カフカがマリエンバートのサナトリームで体験した恋人たちとの恋愛の痕跡を、まったく違った観点から描いた映画『去年マリエンバード』を鑑賞しながら、同時に追体験することの二重の楽しみを密かに堪能することができた
ミレナへの手紙は、去年マリエンバートで起こった恋愛の痕跡を完全には理解できないところが物足りない、
しかし、カフカの『城』を読むことによって、ミレナへの手紙から読み取れなかったアクチュアリテイーを憶測する事ができる楽しみが生じてカフカへの関心が深まり一層好きになった。
ミレナへの手紙を読んでいると、ミレナが、スタンダールの『赤と黒』に出てくるマチルドを思い出して面白くなった。カフカがスタンダールのマチルドを想定して、実際のミレナにラブレターを書いたのではないかという興味がわいた。
カフカがミレナと別れた理由が不明だが、ベンヤミンは『ドイツの根源の悲劇』でハムレット論を書いている。ハムレットがオフィリアを愛していながら、別れるメランコリーを読むと、カフカがミレナと別れた理由の一つが分かる気がする。ベンヤミンはカフカを現代のハムレットとして理解していたのではないか、と、ミレナへの手紙を読んで思った。
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ミレナ 記事と手紙――カフカから遠く離れて 単行本 – 2009/11/11
ミレナ・イェセンスカー
(著),
松下たえ子
(編集, 翻訳)
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購入オプションとあわせ買い
〈窓を通して物を見るほうが、
直接見るよりもわたしにははるかに魅力的で、
おもしろく、ひきつけられます。
窓から見ている人はそこには属していません。隔てられています。
今見ているものに対して抱く、
制限つきの、自立した、
憧れのひとかけがそこにそのまま保たれていると、
今まさにいる空間が完全に侵害されることはありません。
窓から風景を見るのはその風景を二度体験することです。
一度は目で、一度は願望で〉(「窓」より)
「カフカの恋人」としてその名を知られるミレナ・イェセンスカーは、
両大戦下のウィーンとプラハを拠点に活躍した、チェコ人ジャーナリストだった。
現実世界に向けるミレナの眼差しには、
愛おしみと冷静さを同時にそなえた独特の距離感がある。
ウィーンの街、結婚というもの、愛した人カフカ、蹂躙される母国…
どんな現実を前にしても、パーソナルな体験として感じたままに、
しかし、絶対的な公正さをもって伝えようとするその文章には、
少女時代より自尊心が強く、自分を侵すものに対し
容赦のない反抗をつづけた彼女の精神が宿っている。
チェコの三つの新聞に寄稿したさまざまな種類の署名記事と、
親しい人たちに宛てた手紙のなかから、
ミレナの人と思想と時代を伝える文章を選び編集。
巻末には、ラーヴェンスブリュックの女子強制収容所で息を引きとるまでの
ミレナの生涯をたどる略伝・年譜を付した。
ミレナ・イェセンスカーのありのままの姿を
日本で初めて紹介する待望の一冊である。
直接見るよりもわたしにははるかに魅力的で、
おもしろく、ひきつけられます。
窓から見ている人はそこには属していません。隔てられています。
今見ているものに対して抱く、
制限つきの、自立した、
憧れのひとかけがそこにそのまま保たれていると、
今まさにいる空間が完全に侵害されることはありません。
窓から風景を見るのはその風景を二度体験することです。
一度は目で、一度は願望で〉(「窓」より)
「カフカの恋人」としてその名を知られるミレナ・イェセンスカーは、
両大戦下のウィーンとプラハを拠点に活躍した、チェコ人ジャーナリストだった。
現実世界に向けるミレナの眼差しには、
愛おしみと冷静さを同時にそなえた独特の距離感がある。
ウィーンの街、結婚というもの、愛した人カフカ、蹂躙される母国…
どんな現実を前にしても、パーソナルな体験として感じたままに、
しかし、絶対的な公正さをもって伝えようとするその文章には、
少女時代より自尊心が強く、自分を侵すものに対し
容赦のない反抗をつづけた彼女の精神が宿っている。
チェコの三つの新聞に寄稿したさまざまな種類の署名記事と、
親しい人たちに宛てた手紙のなかから、
ミレナの人と思想と時代を伝える文章を選び編集。
巻末には、ラーヴェンスブリュックの女子強制収容所で息を引きとるまでの
ミレナの生涯をたどる略伝・年譜を付した。
ミレナ・イェセンスカーのありのままの姿を
日本で初めて紹介する待望の一冊である。
- 本の長さ376ページ
- 言語日本語
- 出版社みすず書房
- 発売日2009/11/11
- ISBN-104622074958
- ISBN-13978-4622074953
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商品の説明
著者について
(Milena Jesenská 1896-1944)
チェコのプラハに生まれた。
1918年から24年までのウィーン滞在中に、チェコスロヴァキアの新聞にエッセイを寄稿し、
また独・仏・露・英文学からの翻訳も行った。
フランツ・カフカのいくつかの作品の最初のチェコ語翻訳者。
1920年からカフカと文通を重ね、
カフカからの手紙が『ミレナへの手紙』として後世に残された。
プラハに戻った後、『ナーロドニー・リスティ』紙で家庭・婦人・モード欄を担当。
『簡素への道』『どんなにめかしても馬子は馬子』などを出版。
1930年代前半共産主義に傾倒したが、
その後離脱し『プシートムノスト』紙で、亡命者の実態や国境地帯の様相をはじめとする
社会問題に取り組む記事を書いた。
非合法運動に参加。1939年捕らえられ、証拠不十分で不起訴となったが、
保護拘留の後、ラーヴェンスブリュックの強制収容所に送られた。
そこで後に『カフカの恋人 ミレナ』を著したマルガレーテ・ブーバー=ノイマンと出会い、
深い友情で結ばれた。
ドイツ敗戦のおよそ1年前に収容所にて病死。
チェコのプラハに生まれた。
1918年から24年までのウィーン滞在中に、チェコスロヴァキアの新聞にエッセイを寄稿し、
また独・仏・露・英文学からの翻訳も行った。
フランツ・カフカのいくつかの作品の最初のチェコ語翻訳者。
1920年からカフカと文通を重ね、
カフカからの手紙が『ミレナへの手紙』として後世に残された。
プラハに戻った後、『ナーロドニー・リスティ』紙で家庭・婦人・モード欄を担当。
『簡素への道』『どんなにめかしても馬子は馬子』などを出版。
1930年代前半共産主義に傾倒したが、
その後離脱し『プシートムノスト』紙で、亡命者の実態や国境地帯の様相をはじめとする
社会問題に取り組む記事を書いた。
非合法運動に参加。1939年捕らえられ、証拠不十分で不起訴となったが、
保護拘留の後、ラーヴェンスブリュックの強制収容所に送られた。
そこで後に『カフカの恋人 ミレナ』を著したマルガレーテ・ブーバー=ノイマンと出会い、
深い友情で結ばれた。
ドイツ敗戦のおよそ1年前に収容所にて病死。
登録情報
- 出版社 : みすず書房 (2009/11/11)
- 発売日 : 2009/11/11
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 376ページ
- ISBN-10 : 4622074958
- ISBN-13 : 978-4622074953
- Amazon 売れ筋ランキング: - 806,345位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 103,573位ノンフィクション (本)
- - 131,708位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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