20世紀を代表する構造家を、作品の構造的仕組みや仕掛けではなく、むしろその生い立ちや作品ができるまでの流れ、作品の変遷に見られる構造家の思想など構造家の人となりや思想・信念に焦点を当てて書かれており、それが従来の建築構造に関する本とは一味違った切り口で新鮮で興味深い内容でした。もちろん本書に描かれている各構造家の作品に対しては、その構造的原理、仕組み、仕掛けも丁寧に説明されており、そのエンジニア的工夫がどのような経緯、思想、歴史的背景から登場したのかと合わせて読むことでより一層理解が深まることも本書の優れたところだと思います。
あと、有名な写真・図面から初めて見た写真・図面まで豊富に掲載されているのも非常にありがたい本です。
個人的には大学2年か3年ぐらいの学生におすすめしたい本です。
ただ、惜しむらくは誤字・脱字が多いこと。改訂版が出る際には、是非修正されていることを願うばかりです。
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