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トロイア戦争:歴史・文学・考古学 単行本 – 2021/2/27

5つ星のうち4.2 18個の評価

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3000年以上前の戦いの真相を求めて

はるか昔、トロイア戦争の伝説を生み出した紛争があったのだろうか? あったとすれば、いつ、どこで? 古代ギリシア人・ローマ人はこの戦いを事実と信じたが、中世から近世にいたる学者たちはより懐疑的で、叙事詩が歴史的事実に基づいていた可能性が本格的に注目されたのは、1870年代のシュリーマンによる発掘以降のことだった。以来、多くの発見がなされたが、謎はいまだに残る。
本書は、トロイア戦争に関連する三つの分野の研究成果――ホメロス叙事詩と「叙事詩の環」などの文学資料、ヒッタイト文書という歴史学資料、ヒサルルック遺跡からの考古学資料――を渉猟し、多角的・総合的に検証する。叙事詩が語る戦いの細部は、青銅器時代つまりトロイア戦争が起こったとされる時代のものか、鉄器時代つまりホメロスの時代のものか。トロイアの支配者たちはヒッタイト文書にどのように記録されているか。巻末に、ヒッタイト文書の内容紹介、シュリーマン以前のトロイア発掘の試み、現在なお残る謎・問題点をまとめた、訳者による解説を収録。
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商品の説明

著者について

1960年生まれ、古典考古学、中近東言語学を学び、ペンシルベニア大学で古代史のPh.D.を取得。現在、ジョージ・ワシントン大学古典学・人類学教授。キャピトル考古学研究所所長。これまでにイスラエル、エジプト、ヨルダン、キュプロス、ギリシア、クレタ島、アメリカで考古学的調査・発掘に従事した。考古学関係の著作が多数あり、邦訳は『B.C.1177 古代グローバル文明の崩壊』(筑摩書房、2018年)。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 白水社 (2021/2/27)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2021/2/27
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 216ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4560098255
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4560098257
  • 寸法 ‏ : ‎ 14 x 2.1 x 19.6 cm
  • カスタマーレビュー:
    5つ星のうち4.2 18個の評価

著者について

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Eric H. Cline
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18グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2021年11月26日に日本でレビュー済み
    フォーマット: 単行本Amazonで購入
    欧米の源流にある大叙事詩『イリアス』の主題であるトロイア戦争の史実性を解明する近代以降の研究について、研究史と研究最前線の概略を、文献史料と考古学の双方から解説した書籍です。目次に構成がわかりやすく反映されています。

    序論(11)

    第I部 トロイア戦争(17)
     第1章 『イリアス』『オデュッセイア』「叙事詩の環」による物語(19)
     第2章 トロイア戦争の歴史的背景―ミュケナイ人、ヒッタイト人、トロイア人、「海の民」(45)

    第II部 文字による証拠を精査する(59)
     第3章 ホメロス問題―ホメロスは実在したか?『イリアス』は正しいか?(61)
     第4章 ヒッタイト文書―アッヒヤワ、ウィルサのアラクサンドゥ

    第III部 考古学的証拠を精査する(101)
     第5章 初期の発掘者たち―ハインリヒ・シュリーマンとヴィルヘルム・デルプフェルト(13)
     第6章 ヒサルルックに戻って―カール・ブレーゲンとマンフレート・コルフマン(121)

    エピローグ(147)

    用語集(159)
    謝辞(165)
    さらなる理解のために―解説にかえて(167)
    訳者あとがき(196)
    図版一覧(17)
    参考文献’(12)
    引用出典(8)
    索引(1)

      
    第I部は、トロイア叙事詩大系(学問的には「叙事詩の環」と呼ぶ、前8-6世紀の作とされる諸叙事詩)の紹介(後世の古典ギリシアやローマ時代における派生諸作品の解説が1頁しかないのが残念)と、後半は叙事詩以外の史料や研究から判明している時代背景となる歴史知識の概説。

