の著書にDiscovering Modernism: T. S. Eliot and His Context (1987), American Studies (2002), The Marketplace of Ideas (2010), 編書にThe Future of Academic Freedom (1996), Pragmatism: A Reader (1997) がある。
Louis Menand
1952年ニューヨーク生まれ。アメリカ研究者。英米文学者。ニューヨーク市立大学大学院教授等をへて現在ハーヴァード大学教授。2001年より雑誌『ニューヨーカー』のスタッフライターもつとめる。
本書Metaphysical Club (2001) により2002年にピューリツァー賞歴史部門を受賞。
他の著書にDiscovering Modernism: T. S. Eliot and His Context (1987), American Studies (2002), The Marketplace of Ideas (2010), 編書にThe Future of Academic Freedom (1996), Pragmatism: A Reader (1997) がある。
登録情報
- 出版社 : みすず書房 (2011/8/20)
- 発売日 : 2011/8/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 520ページ
- ISBN-10 : 4622076101
- ISBN-13 : 978-4622076100
- Amazon 売れ筋ランキング: - 579,009位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 18,397位哲学・思想 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
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2021年1月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2011年8月30日に日本でレビュー済み
アメリカを代表する哲学プラグマティズムの成立思想史を実証的に証言した文献上の言説やアーカイヴズ資料を駆使して描かれた19世紀思想史。19世紀のアメリカは南北戦争を含めて、内戦とその復興期である一方金メッキ時代と呼ばれる文化的興隆期でもあった。その興隆を横目にボストン・ブラーミン(アメリカ初期入植者で旧家グループ:ビーコン・ヒルに居住した家族たちでハーヴァードを卒業し、ハーヴァードと関りがあるのが条件)を名付けたホームズ親子の評伝で始まる。ホームズは連邦最高裁判事を務めた父、南北戦争で部隊長を務めた息子2代に共通するのは奴隷解放論であり、これがプラグマティズムの起源として当時の思想的核の形成を展開する。詩人のエマーソンもブラーミンの一員であり、その交流は、着実に大学、職場や地元共同体「形而上学クラブ(本書書名)」を形成し、展開する。バースがカントの純理の一節に因んで「プラグマティズム」と命名。それを医師から心理学者に専門を変更したウィリアム・ジェイムズ、彼にはジョン・ロック、ニュートン、ラプラス、マックスウェルなどの影響を描き出しながら、ジョン・デューイの出現とジョンズ・ホプキンスへの進学、その後シカゴ大学への転籍等を実に読みやすく描きだしたピューリツァー賞受賞の大作品。
大著ながら、平明な名文で実に読みやすい。アメリカ思想史の中核がいかに形成されたかを描き出している。19世紀の知性史とその人的交流を描き出して、アメリカのインテリ史でもあり、アメリカ研究(大学院)大学の背景にも連関する。
明晰な原文を損なうことなく訳出し、<アメリカ>と訳すべき用語の統一など細部を統一した翻訳姿勢が一貫して読みやすい邦訳に仕上がっている。プラグマティズムの思想史の水脈と伏流水を立体的に描き出した名著、海外の研究者には有難い仕事である。
膨大な注と参照文献リストも巻末に備え、もちろん索引も備える。思想史研究者には必読文献。
近年本郷の哲学科を中心に東京メタフィジカル・クラブが存在すると聞く、こちらは如何なる成果を世に問うのやら!
大著ながら、平明な名文で実に読みやすい。アメリカ思想史の中核がいかに形成されたかを描き出している。19世紀の知性史とその人的交流を描き出して、アメリカのインテリ史でもあり、アメリカ研究(大学院)大学の背景にも連関する。
明晰な原文を損なうことなく訳出し、<アメリカ>と訳すべき用語の統一など細部を統一した翻訳姿勢が一貫して読みやすい邦訳に仕上がっている。プラグマティズムの思想史の水脈と伏流水を立体的に描き出した名著、海外の研究者には有難い仕事である。
膨大な注と参照文献リストも巻末に備え、もちろん索引も備える。思想史研究者には必読文献。
近年本郷の哲学科を中心に東京メタフィジカル・クラブが存在すると聞く、こちらは如何なる成果を世に問うのやら!