1994年に新日本出版社から刊行された単行本の文庫版です。著者の山田朗氏は故藤原彰の流れをくむ所謂左派の研究者ですが、最初から昭和天皇を一方的に糾弾しているわけではありません。大本営やその命令(大陸令・大海令)の基本的な仕組みを押さえたうえで、統帥部(量的には陸軍が多いですが)が戦時に行った上奏に対する天皇の反応を一つ一つ史料から拾い上げる、実に手堅い手法をとっています。特に太平洋戦争では、早期から戦後構想を練るように指示したり、戦況が不利に傾きつつあった1943年頃からはどこかで決戦を実行して戦果をおさめるように督促したりするほか、作戦のかなり細かいところまで言及していたことを明らかにしています。ですので事実関係においては、天皇制に対する立場如何にかかわらず、幅広く読者を納得させるものだと思います。
問題はやはり昭和天皇のこうした言動を「戦争指導」とみなすかどうかでしょう。もちろん筆者は前者の立場を採っています。評者個人も、天皇自身が主導的に戦争を始めたのではないにせよ、(本書のあとがきにある通り)立憲主義国家の君主無答責論をそのまま適用するのは無理があるかと感じます。なればこそ、東京裁判において開戦の責を東条英機一人に負わせるような対策が必要だったのではないでしょうか。
本書の単行本が刊行された頃は、まだまだ天皇の戦争責任論がかびすましい時代でした。現上皇の海外・戦地訪問などもあってだいぶ和らいだ感はありますが、戦後75年を経てもなお戦争責任や歴史認識をめぐる隣国との不幸な摩擦が生じています。この点で第2次大戦後のドイツと日本はよく比較されますが、一度ヒトラーを指導者として選んでしまったドイツと異なり、どうも日本では国民自身が戦争の道を選んだという意識が希薄なんではないでしょうか。そういう意味ではむしろヴェルサイユ体制下のドイツの方が状況は似ている気がします。昭和天皇個人というより、日本という国家の戦争責任を考えるべきだと改めて感じた次第です。
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大元帥 昭和天皇 (ちくま学芸文庫) 文庫 – 2020/7/10
山田 朗
(著)
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昭和天皇は、豊富な軍事知識と非凡な戦略・戦術眼の持ち主でもあった。軍事を総攬する大元帥としての積極的な戦争指導の実像を描く。解説 茶谷誠一
- 本の長さ448ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2020/7/10
- 寸法10.6 x 1.8 x 14.8 cm
- ISBN-104480099719
- ISBN-13978-4480099716
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商品の説明
出版社からのコメント
大元帥 昭和天皇
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2020/7/10)
- 発売日 : 2020/7/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 448ページ
- ISBN-10 : 4480099719
- ISBN-13 : 978-4480099716
- 寸法 : 10.6 x 1.8 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 419,927位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 194位日本史の人物
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- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年9月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
総体的にはすべてよし。
2020年8月3日に日本でレビュー済み