    第II部は、歴史学研究の解説。伝世文献史料(トロイア叙事詩大系)からわかる歴史と社会に関する分析、及び出土文書史料(楔形文字のヒッタイト文書)に登場する、トロイアやアカイア(ギリシア本土)と思われる記述の解説。

    第III部はトロイア遺跡の考古学研究の研究史。

    基本的に、事前知識があまりなくてもトロイア戦争とトロイアに関する研究を知りたい一般の人向けの入門書となっています(主題はトロイアであるため、ホメロスワールドへの入門書としては記載は浅いかも知れない)。

    この分野では、ドイツ人研究者エーベルハルト・ ツァンガーの『甦るトロイア戦争』(原著1994年/日本語訳97年)が出ていますが、この本は、1998年から開始されたテュービンゲン大学のトロイア発掘調査報告がまだ反映されていない段階での、トロイア研究概説となっている点に本書との大きな相違があります(『甦るトロイア戦争』のあとがきでは、1992-3年に発表された一部のテュービンゲン大学の発掘報告においてなされたエーベルハルト ツァンガーの前著についての批判への反論が収録されています)。私は『甦るトロイア戦争』本文は読んではおらず、あとがきのみの参照なのですが、どうも『甦るトロイア戦争』は結構斬新な説を提起しているようで、それに比べると、本書は穏健な印象があります。

    テュービンゲン大学の1988年~のトロイアの青銅器時代の発掘プロジェクト(2005年以降も継続中の模様)は、トロイアが、シュリーマンらが発見していた要塞だけではなく、より大きな城壁に囲まれた都市であったことを発見し、その成果が2001年に開催された大規模な展示会開催や、2000年のナショナルジオグラフィックの特集(1月号「地球外生命を探す」号)の「古代ギリシャ 第一部 英雄の時代」)等で取り上げられ、2004年公開の映画『トロイ』の制作に結びついていった、20世紀末から21世紀初頭におけるトロイアに関する盛り上がりの震源にあったことがよくわかりました。

    ところで、本書では、ヒッタイト文書に登場するウィルサ=(ギリシア語のトロイア名イリアスの古ギリシア語の発音の)ウィリオス、同じくヒッタイト語アヒヤワ=ギリシア語アカイア説に大きく傾斜する立ち位置をとっていますが、『甦るトロイア戦争』はどちらも完全否定しているため、本書で10か所以上登場するウィルサ/ウィルシャという用語は『甦る』では2か所しか登場していませんし、同じく本書で10か所以上登場しているウィルサのアラクサンドゥ(パリスの別名アレクサンドロスに相当)は『甦る』では1か所しか登場していません。
    また、『甦る』で解説のある、アヒヤワの登場しているヒッタイト文書は4点ですが、本書は7点(訳者解説で1点追加され合計8点)登場しており、もしかしたら差分の部分が、『甦る』以後の発掘成果かも知れません。このように、90年頃までの成果に基づく『甦る』に比べると、本書(2013年)では、その後のトロイア発掘成果やヒッタイト文書研究の約20年間ほどの差分が含まれていることになりそうです。本書は『甦る』説に直接反論するような記載は無く、そもそも『甦る』自体への言及もない(参考文献一覧にあるのみ)ため、著者の『甦る』の位置づけは不明ですが、本書の傾斜しているウィルサ=イリオス、アヒヤワ=アカイア説と、『甦る』のアヒヤワ=トロイア国の名で、トロイアはその首都説は真向から対立するので、『甦る』の方も読んでみるのも面白いかも知れません。

    なお、今年日本語訳のでたヒッタイトの主要文書史料をよく紹介している『ヒッタイトの歴史と文化』では、ウィルシャは4ヶ所、アラクシャンドゥは一か所しか登場しておらず、トロイア/トロイア人も7、8か所で登場しているだけで、いずれもトロイア戦争とは結びつけられていません。アラクシャンドゥもトロイアとは結びつけられていません。おかげで『ヒッタイトの歴史と文化』を読んでいる時は、ウィルシャやアラクサンドゥが、イリオスやアレクサンドロス・パリス王子と関連があるという可能性については、思いも及びませんでした。この点では、トロイア戦争にまつわるヒッタイト文書は『ヒッタイトの歴史と文化』ではほぼ(それとわかる形で)言及されていないことから、トロイアやアカイアに関連するヒッタイト文書の概要を知るにも、本書は最適な入門書ということになるのではないかと思います。

