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枕草子/方丈記/徒然草 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集07) 単行本 – 2016/11/22

4.4 5つ星のうち4.4 30個の評価

自然や人間の本然を鋭い感性で綴った、現代に通じる三大随筆。斬新な新訳で全訳収録


随筆とは筆に随うの意である。それで筆がどれほど自在に遠くまで人を連れ出すことか。
現代の日本人の感受性はこれらの随筆に由来すると言ってもいい。――池澤夏樹

<新訳にあたって>
酒井順子(枕草子)
枕草子と向き合う時間は、親しい友と語り合うかのように流れてゆきました。千年前にも「気が合う人」はいるという喜びを、読者の皆様にお届けできればと思います。

高橋源一郎(方丈記)
「方丈記」は、この国の歴史上、もっとも短くてなおかつ有名な散文だ。乱世と天変地異が続いた動乱の時代に生きて、作者は極限まで「書かない」ことを選んだ。その謎に迫りたい。

内田樹(徒然草)
「現代語への翻訳」というときの「現代語」とはどういう言葉を指すのか、考えるとよくわかりません。とりあえず、「自分がふだん使っている言葉」なら現代語だろうと思って訳しています。

「春はあけぼの……」一条天皇の中宮定子に仕えた宮中での生
活を英知とユーモアの筆致で綴った平安の清少納言「枕草子」。
「ゆく河の流れは絶えずして……」波瀾に満ちた人生を送り、
鎌倉前期の大火や地震などの自然災害や人災に見舞われた体
験を綴った最初の災害文学・鴨長明「方丈記」。「つれづれなる
ままに、日くらし硯にむかひて……」鎌倉末期の無常観に基づいた随想や
人生訓を鋭い洞察で記した兼好「徒然草」。現代の名手による
新訳・全訳で収録。

解説=池澤夏樹
解題=枕草子 藤本宗利
方丈記・徒然草 浅見和彦
◎月報=上野千鶴子・武田砂鉄
◎帯写真=花代
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商品の説明

著者について

酒井 順子 (サカイ ジュンコ)
1966年東京生まれ。エッセイスト。高校在学中にコラムを執筆。立教大学卒業後、広告代理店勤務を経て執筆業に専念。『負け犬の遠吠え』で婦人公論文芸賞、講談社エッセイ賞を受賞。著書に『子の無い人生』など。

高橋 源一郎 (タカハシ ゲンイチロウ)
1951年、広島県生まれ。81年『さようなら、ギャングたち』で群像新人賞優秀作を受賞しデビュー。『優雅で感傷的な日本野球』で三島賞、『日本文学盛衰史』で伊藤整文学賞、『さよならクリストファー・ロビン』で谷崎賞を受賞。

内田 樹 (ウチダ タツル)
1950年東京生まれ。思想家、エッセイスト2007年『私家版・ユダヤ文化論』で小林秀雄賞、10年『日本辺境論』で新書大賞2010を受賞。11年伊丹十三賞受賞。著書に『寝ながら学べる構造主義』など。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 河出書房新社 (2016/11/22)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2016/11/22
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 512ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4309728774
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4309728773
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.5 x 3.7 x 19.7 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.4 5つ星のうち4.4 30個の評価

著者について

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酒井 順子
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カスタマーレビュー