統帥権ということ自体がすっきりと理解できない私であったが、本書で良くわかりました。昭和天皇に興味ある方、先の戦争のことを知りたい方には必読の書であると思います。
2021年11月10日に日本でレビュー済み
買った後で、元々共産党系の出版社から出版された本と知りましたが、ちくま学芸文庫からの再刊だけあって、他書にはない面白さがありました。勝てば官軍世界にあって、戦争責任なんてどうでもいいことではないでしょうか。
2020年9月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は山田朗氏(1956-)による
『大元帥 昭和天皇』(筑摩書房 2020.7.10)です。
今回、ちくま学芸文庫から文庫化されましたが
先行する単行本である
『大元帥 昭和天皇』(新日本出版社 1994.10)の
第14刷を底本としています。
文庫化にあたり誤記・誤植を改めたほか
「ちくま学芸文庫版のあとがき」と
茶谷誠一氏(1971-)による「解説」が
新たに付け加えられています。
本書は一般向けの文庫本ですが
アカデミック・ヴァージョンとして
『昭和天皇の軍事思想と戦略』(校倉書房 2002)
という研究者向けの本も上梓されています。
みなさんよくご存知のように
旧憲法・第11条において
「天皇は陸海軍を統帥す」とあります
(旧憲法の引用に際し、旧漢字は新漢字に
カタカナはひらがなに変換するなど適宜読みやすくしました)。
同・第12条において
「天皇は陸海軍の兵制及び常備兵額を定む」
同・第13条において
「天皇は戦を宣し和を講し及び諸般の条約を締結す」
‥と定められています。
このうち第11条で規定されたのが、よく知られている
「統帥権」であり天皇大権のひとつです。
統帥権のうち軍事作戦面に関しては
旧陸軍では参謀総長、旧海軍では軍令部(総)長が
輔弼する仕組みになっていました
(なお旧軍に空軍はありません。太平洋戦争時には
米軍ですら空軍はありませんでした。
海軍、陸軍がそれぞれ航空兵力を持っていました)。
同様に、統帥権のうち軍政面については
旧陸軍では陸軍大臣、旧海軍では海軍大臣が
輔弼する仕組みになっていました。
「大元帥」という規定があるのは旧憲法ではなく
「軍人勅諭」(1882年1月4日下賜)です。
その前文に相当する部分の終わりに近い方で
「朕は汝ら軍人の大元帥なるぞ」という一文が現れます
(旧漢字は新漢字に、変体仮名は新かなに変換するなど
適宜読みやすくしました)。
これが書名にもなっている「大元帥」のルーツです。
ちなみに旧軍軍政上は「大元帥」という階級はありません。
実は「元帥」という階級もありませんでした。
旧軍における将官は少将、中将、大将の3つです。
大将のうち元帥府に列せられた人が
「元帥(たる)大将」と呼ばれますが階級としては大将です。
米陸軍が准将、少将、中将、大将、元帥と
「ワン・スター・ジェネラル」から
「ファイブ・スター・ジェネラル」まで
将官に5つあるのと比較すると旧軍は異なる制度です
(戦前のドイツには大将の他に上級大将や元帥があり
軍隊の階級制度は国や時代で結構異なります)。
従って「大元帥」も階級外なのですが
本書を拝読しますと
旧陸軍用/旧海軍用の大元帥の制服が存在しました。
階級章(肩章や襟章)においては
大将のそれに十六弁の菊花紋章が加えられていました。
「2・26事件」(1936年 昭和11年)が起こると
その知らせを聴いた
昭和天皇は即座に旧陸軍用の大元帥制服に着替え
「暴徒」を鎮圧するように命じたことが
本書に詳しく記載されています。
昭和天皇の「股肱の臣」であった複数の重鎮を殺傷した連中は
昭和天皇から見れば一貫して「暴徒」でした。
旧陸軍上層部の中にも「暴徒」に同情的な者もいたため
業を煮やした
昭和天皇が「朕自ら近衛師団を率いて鎮圧に当たらん」と
発言されたエピソードは有名です。
「2・26事件」の話が先行してしまいましたが
本書は「大元帥」として旧陸海軍を「統帥」していた
昭和天皇が
国策・戦略・作戦の決定に際して
具体的にどのような役割を果たしたのかを
その発言の表面的な理解だけではなく
一次資料からたんねんに読み解こうとした本です。
昭和天皇の生い立ちから始まり
「摂政宮」を経て親政となり
