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健康格差と正義―公衆衛生に挑むロールズ哲学 単行本 – 2008/7/10
格差社会は健康に悪い──社会疫学で検証が進むこの仮説に、ロールズ流の正義論はどう向き合うのか。沸騰する議論と提言を示す。
私たちの健康を左右する要因のうち、社会経済的な要因を問題にする社会疫学。本書は米国の社会疫学研究をリードするカワチとケネディが、ロールズの正義論を専門とするダニエルズと組んで政治哲学的な観点から健康を論じた論文を中心に、多様な反論と応答を収録。センによる序文も必見。懇切な訳者解説を付して、分野の活況を見渡す。
[関連書]カワチ、ケネディ 『不平等が健康を損なう』(日本評論社)
私たちの健康を左右する要因のうち、社会経済的な要因を問題にする社会疫学。本書は米国の社会疫学研究をリードするカワチとケネディが、ロールズの正義論を専門とするダニエルズと組んで政治哲学的な観点から健康を論じた論文を中心に、多様な反論と応答を収録。センによる序文も必見。懇切な訳者解説を付して、分野の活況を見渡す。
[関連書]カワチ、ケネディ 『不平等が健康を損なう』(日本評論社)
- 本の長さ158ページ
- 言語日本語
- 出版社勁草書房
- 発売日2008/7/10
- ISBN-104326153962
- ISBN-13978-4326153961
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登録情報
- 出版社 : 勁草書房 (2008/7/10)
- 発売日 : 2008/7/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 158ページ
- ISBN-10 : 4326153962
- ISBN-13 : 978-4326153961
- Amazon 売れ筋ランキング: - 921,567位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 5,892位政治入門
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年9月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は健康格差の問題に社会の「正義」の観点から議論しようとするものである。筆者はこのような立場が米国に存在するということを本書を読むまで知らなかった。米国といえばハイリスク・ハイリターンの自由競争社会というイメージしか無かったのである。しかし実際は「米国」というシステムをどのようにして今後存続させていくべきか,格差問題を通じてノーベル賞受賞者を筆頭に侃々諤々の議論が展開されていることが分かる。しかも本訳の原典はすでに2000年に出版されている。この点だけをとっても,日本の健康格差を巡る議論が,10年は立ち遅れていると思われる。
2012年11月9日に日本でレビュー済み
この書物は、みなさん御存知のマイケル・サンデルさんの議論を思い出しながら読まねばなりません。サンデルはロールズの正義論で理解されている人間観の前提に「負荷なき自己(unencumered self)」というものを用意しているのだという批判をおこない、コミュニタリアンとしての名声を博しました。ロールズの人間観に、既存のあらゆる社会的紐帯から自由になり、自律的に態度を決定できる人間というのがデフォルトだと言うのです。伝統的な公衆衛生学には、このような人間観はありませんし、また公衆衛生政策も、個人の健康への配慮が、このような自律的な人間に呼びかけるというものもありません。もちろん社会防衛論――集団の健康のために個々の病人をスクリーニングする――という歴史的瑕疵も乗り越えてきて今日のような学問と政策のスタイルをとるようになりました。
したがって、ロールズ流の正義を単純に公衆衛生学に外挿する必要はありません。彼らが問題にしたのは、より焦点化されており、健康格差の「理由」とその解消のために、ロールズの正義論が使えるのかという点にあります。したがって、この著者たちの立論を批判的に読解するには、サンデル流の考え方をぶつけてみて、彼らの主張がきちんと通るかどうかを議論しなければなりません。
この書の別の寸評者は原著と翻訳の間の10年のギャップを「日本が遅れている」と評していますが、完全なミスリードだし、間違った苦情です。こういう浅薄な進歩主義者って理系教員に多い手合いなんですが、健康格差(HD)論が、どのような歴史的背景と公衆衛生理論から生まれたことがわかっていないから、社会における経済現象が絡まった健康の進化を単線的にしか捉えることができないのです。医療人類学や医学史(特に公衆衛生史)を学ばないとこんなレベルの低い書評が今後も量産されるだろうと思います。そのためにもサンデル先生の議論に親しんでいる日本の若い読者は、彼だったらこの本にどんな風に反論するだろうかという観点から、読み進めればよいのです。その意味では、不思議なことに、原著をめぐる真の議論は始まったばかりですし、現地からみると10年遅れている類いのものではなく、常にリアルタイムなものだということがわかるはずです。
したがって、ロールズ流の正義を単純に公衆衛生学に外挿する必要はありません。彼らが問題にしたのは、より焦点化されており、健康格差の「理由」とその解消のために、ロールズの正義論が使えるのかという点にあります。したがって、この著者たちの立論を批判的に読解するには、サンデル流の考え方をぶつけてみて、彼らの主張がきちんと通るかどうかを議論しなければなりません。
この書の別の寸評者は原著と翻訳の間の10年のギャップを「日本が遅れている」と評していますが、完全なミスリードだし、間違った苦情です。こういう浅薄な進歩主義者って理系教員に多い手合いなんですが、健康格差(HD)論が、どのような歴史的背景と公衆衛生理論から生まれたことがわかっていないから、社会における経済現象が絡まった健康の進化を単線的にしか捉えることができないのです。医療人類学や医学史(特に公衆衛生史)を学ばないとこんなレベルの低い書評が今後も量産されるだろうと思います。そのためにもサンデル先生の議論に親しんでいる日本の若い読者は、彼だったらこの本にどんな風に反論するだろうかという観点から、読み進めればよいのです。その意味では、不思議なことに、原著をめぐる真の議論は始まったばかりですし、現地からみると10年遅れている類いのものではなく、常にリアルタイムなものだということがわかるはずです。