消えた年金記録、税・社会保障一体改革など年金に関するニュースを新聞で読むことは多いが、現在の年金制度の仕組みがどうなっているのかを正確に理解している人は実は少ないのではないだろうか。この本を読めば、先ず年金制度を正確に理解できる。
また、海外と比較するとどうなのか、課題は何か、解決策はどうすべきかにつき著者が歯切れいいじろんを展開しており、年金問題の論点、持続可能性の危うさについて理解を深めることができる。
新鮮だったのは、年金制度と生活保護制度(そのなかの高齢者向け生活扶助)の一体改革と、税、社会保障費の国税庁による一括徴収による税徴収の効率化。
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年金制度は誰のものか 単行本 – 2008/4/1
西沢 和彦
(著)
- 本の長さ289ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
- 発売日2008/4/1
- ISBN-104532490308
- ISBN-13978-4532490300
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登録情報
- 出版社 : 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版; New版 (2008/4/1)
- 発売日 : 2008/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 289ページ
- ISBN-10 : 4532490308
- ISBN-13 : 978-4532490300
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,084,142位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,827位福祉の社会保障
- - 20,785位社会学概論
- - 97,262位ビジネス・経済 (本)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2008年9月18日に日本でレビュー済み
社会保障審議会において煩型(うるさがた)の委員として鳴らしている民間シンクタンク研究員による年金改革論。前著
『年金大改革』
同様、政府および行政への一貫した懐疑的目線から繰り出される考察が本書の魅力。個人的には賛同しかねる見解も散見されるものの、御用学者による鈍(なまくら)本が跋扈する年金分野において、筆者の考察の鋭い切れ味は貴重な存在である。なお、個人的には以下の見解が興味深かった。
<刮目すべき見解>
・マクロ経済スライドが基礎年金にも適用されるのは、所得保障機能の観点から問題である(基礎的所得水準を下回る恐れあり)
・スウェーデンの年金制度はスウェーデンのお国柄(納税者番号制、高い移民率etc)ゆえに成り立つ(日本に導入したからといって必ずしも機能しない)
・英国の「ベヴァリジ報告」は福祉充実を意図したものではない。国家が保障するのは基礎的給付のみ(それ以下でも以上でもダメ)
・在職老齢年金は百害あって一利なし etc
<首を捻らざるを得ない箇所>
・役所批判が際立つ割には、その背後にある「政治家」ひいては「有権者」(=国民)への批判が皆無なのは片手落ち。「低負担高給付」を望んだのは役所だけでなく当時の日本国民の総意ではないのか?
・持論(間接税による二階建て制度)を1987年当時の年金局長が評価したことを以って「理想的」と評するのは我田引水もいいところ。役所の人間は信用できない筈ではなかったのかね?(汗)
・年金と税制のリンクについては、消費課税だけでなく資産課税への言及も欲しいところ(高所得者は消費ではなく保有資産が大きいはず) etc
<刮目すべき見解>
・マクロ経済スライドが基礎年金にも適用されるのは、所得保障機能の観点から問題である(基礎的所得水準を下回る恐れあり)
・スウェーデンの年金制度はスウェーデンのお国柄(納税者番号制、高い移民率etc)ゆえに成り立つ(日本に導入したからといって必ずしも機能しない)
・英国の「ベヴァリジ報告」は福祉充実を意図したものではない。国家が保障するのは基礎的給付のみ(それ以下でも以上でもダメ)
・在職老齢年金は百害あって一利なし etc
<首を捻らざるを得ない箇所>
・役所批判が際立つ割には、その背後にある「政治家」ひいては「有権者」(=国民)への批判が皆無なのは片手落ち。「低負担高給付」を望んだのは役所だけでなく当時の日本国民の総意ではないのか?
・持論(間接税による二階建て制度)を1987年当時の年金局長が評価したことを以って「理想的」と評するのは我田引水もいいところ。役所の人間は信用できない筈ではなかったのかね?(汗)
・年金と税制のリンクについては、消費課税だけでなく資産課税への言及も欲しいところ(高所得者は消費ではなく保有資産が大きいはず) etc
2008年5月3日に日本でレビュー済み
とことん詳しく書かれているし、わかりやすい。20代や30代の人間が将来もらえる年金額はどうなるのか、外国の年金制度はどうなっているのか、消費税による税方式に変えるには?、今まで払ってきた積立金は大丈夫なのか、こういった疑問に全て答えている。このままだと若い人ほど、とくに独身者は大変だと思った。最近新聞に出てくる税方式の動きや年金積立金の運用機関GPIFについても、先回りして書かれていた。買って損はない年金本の決定版だと思う。
2008年5月30日に日本でレビュー済み
著者は「国民一人ひとりが年金改革を考えるための…ガイドとしての役割を目指した」のが本書と述べています。読み終えて、その役割は十分に果たしている読み応えのある内容と評価します。ただ、これも著者が言う「予備知識がなくても読めるようにした」は、さすがに無理があるかなぁ…。せめて、国民年金と厚生年金の概要と違いくらいは知っていないとしんどい(というか、提言されている内容の是非(賛否?)が判断できないのでは?)と思います。
さて、その内容ですが、序盤で「基礎年金制度の問題点」「年金財政」に触れたうえで、直近の2004年の法改正内容を検証し、かつ、執行機関、つまり社保庁に代わる組織のあり方について論じ、外国との制度比較も行いつつ、最後に年金制度の改革案を提言しています。
著者の指摘はなかなかに筋が通っていて、しかも、私の個人的見解と考え方が近いこともあり、共感できる内容でした。
私が共感したところは…「(基礎年金と厚生年金の)二階建ては実質は二階建て年金を棄却したもので、基礎年金は財政を一元化しただけの『フィクションとしての基礎年金』」「さまざまなシミュレーション手法やスローガン(例:「100年安心年金」「2.3倍もらえる年金」)における政府による意図的なミスリーディング」「税と社会保険料の一括徴収、つまり歳入庁構想」などなど…。
まぁ、あるべき年金制度についての考え方はさまざまであってしかるべきですし、このような提言本はできるだけ異なる意見のものを多面的に読み込んだほうが考察は深まるのですが、そのなかの一冊としてはよく書けていると思います。著者が指摘するように、政治主導で、もっと論理的かつオープンに、国民全体を巻き込んだ制度改革論が盛り上がるといいのですが。
さて、その内容ですが、序盤で「基礎年金制度の問題点」「年金財政」に触れたうえで、直近の2004年の法改正内容を検証し、かつ、執行機関、つまり社保庁に代わる組織のあり方について論じ、外国との制度比較も行いつつ、最後に年金制度の改革案を提言しています。
著者の指摘はなかなかに筋が通っていて、しかも、私の個人的見解と考え方が近いこともあり、共感できる内容でした。
私が共感したところは…「(基礎年金と厚生年金の)二階建ては実質は二階建て年金を棄却したもので、基礎年金は財政を一元化しただけの『フィクションとしての基礎年金』」「さまざまなシミュレーション手法やスローガン(例:「100年安心年金」「2.3倍もらえる年金」)における政府による意図的なミスリーディング」「税と社会保険料の一括徴収、つまり歳入庁構想」などなど…。
まぁ、あるべき年金制度についての考え方はさまざまであってしかるべきですし、このような提言本はできるだけ異なる意見のものを多面的に読み込んだほうが考察は深まるのですが、そのなかの一冊としてはよく書けていると思います。著者が指摘するように、政治主導で、もっと論理的かつオープンに、国民全体を巻き込んだ制度改革論が盛り上がるといいのですが。