星5つ中4.4つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2022年5月25日に日本でレビュー済み
内田樹の徒然草読みたさに購入したが、酒井順子の枕草子に漂う麗しさ、高橋源一郎の方丈記から突きつけられる現代との類似性に、大変ワクワクしながら読んだ。もともと古文が大の苦手だったので、このような「注釈なしで読める現代語訳」は、まさに待望のシリーズだ。方丈記での高橋源一郎の解釈に批判はあるだろうが、むしろここまで「古文に抵抗がある人でも楽しめるように」と振り切ってくれたことに、今を生きる世代への深いまなざしを感じる。「後世に残る全集」を編纂するのが本シリーズの目的ではないように思えるし、むしろ全集にも、このような遊び心と同時代性があっても良いと思う。私としてはこの訳は、さすが高橋源一郎だ、と謙虚に受け止めた。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内田樹氏の『徒然草』現代語訳に興味を引かれて買いました。ほぼタイトルしか知らなかった古典の内容を分かりやすく翻訳して頂き、お買い得だと思います。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年6月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前から読みたかったもので、コロナ自粛に合わせて読ませてもらいました。最適でした。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年10月13日に日本でレビュー済み
この全集は、今までに、「源氏物語」(今のところ上巻のみ)、「平家物語」「今昔物語・宇治拾遺物語他」と読み進めてきました。そして、この「枕草子・方丈記・徒然草」へ。枕草子と徒然草は素晴らしかったです。それが「方丈記」を読んでがっかり。まったく面白くありません。高橋源一郎さんという方をよく知らないのですが、どうしちゃったのでしょうか。笑わせようとしているのか知識をひけらかそうとしているのかまったくわかりません。映画の題名みたいなのもその映画をよく知らないし〔題名は聞いたことがあるものの見たことはないので)、何の意味があって何がしたいのかがまったく分かりません。学生にでも書かせたのではないかと疑ってしまいました。私は何も古典は上品で知的であれといっているわけではありません。町田康さんの「宇治拾遺物語」は面白かったし、むしろ、当時の世相のようなものを現代と重ね合わせてうまく表現していると思います。くだらなすぎて笑えました〔褒め言葉です)。たぶん元々凄くくだらなくて尚且つ面白い話なんでしょうね。それはそれで古典をうまく表現していると思えました。だけど、高橋源一郎先生、「方丈記」は違うのではないですか。なんて書いているうちに、ちょっと待てよ、もしかしたらもともと原作がたいした話ではない可能性もあるな、と思いはじめました。方丈記は高校の教科書で(それも一部抜粋)を読んだぐらいでよく知らないんですね。だとしたら、高橋方丈記が正解なのかもしれないなぁ。というわけで、他の方丈記を読んでみてからまたレビューしたいと思います(支離滅裂ですみません)。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年12月24日に日本でレビュー済み
◇『枕草子』清少納言 原文
春はあけぼの。やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。
夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍のおほく飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。

酒井順子 訳
春は、夜明けが好き。次第に白んでくる山際の空が少し明るくなって、紫がかった雲が細くたなびいているのが。
夏ならば、夜。月が出る頃であれば、もちろんのこと。闇夜でも蛍がたくさん飛びかっているのがよいし、また、わずか一匹二匹ほど、ほのかに光って飛んでゆくのも素敵。雨など降るのも素敵。

この本の半分以上を占める酒井順子さんの枕草子はとてもいい。歌うようなリズムがあって、はつらつとした女性の"声"が聞こえてくる。一つ一つの文章に残響や余韻まで聞こえてくる。
本のカバーがピンク色だからなのか花の香りまで漂ってくる気がした。この枕草子だけなら★5である。枕草子現代語訳の決定版と言ってもいいのではないか。

◇『方丈記 』鴨長明 原文
行く川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例なし。世の中にある、人とすみかと、またかくのごとし。

高橋源一郎訳
『モバイル・ハウス・ダイアリーズ』
カモノ・ナガアキラ
1 リヴァー・ランズ・スルー・イット
あっ。
歩いていたのに、なんだか急に立ち止まって、川を見たくなった。
川が流れている。
そこでは、いつもと変らず、水が流れているように見える。けれども、同じ水が流れているわけではないのだ。あたりまえだけど。
よく見ると、川にはいろんなところがある。ぐんぐん流れているところ。それほどでもないところ。中には、動かず、じっとしているところもある。

天災や人災を語る章には『バック・ドラフト』や『ツイスター』、『アルマゲドン』『メトロポリス』『イントゥ・ザ・ワイルド』などの突飛な映画タイトルが付けられている。
ここは現代語訳というよりも、「もし高橋源一郎が方丈記を書いたら?」という、もしもシリーズとして読んだほうがいいかもしれない。常に高橋源一郎が強調され、前面に出てくる。
文章や内容は非常に読みやすいし、わかりやすい。
しかしながら、これはやり過ぎである。言葉が悪くて恐縮なのだが、非常にダサいし、おっさん臭いのである。おじさんのつまらないジョークを聞かされているようで身震いした。高橋源一郎さんのドヤ顔とオレ流の雑音が気になって私には読めなかった。

