近年の日本では、減税日本や、大阪維新の会や、都民ファーストの会・・・などの、大衆迎合的な政策を掲げた政党が選挙でバカ勝ちする傾向が強まっているが、その理由はどこにあるのだろうか?
この本は、政治学者の大嶽秀夫さんが日本型ポピュリズムのロジックを解くものであるが、特に凄いと思ったのは、著者の大嶽さんが「日本の場合は、テレビがポピュリズムを誘発する最大の原因となっている」ことをはっきりと突いていた所にある。
これは、全国ネットの民放が製作しているテレビのニュースを観ればよく分かるが、確かに近年の日本では、キャスターやコメンテーターが「国会議員の定数を減らせ!」「もっと法人税率を引き下げろ!」などといった、大衆迎合的な主張を平気でしている。
しかも、近年の日本では小泉純一郎元首相や、名古屋市の河村たかし市長や、大阪府・大阪市の橋下徹元知事・市長や、東京都の小池百合子知事などのようなカリスマ性の強いリーダーが現れると、テレビなどのメディアが寄って集って彼らを祭り上げようとする。
その結果が、大嶽さんの指摘するような日本型ポピュリズムに繋がっているのだと言える。
なお、この本では実際にあった日本型ポピュリズムの事例が幾つか示されていたが、いずれにしろ、政治を良くするためには、有権者一人ひとりがテレビなどのメディアの発するイメージに流されない(いわゆる「B層」戦略に乗らない)ことが何よりも大切と言える。
だから、この本はそのような教訓を学ぶためのテキストとして、多くの有権者に読まれて欲しいと思う。
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日本型ポピュリズム: 政治への期待と幻滅 (中公新書 1708) 新書 – 2003/8/25
大嶽 秀夫
(著)
ダブルポイント 詳細
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- ISBN-104121017080
- ISBN-13978-4121017086
- 出版社中央公論新社
- 発売日2003/8/25
- 言語日本語
- 本の長さ308ページ
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2003/8/25)
- 発売日 : 2003/8/25
- 言語 : 日本語
- 新書 : 308ページ
- ISBN-10 : 4121017080
- ISBN-13 : 978-4121017086
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2017年5月10日に日本でレビュー済み
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勉強にはなるが、発行日が古かった。「ポピュリズムとな何か」の方が、新しくて、より良かった。
2003年10月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内容は面白い。しかし、誤植や勘違いと思える記述がいくつか見うけられ、残念だ。ポピュリズムの概念を解説した第3章の前半は、読み飛ばしても良いと思う。
本書は、小泉首相や田中真紀子前外相への支持の高まりと、政治の大衆迎合主義との関連を糸口に、1990年代以降の政治改革論議やテレビ報道の影響力と、それに対する政治家の対処方法などについて分析している。
特に興味深かったのは、第5章の「テレビニュースの変容」。日曜日の午前中に放送される報道番組や、平日夜のニュース番組に焦点を当て、番組の特徴や構成、方針などを伝えている。テレビ番組が、ようやく政治分析の対象になりつつあると感じた。
しかし、この中で触れている、「田原の『サンデーモーニング』」という記述は、正しくは関口宏であり、誤りだ。また、サンデーモーニングに「『知ってるつもり』というコーナーが好評」という指摘についても、同名の関口宏の番組との混同ではないかと感じる。著者は、注釈で「新聞は丹念に見るが、テレビはそれほどではない」という主旨を書いている。この記述に加え、誤植などによって本章の信頼性が揺らぐのは、残念でならない。
なお、多方面から批判の多いリチャード・クー、植草一秀両氏の主張に依拠して、改革を標榜した政権の政策が、実は新の改革とは逆方向のものであったとする主張は、著者の思考を知る上で大変に興味深い。
ただし、それをあとがきで軽く触れるだけと言うのは、本書の主題から外れるのであとがきに納めるのが当然の措置であるにもかかわらず、イタチの最後っ屁のようで心証が悪い。大量の文献を読みこんだということなので、このテーマでも新しい論考を期待したい。
本書は、小泉首相や田中真紀子前外相への支持の高まりと、政治の大衆迎合主義との関連を糸口に、1990年代以降の政治改革論議やテレビ報道の影響力と、それに対する政治家の対処方法などについて分析している。
特に興味深かったのは、第5章の「テレビニュースの変容」。日曜日の午前中に放送される報道番組や、平日夜のニュース番組に焦点を当て、番組の特徴や構成、方針などを伝えている。テレビ番組が、ようやく政治分析の対象になりつつあると感じた。
