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ドキュメント 感染症利権 ――医療を蝕む闇の構造 (ちくま新書) 新書 – 2020/8/7
山岡 淳一郎
(著)
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購入オプションとあわせ買い
医療に巣喰う利権の闇。情報統制、医学界の学閥、縦割り行政、731部隊人脈、……新型コロナ感染爆発はじめ感染症のウラで蠢く邪悪な構造を白日の下に暴く。
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2020/8/7
- 寸法10.7 x 1.3 x 17.3 cm
- ISBN-104480073345
- ISBN-13978-4480073341
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2020/8/7)
- 発売日 : 2020/8/7
- 言語 : 日本語
- 新書 : 256ページ
- ISBN-10 : 4480073345
- ISBN-13 : 978-4480073341
- 寸法 : 10.7 x 1.3 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 435,802位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 71位感染症
- - 1,446位ちくま新書
- - 8,138位その他のビジネス・経済関連書籍
- カスタマーレビュー:
著者について
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1959年愛媛県松山市生まれ。出版関連会社、ライター集団を経てノンフィクション作家となる。
「人と時代」を共通テーマとして、建築、医療、近現代史、経済、スポーツなど分野を超えて旺盛に執筆。
ドキュメンタリー番組のコメンテーター、様々な団体やNPOなどに招かれての講演活動も展開中。
公式ブログ=>http://blog.livedoor.jp/junyamaoka/
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2020年9月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いかにも告発本や陰謀論の類を思わせる様な書名だが、中味は至って真面目な読み物になっていて、テンポの良い文章で良くまとめられている。百年以上前から公衆衛生や防疫に関った人々の努力と苦労が、現在にどのように活かされたか。また、全く活かされずに同じ過ちを繰り返そうとしているのかを考えさせられる。
2020年8月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
思ってたのと違う内容でした。いまの時勢だと新型コロナウィルス関連の利権の本かと思って買いました。
しかし内容はほぼ歴史物。
幕末の医学界の学閥の話から、戦時中の731部隊、結核、ハンセン病の強制隔離政策、バイオ系特許の話が中心で新型コロナウィルスは導入部と終章サラリと終わり…
個人的には731部隊、ハンセン病患者への強制隔離に関心があったのでそれなりに為になりましたが、話がビュンビュン飛ぶのでどっちつかずの内容。
新型コロナウィルスの本を探している人はこの本は内容が異なりますのでそこは注意です。
しかし内容はほぼ歴史物。
幕末の医学界の学閥の話から、戦時中の731部隊、結核、ハンセン病の強制隔離政策、バイオ系特許の話が中心で新型コロナウィルスは導入部と終章サラリと終わり…
個人的には731部隊、ハンセン病患者への強制隔離に関心があったのでそれなりに為になりましたが、話がビュンビュン飛ぶのでどっちつかずの内容。
新型コロナウィルスの本を探している人はこの本は内容が異なりますのでそこは注意です。
2020年9月10日に日本でレビュー済み
ほとんどの疾病は個人的な出来事だが感染症だけは社会的な事件であることを新型コロナウイルスは再認識させてくれた。そこには政治や経済も大きく関わってくる。また、グローバリズムの中で外国から持ち込まれる感染症への対応の難しさもクローズアップされた。
日本における最初のグローバリズムといえば幕末の開国と明治維新だ。幕末の開国は感染症に対する開国でもあった。コレラが長崎から上陸し幕末明治に大流行、西南戦争では戦死者よりも病死者が多いほどだった。そこから公衆衛生という思想が生まれる。ここで活躍するのが日本の衛生行政を確立した後藤新平、そして世界的細菌学者となった北里柴三郎というヒーローが生まれる。この頃の細菌発見の先陣争いにも、北里VS東大閥、内務省VS文部省、コッホVSパスツールなどの複雑な競合関係が。
そして明治の官僚や軍隊が制度的に安定してくると、文部省ー東大閥ー陸軍体制という国家権威はそうしたヒーローを排除し、官僚と学閥と軍が衛生行政も医学も支配していく。鴎外森林太郎も権威の側にあった。日本の医学部に特徴的な権威主義的医局制度の源泉でもある。「医局講座制は効率よく医学を浸透させるメリットを持つが、結果的に閉鎖的で家父長主義に染まった医師集団を生んだ」(P104)、その通り。