◇『徒然草』兼好 原文
つれづれなるままに、日暮らし硯に向かひて、心にうつりゆく由なしごとを、そこはかとなく書き付くれば、あやしうこそもの狂ほしけれ。

内田樹訳
ひとり閑居して、一日硯を前に、脳裏に去来することを思いつくままに書き綴っていると、自分では制御できない何かが筆を動かしているようで、怖い。

あとがきで内田樹さんはこう言う。「現代語訳とは何かを考えた。参考書などによる解説や説明は考証的には正確だろうが、原文の手触り、息づかいは伝わってこない。私に求められることは、テクストの身体を際立たせること。そう思い定めて、訳を始めた」
"テクストの身体"というものが私にはよく分からないが、たぶん「そっくりそのまま」ということを言いたいのではないか。文中に余計な注釈や解説、説明は一つもない。テクストをそっくりそのまま、現代に持ってきたような印象を受ける。潔くシンプルな文章。
79人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年11月4日に日本でレビュー済み
「枕草子」の冒頭を知らぬ者はおそらく居ないほどなのに、その本当の内容を知っている者は、果たして日本人の何%なのでしょうか。

春はあけぼの、から自然を語って数ページで終わり、ではなく、正に延々と(宮中から見える)世の中の森羅万象を、清少納言の価値観で評価付けする所謂百科全書みたいなものだったのである。いわゆる自然と生活描写だけでなく、日記あり、掌小説あり、なのだ。私の思ったのは、これは日本最初の大衆雑誌ではないか?或いはヒルナンデス、或いはバイキング。時に知的で、時に下品、時に独断専行。1番の読者は中宮定子だったかもしれないが、いつからか宮中女房全員に読者は移ったのかもしれない。

清少納言の知性は、隠しようがない。しかし、その知性は世界を作ろうとしない。その代わり、世界を語り尽くす。思うに、日本の女性の本性を描いて、日本は突然その高みの頂点近くまで行ったかもしれない。嘘だというのならば、現代の放送作家で、彼女よりも幅広く、深く、エンタメに、ホンを書ける人がいたら教えてほしい。

「方丈記」は、三大随筆の中で、全文を読んでいる唯一の作品である(短いからね)。訳者は、大震災を経た現代、この人しかいないでしょ、と思える高橋源一郎。流石、ポップな現代文に蘇った。そうやって読んでみると、大震災の描き方が、ルポ的な というのだけが特徴ではない。前半の「現代の首都・京都」という大都会の有様そのもの(大厄災・飢餓・貧困)が、そのままストレートに現代の日本に繋がっているのである。大都会の人間どもが1000年経っても同じことをしている証しだと思われる。高橋源一郎の料理の仕方面白かった。

「徒然草」は、もしかしたら他の訳書で全文読んでいたかもしれない。至る所に聞いたような事が、書かれている。しかし、読後の感慨は新たなものだった。兼好坊主はこう云う。「どれも『源氏物語』や『枕草子』などに繰り返し言われていることであるが筆に任せて書き散らすよ」と。これも、当時の週刊誌的な傾向を持っているが、枕草子のような繊細さはない。かなり説教くさい。もちろんエンタメ志向なので、ユーモアもある説教である。俗言も多いが、例えば第92段のような卓見もある。

三大随筆。こうやって訳書でスラスラと読んでわかるのは、1000年前に日本語は突然随筆の頂点近くまで登ったのだということである。

2017年10月読了
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2018年9月27日に日本でレビュー済み
各シリーズ楽しみに読んでいます。
酒井順子さんの枕草子は秀逸でした。文字から浮かび上がってくる感触はまさにエッセイストらしいシンプルなのに凝縮された言葉のニュアンス。にまとめられた作品に仕上がりがとても美しい。
徒然草
内田樹氏のシンプルで考えられた世界が美しい。初めてすべてを読みましたが閑居な日本らしいまとまりが好き。

問題は方丈記
簡潔にいうなら、「高橋源一郎の方丈記」
そこには鴨長明の閑居で無常観の漂う美しい世界はなく、横文字に脚色された本人のどや顔が浮かぶばかり。どのように訳してもそれは作者の世界観があっていいのだろうけど、これはあまりにもひどい。本人独自の出版で世に出せばいいのでは?というレベル。これをこのような文学集として世に出してしまったとは・・・。
36人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年3月22日に日本でレビュー済み
三大随筆が1冊で読める本は目にしたことがありません。発売を楽しみに待ち、発売され即買いました。特に楽しみにしていたのは内田訳徒然草ですが、方丈記の高橋訳を見て、一瞬我が目を疑いました。この方丈記訳は、全集には相応しくないと思います。自分の単独企画でやるのは自由ですが、他の作家の方との共著での行いとしてはいかがなものでしょうか?自分としてはこの本への想いが一気に冷めました。最終的には出版社、果ては自己責任かもしれませんが、一言言わせていただきました。
46人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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