本書は2002年出版だが、”文芸評論家”斎藤美奈子が第一作である”妊娠小説”の後、実に8年後の歳月を経ている(つまり相当のエネルギーをかけて書かれたと想像する)。
結果として本書は第一回小林秀雄賞を受賞しているのだが、著者の並外れた力量を示す作品だと感じた。
具体的には
①対象(文章読本、文章指南書、日本の作文教育)もなかなかユニークだが目茶おもしろい。
②下調べ(関連文献の読み込み、歴史的背景の調査)も徹底的、網羅的。
③語り口はややシニカルだが、ユーモアにあふれる。
④視点はあくまで自由で曇っておらず、常識的で健全。対象には正面からオーソドックスに迫る正攻法。
結論としては、世の中にかくも”文章読本”の類がはびこっているのは”学校作文への不信感がある”とする。
そして、”文章とは、いってみれば服なのだ”、”文章は思想の包み紙で”、”近代の男性は「思想の包み紙」に血道をあげてきたのだ。彼らがどれほど「見てくれの良さ」にこだわってきたか、その証明が、並みいる文章読本の山ではなかっただろうか”とする。
そして今後の文章は”「話すように書け」の時代がまたやってきている”とし、基本となるのは対面型の文章であって、堅い文章(無意味に難解な文章や自己中心的な文章)は駆逐されるはず”とする。
そして”文は服だっていったじゃん。服だもん。必要ならば、TPOごとに着替えればいいのだ。で、服だもん。いつどこでどんなものを着るかは、本来、人に指図されるようなものではないのである”と結ぶのである。
おっしゃる通り!脱帽です!
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥1,870¥1,870 税込
発送元: Amazon 販売者: 【まごころこめてお届けします】ハートモーションストア
¥1,870¥1,870 税込
発送元: Amazon
販売者: 【まごころこめてお届けします】ハートモーションストア
¥36¥36 税込
配送料 ¥240 6月4日-6日にお届け
発送元: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】 販売者: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】
¥36¥36 税込
配送料 ¥240 6月4日-6日にお届け
発送元: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】
販売者: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
文章読本さん江 単行本 – 2002/2/1
斎藤 美奈子
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥1,870","priceAmount":1870.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"1,870","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"G18XIhwp9O%2BxFIZ2v517NVYQY%2F0OCJWmS487oygc2lgZWub4j5TknVBKOn25Z1WRZjkdeQLU9DNlzqdNqSu01ogoSYYA9Rzz3Lp0cRQ8Gh8CbPiF4l5tF3n%2FuchmDIfSHoskdiX4914XdBOOjVcdv%2FPbGhPb6iex3SoioeUG0X5uT8KdoIHPNA%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥36","priceAmount":36.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"36","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"G18XIhwp9O%2BxFIZ2v517NVYQY%2F0OCJWmymOBzA3NolhESYAn6HhEQDc04OzfCUbl63aQYBlk5mjjHMo6vks%2FAhzPOVaPObb4MIemIPmEWZ9JDs2sjrhkrpRIapWNIs9EfxK2%2FzEERMraiqVJ0hPszHSCHDUEYTymK98MOYWAkRJIq1vwqFhebw%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
第1回(2002年) 小林秀雄賞受賞
- 本の長さ261ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2002/2/1
- ISBN-10448081437X
- ISBN-13978-4480814371
よく一緒に購入されている商品
対象商品: 文章読本さん江
¥1,870¥1,870
最短で6月2日 日曜日のお届け予定です
残り1点 ご注文はお早めに
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
そうそうたる書き手たちがわれこそはと名告りをあげ手を染める…。「文章読本」はなぜこうも書かれ続けるのか? 圧倒的に男のディスクールでもあったこのジャンルの歴史にズバズバ踏み込み、容赦なくやさしい蹴りを入れる。
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2002/2/1)
- 発売日 : 2002/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 261ページ
- ISBN-10 : 448081437X
- ISBN-13 : 978-4480814371
- Amazon 売れ筋ランキング: - 609,683位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 791位文学理論
- - 799位論文作法・文章技術
- - 37,954位語学・辞事典・年鑑 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2020年7月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年8月31日に日本でレビュー済み
冒頭に,これまでの代表的な文章読本のまえがきを集め,分析の第一歩とする手法には感服しました.いずれのまえがきも,(私見ですが)決して名文とは思えないことも,本書の意図を理解させるに十分でした.著者は小文の名手と理解しています.しかし300ページに及ぶ一冊として見たときには,まさに著者が最後に指摘しているように,ワイワイガヤガヤと行儀の悪い教室に1時間押し込まれたような,居心地の悪い印象が残りました.新聞の浮草と流されぬコラムに期待しています.
2018年5月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
毒だらけの本ですが、文章作成に関して、色々教わる立場では、一度解毒剤として読むと面白いです。
2021年4月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ただただ素晴らしいの一言
2008年7月15日に日本でレビュー済み
まず、世の中にこんなにたくさん文章読本なるものが存在していたのか・・・と驚かされました。
私自身は「文章読本」というあからさまなタイトルのモノは買ったことがないけれど、それでも「日本語練習帳」とかは買った記憶があります。
そういうモノを読んだからといって、とくに文章が上達したわけではないのですが、これだけ出版されているということは、それなりに需要のある分野ではあるのでしょうね。
今作品でも、斎藤さんの批評を楽しく読ませていただきました。
また、明治以降の国語教育の歴史も垣間見られて、参考になりました。
私自身は「文章読本」というあからさまなタイトルのモノは買ったことがないけれど、それでも「日本語練習帳」とかは買った記憶があります。
そういうモノを読んだからといって、とくに文章が上達したわけではないのですが、これだけ出版されているということは、それなりに需要のある分野ではあるのでしょうね。
今作品でも、斎藤さんの批評を楽しく読ませていただきました。
また、明治以降の国語教育の歴史も垣間見られて、参考になりました。
2020年5月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
単に文章読本を大きく2つの体系にくくるのではなく、時代背景・時代考証を重ねて理論づけているところに感服。
もちろん美奈子節も健在。
もちろん美奈子節も健在。
2008年4月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「巧い文章とはなにか」に対する回答を求めて、何冊かの文章読本を買った。それらを読む前にこの本を読んで、他の本はあまり読む気がしなくなった。本書は、膨大な数の文章読本を網羅し、それらの内容を検証している。内容は包括的で濃いが、対象が「文章読本」という必ずしも娯楽性の強いものではないので、途中で飽きてしまうこともあった。いずれにしても、このような大著を書き上げた斎藤さんの探究心と忍耐強さに敬意を表したい。あちこちに散りばめられたちょっぴり辛らつだが、嫌味のない批判スタイルは好感が持てる。斎藤さんの他の著作を読んでみたいという気になった。
2019年11月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
井上ひさしの文章読本の更に上をいく全ての文章読本を総括し包括した本。これ以上、作家が「文章読本」で述べるスペースはあるのだろうか?文章読本という神秘性のベールを剥がす行為をしていて、この一冊で文章読本に関することはこと足ります。各本の位置が相対的に分かります。思わぬ真実を歴史を詳細に紐解くことで知れてあらゆる疑問が氷解します。この本のあとにはぺんぺん草も生えないであろう。それでも「文章読本」のジャンルは需要があり作家の登竜門みたいになっていて、ある意味裸にさせられるようなもので大変だと思います。
本を取ったら最後で自分の無力感に打ちひしがれています。
本を取ったら最後で自分の無力感に打ちひしがれています。