全8巻刊行予定の『西洋美術の歴史』第1回配本は、14-16世紀イタリア美術を扱っている。本文596頁、口絵10枚、モノクロ図版179枚(本文で言及されるものをすべて網羅しているわけではないが、定価を抑えるためのギリギリの選択だったのだろう)、そしてかなり詳細な注もつけられており、これまで大型の美術全集にしか載せられてこなかったような情報が、B6版の本で読めるようになったことは、非常に喜ばしい。
いちおう概説書の体裁をとってはいるが、ジョットからヴェロネーゼまで、各「巨匠」の生涯と主要作品が、最新の研究に基づいて、しっかりと紹介されているのみならず、従来、盛期ルネサンス美術に比べてなおざりにされがちだった国際ゴシック様式の美術、すなわち15世紀前半のロンバルディアやピエモンテ、ウンブリアといった、周辺地域の画家たちの活動にもきちんと目配りがなされている。
単なる芸術家とその作品の羅列ではなく、ジョットとダンテとの関係、各教皇によるパトロネージの実態、レオナルドの鏡文字、ヴェネツィアにおける「風景」に対する意識の変化、16世紀の文学と美術による女性表現の比較等々、興味深いテーマがいくつも設定されており、「読み物」としてもじゅうぶん楽しめる。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
よく一緒に購入されている商品
+
+
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
