フィールドという領野の秘めている多元性、重層性に注目し、そうしたフィールドにかかわろうとする際に、
どんなことに留意すればよいかを雄弁に語っている書物です。
京都大学の研究チームが、従来の大学教育を見直す形で、今後のフィールド学を模索した初の入門書であり、
自然観察、社会参加、イノベーション（技術革新）のための情報学、となっています。
例えば、文化人類学のように、フィールドに連続する学問分野の場合、
フィールドワーカーは常にフィールドとの有機的なつながりを考えていなければならないでしょう。
現地に行けば、諸々の自然情報が得られるばかりか、そこには社会構造もあり、
「鉄の歴史村」（島根県旧吉田村のケース）といった地域おこしビジョンも健在です。
また、工場などの施設がいわば二次的なフィールドであれば、今後人類にとって有為な生産活動のために、
一次的なフィールドに照らして、不断に技術革新を追究してゆく必要もあるでしょう。
本学はいわば、自然-社会-人間というトリアーデをまたぐ横断的で実用的な学問知の体系なのであり、
本書は順を追ってその分かりやすい解説を試みています。比較的新しい学問なので、随所に戸惑いもみられますが、
その有効な解決もまた、本学の射程に含まれています。今後フィールドワーカーは課題解決的にフィールドと向き合い、
所定の成果をあげてゆかなければならず、その点本書なども参照され、力強い総合知の構築を目指してほしい、
と思います。そんな向きに、とりあえず本書をおすすめしておきます。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