敗戦を迎えるまでの過程を本書は具体的に描きました。
歴史書、特に昭和史(最初の20年)の本として
読むことが可能であり、実際、私は歴史書が好きなので
そういう観点から本書を読み、有益であったと思います。
文庫版のカバー写真は
昭和天皇がおそらく旧陸軍の大元帥の制服を着て
白馬にまたがり答礼しているものです。
親戚の伯父叔父諸父に話を聴くと
昭和天皇の観閲を直接受けた記憶を持つ者はいませんでしたが
土肥原賢二(1883-1948)が白馬に乗って
独特の敬礼で観閲していたと記憶する者はいました。
おそらく教育総監だった頃のエピソードと思います。
本書にも記述がありますが
国策・戦略・作戦の決定以外に
「大元帥」として兵を観閲することは
昭和天皇にとって(また軍部にとっても)
重要な仕事でありました。
例えば風邪などを召されて体調不良であっても
兵の前に「大元帥」が姿を現さないと示しがつかないと
(例えば注射を打って無理やりに)白馬に乗せて
観閲を行ったことも多々あった由です
(側近が感動したと記されています)。
このエピソードを拝読して思い起こしたのは
昨今の行政府のトップの「病気辞任へ」の話です。
そもそも法的に開くべき国会を開かず
官邸に居るのも1日2時間程度であり
大学病院への出入りをメディアに撮影させ
2カ月間くらい正式な記者会見を開かずにいて
病気のために辞任する意向であると述べました。
最高度の公人に相当する人物の健康状態は
国民・市民にとっても重要な情報でありますが
診断書の提出もなく医師団の記者会見もなく
自己報告と周囲の方々の忖度とお見舞いに終始しました。
一般論としてご御病気にはお見舞い申し上げますが
おそらくは最高度のストレスがかかる事態を想定して
体調不良になったのではないかと拝察します。
例えば前法務大臣夫妻が逮捕され起訴された事件の
公判における陳述などです。
捜査段階における陳述については憶測や噂もあったようです。
そういう最悪の事態に備え
計算し尽くされた言動であったように国民の目には映ります。
本書を読むうちに
「思い」が時代を超え、憲法を超え、法規を超えてしまいましたが
昭和天皇は満11歳で軍人(武官)となり(法の規定による)
軍人としての将来の大元帥としての修行を開始されたことが
本書の冒頭部分で語られています。
昭和史を大元帥たる天皇という観点から分析し
昭和天皇の当時の実像を知ることができるという点で
本書は有益であると思います。
『大元帥 昭和天皇』(筑摩書房 2020.7.10)です。
今回、ちくま学芸文庫から文庫化されましたが
先行する単行本である
『大元帥 昭和天皇』(新日本出版社 1994.10)の
第14刷を底本としています。
文庫化にあたり誤記・誤植を改めたほか
「ちくま学芸文庫版のあとがき」と
茶谷誠一氏(1971-)による「解説」が
新たに付け加えられています。
本書は一般向けの文庫本ですが
アカデミック・ヴァージョンとして
『昭和天皇の軍事思想と戦略』(校倉書房 2002)
という研究者向けの本も上梓されています。
みなさんよくご存知のように
旧憲法・第11条において
「天皇は陸海軍を統帥す」とあります
(旧憲法の引用に際し、旧漢字は新漢字に
カタカナはひらがなに変換するなど適宜読みやすくしました)。
同・第12条において
「天皇は陸海軍の兵制及び常備兵額を定む」
同・第13条において
「天皇は戦を宣し和を講し及び諸般の条約を締結す」
‥と定められています。
このうち第11条で規定されたのが、よく知られている
「統帥権」であり天皇大権のひとつです。
統帥権のうち軍事作戦面に関しては
旧陸軍では参謀総長、旧海軍では軍令部(総)長が
輔弼する仕組みになっていました
(なお旧軍に空軍はありません。太平洋戦争時には
米軍ですら空軍はありませんでした。
海軍、陸軍がそれぞれ航空兵力を持っていました)。
同様に、統帥権のうち軍政面については
旧陸軍では陸軍大臣、旧海軍では海軍大臣が
輔弼する仕組みになっていました。
「大元帥」という規定があるのは旧憲法ではなく
「軍人勅諭」(1882年1月4日下賜)です。
その前文に相当する部分の終わりに近い方で
「朕は汝ら軍人の大元帥なるぞ」という一文が現れます
(旧漢字は新漢字に、変体仮名は新かなに変換するなど
