率直に言って京都大学教授が書いたとは思えない本である。基調はフリーター
はけしからんから若者は正社員になって働け、政府は若者が正社員になるのを
促進する政策を行うべきというものである。若者に職業訓練を施して、正社員
になりやすくするようサポートする政策を薦めるのは理解できるが、正社員を
雇用しない企業を批判し、企業に正規雇用を増加するよう倫理的に求めている
あたりは現実を知らない象牙の塔の住人であることを窺わせる。フリーター問
題の本質はデフレによって正社員の実質賃金が上昇しているものの名目賃金が
下げられないためそのしわ寄せが若者に行っていること、市場経済では避けら
れない変化の調整費用を誰が負担するか、合理的企業が正規雇用よりも非正規
雇用を優先してしまう社会保障制度(企業はフリーターの健康保険や年金の負
担をする必要がない)をどう変えていくかであるが、その点に対する言及は見
られない。あえて評価するとすれば、大学の文理比率の問題に言及しているこ
とだろう。確かに私大を主として日本は文科系の比率が高すぎ、これが問題を
増幅しているのは自明である。本書では文科系の大学教員のリストラを求めて
いるが、現実的に不可能であろう。総合的に見て中身のない軽薄な本と結論付
けざるをえない。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
脱フリーター社会: 大人たちにできること 単行本 – 2004/11/1
橘木 俊詔
(著)
フリーター417万人、その7割は正社員志望 若年失業率10%、全体の失業率5%
若者の5人に1人がフリーターのこの時代に、 経営者、先生、親、政府、そして若者自身は何をすべきか?
- ISBN-104492222561
- ISBN-13978-4492222560
- 出版社東洋経済新報社
- 発売日2004/11/1
- 言語日本語
- 本の長さ203ページ
登録情報
- 出版社 : 東洋経済新報社 (2004/11/1)
- 発売日 : 2004/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 203ページ
- ISBN-10 : 4492222561
- ISBN-13 : 978-4492222560
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,873,750位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 429位総務・人事・労務管理の労働問題
- - 2,543位労働問題社会学
- - 38,458位社会学概論
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中1つ
5つのうち1つ
1グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。