    まだまだわからないことが多く、特にトロイア遺跡で文書史料が出土していないようなのですが(現地ルウィ語の文字を刻んだ印章のみ出土)、ヒッタイト側でウィルサ王との条約文書が出土していて、アカイア王からヒッタイト王に宛てた書簡も出土していることから、トロイアでも書簡を発している可能性があり、未処理の既存発掘ヒッタイト文書も大量に残っているそうですし、今後の更なる文書出土も期待されます。今後の発掘や研究の進展も楽しみです。
    10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2022年2月16日に日本でレビュー済み
    フォーマット: 単行本Amazonで購入
    ギリシア神話で語られる「トロイア戦争」とは実際、どのようなものだったのか?ホメロスの伝承、ヒッタイトの遺跡から出土した粘土板、そしてトロイアの遺跡からその謎に迫る学術書です。この統一性の無いような3要素がパズルのピースのように次々とつながり、読んでいて引き込まれました。
     長い間、神話の絵空事のように思われていた「ホメロスの詩」の中に、トロイアが繁栄していた「後期青銅器時代」の戦い方や描写が描かれているということに驚きました。決して「絵空事」ではなかったのだ。またヒッタイトの粘土板に出てくる人物「アラクサンドゥー」に興味を持ちました。アレキサンダー、アレクサンドロス、アレクサンデル…と現在も広く使われている人物名が既に3000年以上前から存在していたことに驚きました。トロイア遺跡を発掘したシュリーマンに対する批判的な意見もその通りかと思います。もし、シュリーマンではなく別の考古学者が精密な発掘をしていたなら、保存状態の良い壁画などが出ていたのではなかろうか?結局、シュリーマンは「考古学者」ではなく、最後まで「商売人」で「広告マン」で「トレジャーハンター」だったのだ。
     古代からトロイア遺跡のあたりの海域は地政学的に重要な場所になっています。中世には東ローマ帝国とイスラーム、近世にはオスマン帝国とヨーロッパ諸国、近代ではイギリスとロシア、そして現在ではアメリカとロシアがこの海域でしのぎを削っています。もしかすると「トロイア戦争」は形をかえつつも古代から現在に至るまで続いているのではなかろうかと思えてなりません。
     伝説だけではわからない、史実としての「トロイア戦争」の実像に迫りたい方にお勧めの1冊です。
    5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2021年9月17日に日本でレビュー済み
    フォーマット: 単行本
    トロヤとその周辺の考古学・古代学の最新の到達点がコンパクトにまとめられている。
    最新と書いたのは本書の原典が2013年に発行されているからだ。
    同じ問題について書かれたツァンガーの『甦るトロイア戦争』は1996年にドイツで出版されているので、その間に新しいことが出てきただろうかと思ったのだが、その期待は外れた。

    といってもこの本は、ツァンガーの本のようにトロヤ戦争と同時期に東地中海全域で起こった文明崩壊およびその後の「暗黒時代」を同一の歴史の流れの中で理解しようという、かなり挑戦的な学問的試みとは一線を画している。
    いわば、あまり思い切った説を唱えることなく、現在わかっている範囲で安全運転に徹した感がある。
    それはそれでテーマにかかわる研究上の現況を知るにはたいへんに有益だろう。