20世紀になるとスペイン風邪がコロナと同じ光景を産み出す。この時もマスク配布が実施されたことに驚く。軍制に取り込まれた医学が生み出したのが軍医石井史郎にが率いる「悪魔の飽食」細菌戦の731部隊。この部隊が主導して陸軍軍医学校防疫研究室や戦地の防疫給水部が一体となった「石井機関」が細菌戦のための人体実験を実行。
細菌戦は大した実効性もなく敗戦を迎えたが、恐ろしいことに米軍との関係で免罪を得た石井機関幹部は一転して戦後の公衆衛生の担い手になる。今の国立感染症研究所は元予防衛生研究所であり石井機関出身者が要職を占めた。国立国際医療研究センター(新宿)も国立がん研究センターも元をたどれば軍関連の施設なのだ。病院関係だけでなく医療ビジネス界にも元731部隊関係者が多数流れ込んだ。製薬会社や民間の研究所など、いかに石井機関が石井機関が医学・公衆衛生分野のエリートを集めていたかがわかる。
この戦後の復権で重要な役割を果たしたのが石井の片腕、内藤良一。内藤は血液産業に目を付け日本ブラッドバンクを設立し戦後の売血大国日本を作り出す。それが肝炎ウイルスの蔓延を引き起こす。さらに売血の中止と引き換えに血液製剤の販売権をえたことが後の血液製剤によるエイズ禍へと負の連鎖は続く。
海の向こうでは中国発症のウイルス感染症、SARSに新型インフルエンザ、WHOもからんで政治的にもゆれる。極めつけはアメリカのバイ・ドール法(1980年)、教育・研究機関の科学的成果の特許権(=占有権)を認めたこの法律のために、研究機関は薬剤利権の下請け状態に。そういえば、本庶先生もオプジーボで小野薬品ともめてましたね。そしてコロナ禍の今、ワクチン開発ももちろん利権が深く深く関わっています。
一連の流れを見ると、パンデミックはお金になるという側面がたしかにある。湯水のごとく税金を投入しても文句を言えない。感染症にからむ政治・利権・金の動きをコンパクトにまとめて読ませる一冊。「ゴッド・ドクター 徳田虎雄」を書いた山岡淳一郎氏の筆力に再び唸らされた。
日本における最初のグローバリズムといえば幕末の開国と明治維新だ。幕末の開国は感染症に対する開国でもあった。コレラが長崎から上陸し幕末明治に大流行、西南戦争では戦死者よりも病死者が多いほどだった。そこから公衆衛生という思想が生まれる。ここで活躍するのが日本の衛生行政を確立した後藤新平、そして世界的細菌学者となった北里柴三郎というヒーローが生まれる。この頃の細菌発見の先陣争いにも、北里VS東大閥、内務省VS文部省、コッホVSパスツールなどの複雑な競合関係が。
そして明治の官僚や軍隊が制度的に安定してくると、文部省ー東大閥ー陸軍体制という国家権威はそうしたヒーローを排除し、官僚と学閥と軍が衛生行政も医学も支配していく。鴎外森林太郎も権威の側にあった。日本の医学部に特徴的な権威主義的医局制度の源泉でもある。「医局講座制は効率よく医学を浸透させるメリットを持つが、結果的に閉鎖的で家父長主義に染まった医師集団を生んだ」(P104)、その通り。
20世紀になるとスペイン風邪がコロナと同じ光景を産み出す。この時もマスク配布が実施されたことに驚く。軍制に取り込まれた医学が生み出したのが軍医石井史郎にが率いる「悪魔の飽食」細菌戦の731部隊。この部隊が主導して陸軍軍医学校防疫研究室や戦地の防疫給水部が一体となった「石井機関」が細菌戦のための人体実験を実行。
細菌戦は大した実効性もなく敗戦を迎えたが、恐ろしいことに米軍との関係で免罪を得た石井機関幹部は一転して戦後の公衆衛生の担い手になる。今の国立感染症研究所は元予防衛生研究所であり石井機関出身者が要職を占めた。国立国際医療研究センター(新宿)も国立がん研究センターも元をたどれば軍関連の施設なのだ。病院関係だけでなく医療ビジネス界にも元731部隊関係者が多数流れ込んだ。製薬会社や民間の研究所など、いかに石井機関が石井機関が医学・公衆衛生分野のエリートを集めていたかがわかる。
この戦後の復権で重要な役割を果たしたのが石井の片腕、内藤良一。内藤は血液産業に目を付け日本ブラッドバンクを設立し戦後の売血大国日本を作り出す。それが肝炎ウイルスの蔓延を引き起こす。さらに売血の中止と引き換えに血液製剤の販売権をえたことが後の血液製剤によるエイズ禍へと負の連鎖は続く。
海の向こうでは中国発症のウイルス感染症、SARSに新型インフルエンザ、WHOもからんで政治的にもゆれる。極めつけはアメリカのバイ・ドール法(1980年)、教育・研究機関の科学的成果の特許権(=占有権)を認めたこの法律のために、研究機関は薬剤利権の下請け状態に。そういえば、本庶先生もオプジーボで小野薬品ともめてましたね。そしてコロナ禍の今、ワクチン開発ももちろん利権が深く深く関わっています。
一連の流れを見ると、パンデミックはお金になるという側面がたしかにある。湯水のごとく税金を投入しても文句を言えない。感染症にからむ政治・利権・金の動きをコンパクトにまとめて読ませる一冊。「ゴッド・ドクター 徳田虎雄」を書いた山岡淳一郎氏の筆力に再び唸らされた。
2020年8月7日に日本でレビュー済み
新書ですがとても読みごたえがありました。まさに、今のコロナ禍で疑問になっている事を精緻な歴史的経緯を踏まえ分かりやすく伝えてくれます。人類と感染症の戦いは何も変わっていない。筆者の寄って立つ「公」というスタンスで今の政府や関係者がコロナに立ち向かってもらいたいと切に望みます。