毎日新聞夕刊で取り上げられた作品に興味を持ち読んでみましたが、大当たりでした。今はなくなった大箱のキャバレー、しかも場所は大阪ということで、まさに大衆の雰囲気が出ています。そこに二人のわけありの女を配置した人物展開の妙が、この作品を読ませるものにしています。主人公が「ねえさん」と慕うナンバーワンの女性の過去と、その莫大な稼ぎの使い道が最後に明らかにされる妙も、エンターテインメント小説として見事です。時折、少し理屈めいた不自然な日本語が気にかかりはしましたが、実に見事な娯楽小説と言えるでしょう。
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グランドシャトー (文春文庫 た 95-3) 文庫 – 2023/1/4
高殿 円
(著)
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●第11回大阪ほんま本大賞受賞作!
高度経済成長期、義父との結婚を迫られたルーは
キャバレー「グランドシャトー」の
No.1ホステス真珠の家に転がり込む。
ふたりは姉妹のように仲睦まじく暮らすも、
莫大な稼ぎがあるはずなのに
下町の長屋に居続ける真珠を
不審に思ったルーは、彼女の過去を探るが――。
“男の作った城”キャバレーが街と女の生き様を照らす、
これは“ひかり”の物語。
高度経済成長期、義父との結婚を迫られたルーは
キャバレー「グランドシャトー」の
No.1ホステス真珠の家に転がり込む。
ふたりは姉妹のように仲睦まじく暮らすも、
莫大な稼ぎがあるはずなのに
下町の長屋に居続ける真珠を
不審に思ったルーは、彼女の過去を探るが――。
“男の作った城”キャバレーが街と女の生き様を照らす、
これは“ひかり”の物語。
- 本の長さ352ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2023/1/4
- 寸法10.8 x 1.4 x 15.4 cm
- ISBN-104167919869
- ISBN-13978-4167919863
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2023/1/4)
- 発売日 : 2023/1/4
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 352ページ
- ISBN-10 : 4167919869
- ISBN-13 : 978-4167919863
- 寸法 : 10.8 x 1.4 x 15.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 184,078位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1976年兵庫生まれ。2000年に『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。ファンタジイを中心に40冊にのぼるライトノベルを上梓する人気作家。他にノンフィクション『オーダーメイドダーリン』や漫画、芝居、映画の原作も手掛ける(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『トッカン―特別国税徴収官』(ISBN-10:4152091371)が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2023年10月14日に日本でレビュー済みAmazonで購入大阪人なら誰もが知っているあのCM ソング。15年くらい前に、一度、お店に行ったことがあるが、高齢女性ばかりで、当時20代だった私には、刺激が強過ぎたのを覚えている。でも、あの中に、ルーさんみたいな人もいたのかなぁ。
過ぎ去った旧き良き昭和を思い出させる作品。いつの時代でも、変わらず、忘れてはならないこともある。この本を、京橋の書店で買ったのも面白いなぁ。
- 2024年10月29日に日本でレビュー済みAmazonで購入今まで読んだ小説で一番好きな作品になりました。
古き良き大阪のキャバレー、衰退していくキャバレー。
ルーの家族関係のやり切れなさ、必死にのし上がる姿。
ナンバーワンでありながら中崎町の長屋で質素に暮らす真珠の過去。
2人の関係性がとても素敵です。
キャバレー舞台の小説って他にあるのかなって感じですが、抜群の雰囲気描写でとにかくツボでした。
ニセモノの光かもしれないけども、必要としている人たちはいる。
お勧めです。
- 2025年1月5日に日本でレビュー済みAmazonで購入大阪京橋が十分に感じられて面白かったです。華やかさと寂しさと人のつながりと…人生いろいろあるもんなぁ。
- 2024年10月15日に日本でレビュー済みAmazonで購入大阪ではお馴染みのグランシャトーを舞台に、やしきたかじんらしい人物など出てきて、身近な感じがしていい。ドラマ化したいかな。実写は、ファーストサマーウイカがエエですね。
- 2023年10月12日に日本でレビュー済みAmazonで購入時代ダイナミックでな時で、登場人物の個性と愛情が良かった。
- 2024年6月9日に日本でレビュー済みAmazonで購入主人公の女性の性格、あーこんな人いるわ。って感じ。時代背景と人物描写がわかりやすく書かれている。大阪の地名が随所に出てくるので大阪在住の人なら楽しめると思います。
- 2023年3月18日に日本でレビュー済みAmazonで購入京橋のシンボル、グランドシャトー(グランシャトーと思ってきた)で働く人々を題材に昭和の京橋を描いておられる。良い内容で引き込まれた。ラノベに分類されるようだが、決してそんな軽い小説ではない。その理由のひとつにキャバレーや芸能界の裏に女性の立場への主張が見え隠れする。いまの時代こそ、こんな時代の世相を振り返るべきだと思う。最後にひとつ苦言を。京橋を「ドヤ街」と表現することは正しくはない。どーや街というならいいが。