    しかしその反面、たとえばアヒヤワとはどこだったのかという問題を、現在の定説だとしてかなり気軽にアカイアと同定したりしている。
    様々な説のどういうところがどのように問題なのかといったようなことは、本シリーズの企画からして期待できない。
    しかしそのへんの示唆はあってもいいのではないか、という印象は持った。
    私は本書の前にツァンガーの本を読んでいたので、定説ではどう言われているのか、どのように定説が生まれてくるかなど本書により知ることができたのでプラスにはなった。
    10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2021年11月30日に日本でレビュー済み
    フォーマット: 単行本
    トロイア戦争の知識と言えば世界史の初めの方で習い、神話的な色彩から緊張感なくフワッとした知識しか持っていなかった。しかし神話が歴史に基づいていて、考古学的な遺跡とも符合するとなると認識の仕方も変わってくる。そもそもトロイアについては100年以上前から研究が続いていて、様々な説が出て、2000年代になっても新たな説が出てきていて、世界中の興味が尽きない研究対象のようだ。
    トロイア戦争は『イリアス』の作者とされるホメロスの時代よりも300年から400年さかのぼるようで、ホメロスが過去をどのように見つめていたか、垣間見られる。確かに文字が十分にない状況で、歴史のように詳細に出来事を把握しておくのは難しそうだ。本書ではこれまでの研究から、ホメロスの描くトロイア戦争はいくつかの時代をまたいでいることを示唆する。

    面白いのは、トロイア戦争の痕跡がヒッタイト文明の方にも見られるという指摘で、ギリシャのミュケナイとの交易や軍事衝突があったという。ギリシャ人を示すアカイアがヒッタイト語ではアッヒヤワというらしい。トロイア、つまりイリオスはウィルサ、アレクサンドロスはアラクサンドゥ。そしてヒッタイト文書でウィルサのアラクサンドゥと呼ばれた人物はトロイアのアレクサンドロス(パリスの審判で有名なパリスのこと=トロイア王プリアモスの息子)のことで、ギリシャ神話に登場する。紀元前13世紀初頭、ヒッタイト文書にはトロイアでの戦争の後にこのアレクサンドロスと締結した条約のテクストが残っている。点と点が線となり、神話と歴史がつながるポイントである。ヒッタイトのムワッタリ2世がウィルサ(トロイア)のアラクサンドゥ(アレクサンドロス)に対して同盟を結ぶ。この条約の文面にはヒッタイトがトロイアの味方をして敵を倒したことが記され
    る。一方本書の著者はこの敵が誰かはわからないため、この戦争を安易にホメロスの描くトロイア戦争だと言い切ることはできないと釘を刺す。

    シュリーマンはトロイア発掘の際、だいぶ深くまで掘ってしまい、紀元前三千年中頃の遺跡や財宝を発見していた。つまりトロイア戦争の頃よりも千年以上昔であったという。また新しい時代の遺跡を破壊してしまったようで、現在シュリーマンは評価されていない。トロイアは9相の時代に分類され、目的の後期青銅器時代は6、7相で地表に近い。このトロイアがどういう原因で破壊されたか、あるいはどういう街並みであったかなどから、その時代を推論していくところが面白い。6h市は繁栄した街で、ミュケナイの土器と同じものが発掘され、トロイアとミュケナイの戦争の前には交易があったことを示している。そしてシュリーマンの後任を勤めた建築家デルプフェルトは、その後のミュケナイとの戦争がトロイアを廃墟にしたと断定したが、破壊のされ方から人間によるものではないという見解も出る。城壁はいびつに壊れ、巨大な塔は倒壊していたのである。つまりミュケナイのアガメムノンによる破壊は6市においてはなかったことになる。
    本書はさらに論を進め、トロイア戦争は第何層であったのか展開していく。そして7a市において火災の後や埋葬地ではない街中で人骨が見つかり、戦乱の跡があったのである。ただしトロイア研究にはまだ答えはなく、この戦争がトロイア戦争だとは断定できないようだ。21世紀に入っても研究は続いていて今後の進展が楽しみである。

    『イリアス』で描かれるトロイア戦争は10年続いたが、実際はヘラクレス、アガメムノンによる戦争、ヒッタイト文書に示されるアッシュワの乱など何度かの戦争のことを指している可能性があるという。
    科学的に見た時にこれが答えだと断定しない姿勢には好感が持てるし、信用できる内容である。神話、古文書、考古学と多角的に真実に迫ろうとして、ワクワクしながら読書できる。ギリシャ神話についてちょっと違った視点で勉強するのにも面白いと思う。
    3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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