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満州国の首都計画 (ちくま学芸文庫 コ 17-2) 文庫 – 2002/7/1
- 本の長さ394ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2002/7/1
- ISBN-104480087079
- ISBN-13978-4480087072
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2002/7/1)
- 発売日 : 2002/7/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 394ページ
- ISBN-10 : 4480087079
- ISBN-13 : 978-4480087072
- Amazon 売れ筋ランキング: - 232,448位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 315位都市開発・都市問題 (本)
- - 341位日中・太平洋戦争
- - 898位ちくま学芸文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
越澤明(KOSHIZAWA AKIRA、こしざわあきら)。北海道大学名誉教授、一般財団法人住宅生産振興財団顧問。1952年生まれ。東京大学工学部都市工学科卒業、東京大学大学院博士課程修了、東京大学工学博士。専門は都市政策、都市計画、公共政策。
1989年に後藤新平の帝都復興計画原図を66年ぶりに発見した。東京の都市形成・都市計画史、東京オリンピック、災害復興計画、歴史・景観まちづくりに関する研究の第一人者である。
主な著書は、『東京の都市計画』(岩波新書1991年)、『東京都市計画物語』(日本経済評論社1991年、ちくま学芸文庫2001年)は、東京の都市形成・都市計画の歴史、関東大震災の帝都復興に関する基本図書として、今なお読み続けられている。両書は日本都市計画学会石川賞(大賞に相当)を39歳の最年少で受賞。『満州国の首都計画』(日本経済評論社1988年、ちくま学芸文庫2002年、土木学会著作賞)、『哈爾浜の都市計画』(総和社1989年、ちくま学芸文庫2002年)、『復興計画』(中公新書1995年、日本都市学会奥井賞)、『後藤新平:大震災と帝都復興』(ちくま新書2011年、都市住宅学会著作賞)、『大災害と復旧・復興計画』(叢書震災と社会、岩波書店2012年)、『東京都市計画の遺産:防災・復興・オリンピック』(ちくま新書2014年)など。
都市政策の行政実務に明るい。国の公職歴は、中央防災会議首都直下地震対策専門調査会委員。2001年~2011年、国土交通省の社会資本整備審議会委員に就任、社会資本整備審議会住宅宅地分科会長、社会資本整備審議会都市計画・歴史的風土分科会長(国の住宅政策、都市計画、古都保存行政の審議会長)を務めた。都市再生特別措置法、都市緑地法、景観法、歴史まちづくり法、長期優良住宅法、高齢者住まい法の制定に学識経験者として関わった。
地方自治体の公職歴は、鎌倉市市政功労者、江戸東京博物館運営委員会委員、東京都品川区まちづくりマスタープラン策定委員長、犬山市歴史まちづくり協議会長、美濃市歴史まちづくり協議会長、長浜市歴史まちづくり協議会アドバイザー、守山市大庄屋諏訪屋敷保存委員長、大津市都市計画審議会景観形成専門委員長、富田林市駅南まちづくり協議会アドバイザーなど。松竹株式会社が設置した歌舞伎座再生検討委員会委員など。
主な著書は中国、台湾、韓国で翻訳出版されている。『偽満洲国首都規劃』(欧碩訳、北京、社会科学文献出版社2011年)、『哈爾浜的城市規劃 1898-1945』(王希亮訳、哈爾浜、哈爾浜出版社2014年)、『中国東北都市計画史』(黄世孟訳、台北、大佳出版社1986年)、『東京の都市計画(書名はハングル表記)』(尹伯栄訳、ソウル、韓国経済新聞社1998年)など。中国長春市政府から都市計画顧問の称号、清華大学公共管理学院産業発展與環境治理研究中心(CIDEG)栄誉専家、大連理工大学建築與芸術学院客座教授。中国の都市化(城鎮化)に関する研究は中国で参照・引用されている。
カスタマーレビュー
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上位レビュー、対象国: 日本
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満州国の国都建設局は、地主・デベロッパー・行政を兼ねた三位一体であるため、日本に先駆けて、あるいは今なお実現できない、用途地域制・土地経営・緑地区の設定・低湿地の親水公園化・直角交叉の道路網・架空線の禁止・水洗便所の強制・中心地区を一定の建築様式で構成するといった高水準な都市計画を実現できた。植民地経営という条件を差し引いても、捨て去るには惜しまれる成功体験である。「日本では今日、都市計画関連の法規はきわめて精緻かつ膨大になっている。しかし、地帯収用、特別税、建築線、包括的国庫補助など肝心かなめの条項はいずれも骨抜きとなり、制度化されていない」。土地に関する行政がいかに難しいものか、その一端を知ることができる。
敗戦後、満州に進駐した米国のウェデマイヤー将軍は新京の都市計画を高く評価した。一方で、戦後出版された代表的な建築史書は、新京の「日本趣味を基調とする東洋式」は軍国主義の産物でファシズム建築であると見なし、戦前昭和期の建築史を“帝冠様式に対する国際様式の敢然たる闘争と敗北の歴史”として描くのを通説しているそうである。いやはや、技術者にも生きづらい時代である。
それは例えば、日本における都市計画の父である後藤新平とその継承者たちの多くが、東北地方を中心とする北の地方出身であること、さらに技官であり当時の法科万能の風潮からは浮いていた気味があること、そんな外れものの境涯は満映の甘粕正彦、関東軍の石原莞爾についても見受けられて、だからこそ満洲で彼らは業績を残しえたのだろうということ、彼らにとって最大の障害になっていたのは同胞であるはずの日本人であったこと、などだ。本書の主題に即していえば、満鉄・満洲国が行った都市計画は日本人が行ったものとしては空前絶後の出来映えであったことは、著者によって手を変え品を変え証し立てられる。そこには、空前の出来映えであることへの誇らしさと、絶後になってしまっていることへの怒りが共にこめられている。
ここで詳述されている都市計画と都市形成は、日本人が満洲で何をやったのか、という問いへの唯一の答えではもちろんないのだろうが、胸を張っていえる一つの成果ではあると思う。
そういう発想って面白いよな
そのほかにも包囲されたときのための水源の整備とか、日本ではありえないものも多い
また都市計画税のルーツになるものも語られている
コレを読んで今の東京を眺めてみるとがっかりすること請け合いである
このがっかり感だけでも値段はほぼ回収できたようなものである