適宜読みやすくしました)。
これが書名にもなっている「大元帥」のルーツです。
ちなみに旧軍軍政上は「大元帥」という階級はありません。
実は「元帥」という階級もありませんでした。
旧軍における将官は少将、中将、大将の3つです。
大将のうち元帥府に列せられた人が
「元帥(たる)大将」と呼ばれますが階級としては大将です。
米陸軍が准将、少将、中将、大将、元帥と
「ワン・スター・ジェネラル」から
「ファイブ・スター・ジェネラル」まで
将官に5つあるのと比較すると旧軍は異なる制度です
(戦前のドイツには大将の他に上級大将や元帥があり
軍隊の階級制度は国や時代で結構異なります)。
従って「大元帥」も階級外なのですが
本書を拝読しますと
旧陸軍用/旧海軍用の大元帥の制服が存在しました。
階級章(肩章や襟章)においては
大将のそれに十六弁の菊花紋章が加えられていました。
「2・26事件」(1936年 昭和11年)が起こると
その知らせを聴いた
昭和天皇は即座に旧陸軍用の大元帥制服に着替え
「暴徒」を鎮圧するように命じたことが
本書に詳しく記載されています。
昭和天皇の「股肱の臣」であった複数の重鎮を殺傷した連中は
昭和天皇から見れば一貫して「暴徒」でした。
旧陸軍上層部の中にも「暴徒」に同情的な者もいたため
業を煮やした
昭和天皇が「朕自ら近衛師団を率いて鎮圧に当たらん」と
発言されたエピソードは有名です。
「2・26事件」の話が先行してしまいましたが
本書は「大元帥」として旧陸海軍を「統帥」していた
昭和天皇が
国策・戦略・作戦の決定に際して
具体的にどのような役割を果たしたのかを
その発言の表面的な理解だけではなく
一次資料からたんねんに読み解こうとした本です。
昭和天皇の生い立ちから始まり
「摂政宮」を経て親政となり
敗戦を迎えるまでの過程を本書は具体的に描きました。
歴史書、特に昭和史(最初の20年)の本として
読むことが可能であり、実際、私は歴史書が好きなので
そういう観点から本書を読み、有益であったと思います。
文庫版のカバー写真は
昭和天皇がおそらく旧陸軍の大元帥の制服を着て
白馬にまたがり答礼しているものです。
親戚の伯父叔父諸父に話を聴くと
昭和天皇の観閲を直接受けた記憶を持つ者はいませんでしたが
土肥原賢二(1883-1948)が白馬に乗って
独特の敬礼で観閲していたと記憶する者はいました。
おそらく教育総監だった頃のエピソードと思います。
本書にも記述がありますが
国策・戦略・作戦の決定以外に
「大元帥」として兵を観閲することは
昭和天皇にとって(また軍部にとっても)
重要な仕事でありました。
例えば風邪などを召されて体調不良であっても
兵の前に「大元帥」が姿を現さないと示しがつかないと
(例えば注射を打って無理やりに)白馬に乗せて
観閲を行ったことも多々あった由です
(側近が感動したと記されています)。
このエピソードを拝読して思い起こしたのは
昨今の行政府のトップの「病気辞任へ」の話です。
そもそも法的に開くべき国会を開かず
官邸に居るのも1日2時間程度であり
大学病院への出入りをメディアに撮影させ
2カ月間くらい正式な記者会見を開かずにいて
病気のために辞任する意向であると述べました。
最高度の公人に相当する人物の健康状態は
国民・市民にとっても重要な情報でありますが
診断書の提出もなく医師団の記者会見もなく
自己報告と周囲の方々の忖度とお見舞いに終始しました。
一般論としてご御病気にはお見舞い申し上げますが
おそらくは最高度のストレスがかかる事態を想定して
体調不良になったのではないかと拝察します。
例えば前法務大臣夫妻が逮捕され起訴された事件の
公判における陳述などです。
捜査段階における陳述については憶測や噂もあったようです。
そういう最悪の事態に備え
計算し尽くされた言動であったように国民の目には映ります。
本書を読むうちに
「思い」が時代を超え、憲法を超え、法規を超えてしまいましたが
昭和天皇は満11歳で軍人(武官)となり(法の規定による)
軍人としての将来の大元帥としての修行を開始されたことが
本書の冒頭部分で語られています。
昭和史を大元帥たる天皇という観点から分析し
昭和天皇の当時の実像を知ることができるという点で
本書は有益であると思います。