しかし、この中で触れている、「田原の『サンデーモーニング』」という記述は、正しくは関口宏であり、誤りだ。また、サンデーモーニングに「『知ってるつもり』というコーナーが好評」という指摘についても、同名の関口宏の番組との混同ではないかと感じる。著者は、注釈で「新聞は丹念に見るが、テレビはそれほどではない」という主旨を書いている。この記述に加え、誤植などによって本章の信頼性が揺らぐのは、残念でならない。
なお、多方面から批判の多いリチャード・クー、植草一秀両氏の主張に依拠して、改革を標榜した政権の政策が、実は新の改革とは逆方向のものであったとする主張は、著者の思考を知る上で大変に興味深い。
ただし、それをあとがきで軽く触れるだけと言うのは、本書の主題から外れるのであとがきに納めるのが当然の措置であるにもかかわらず、イタチの最後っ屁のようで心証が悪い。大量の文献を読みこんだということなので、このテーマでも新しい論考を期待したい。
2015年9月11日に日本でレビュー済み
政策上の対立軸、自民党内権力構造、自民党総裁選、マスメディアなどの事例を取りあげて、日本におけるポピュリズム的な政治家、有権者の行動のあり方を指摘していく。
政局と人物像とマスメディアの報道傾向をそれぞれに関連づけながら順を追って説明してくれているので、通読したときにわかりやすい。
報道のワイドショー化が政治に与えた影響を説明する段で、政治を「道徳主義化」して捉えてしまう日本社会にはポピュリズムの登場に抵抗する力が不足していると著者は指摘しており、この本が刊行されたあとに登場した橋下徹・維新の会のことを想起せざるを得ない。
橋下徹・維新が政治の舞台に登場する以前の本なので、日本型ポピュリズムという点ではもはやこの本だけを読んで済ませるというわけにはいかないだろうが、橋下徹・維新の会を準備したものを知るという意味でも重要な本だろう。
政局と人物像とマスメディアの報道傾向をそれぞれに関連づけながら順を追って説明してくれているので、通読したときにわかりやすい。
報道のワイドショー化が政治に与えた影響を説明する段で、政治を「道徳主義化」して捉えてしまう日本社会にはポピュリズムの登場に抵抗する力が不足していると著者は指摘しており、この本が刊行されたあとに登場した橋下徹・維新の会のことを想起せざるを得ない。
橋下徹・維新が政治の舞台に登場する以前の本なので、日本型ポピュリズムという点ではもはやこの本だけを読んで済ませるというわけにはいかないだろうが、橋下徹・維新の会を準備したものを知るという意味でも重要な本だろう。
2004年7月21日に日本でレビュー済み
大人として知っておきたい程度のここ10年ぐらいの政治について理解したいと考えれば年表もついていて、お買い得な本だと思う。また、その間メディアがいかに政治に影響を与えてきたか、その報道の不誠実さ(良く言っても偏向)について考えさせられる。
通読すればメディアの倫理やメディアリテラシーの重要性を改めて実感する事になるだろう。
通読すればメディアの倫理やメディアリテラシーの重要性を改めて実感する事になるだろう。
2008年1月10日に日本でレビュー済み
政治に対する国民の不信が続く中、ときおり特定政治家への期待が高まることがある。近年の最たる例が小泉純一郎の首相在任時の高い支持率であろう。このような「改革派」は自民党の派閥政治に対抗する存在と目されており、それゆえに国民からの強い支持が集まる傾向がある。また、「改革派」自身も国民の目を意識することによって、自らの弱い政治基盤を克服することにつながる。
このようなポピュリズム的政治は、88年のリクルート事件、92年の佐川急便事件といった政治腐敗に対する国民の強い反発が契機となって始まった。本書では、それ以後の橋本改革から、「加藤の乱」を経て、小泉政権の誕生と田中眞紀子の登場までの自民党の政局の流れを解説している。
本書の内容は、政局に疎い私(「加藤の乱」も言葉しか知らなかった)にも分かりやすかった。人々はイメージによって左右されてしまいがちだが、そのイメージが「作られた」ものであり、実質的な内容が伴わないことがあることに気をつけなくてはならない。田中眞紀子の問題はその典型例であり、筆者の指摘は正鵠を得ている。理想論でも単なる現状肯定論ではない真の「現実的な政策」が求められており、有権者はそれを注意深く見抜かねばならないのだろう。
このようなポピュリズム的政治は、88年のリクルート事件、92年の佐川急便事件といった政治腐敗に対する国民の強い反発が契機となって始まった。本書では、それ以後の橋本改革から、「加藤の乱」を経て、小泉政権の誕生と田中眞紀子の登場までの自民党の政局の流れを解説している。
本書の内容は、政局に疎い私(「加藤の乱」も言葉しか知らなかった)にも分かりやすかった。人々はイメージによって左右されてしまいがちだが、そのイメージが「作られた」ものであり、実質的な内容が伴わないことがあることに気をつけなくてはならない。田中眞紀子の問題はその典型例であり、筆者の指摘は正鵠を得ている。理想論でも単なる現状肯定論ではない真の「現実的な政策」が求められており、有権者はそれを注意深く見抜かねばならないのだろう。
2003年8月30日に日本でレビュー済み
久しぶりに読んだ大嶽さんの本でした。20年前に出たあの名著”日本の防衛と国内政治”の中で、大嶽さんは、自信を持って、”政治学なるものが日本政治の分析に対してなしうる貢献”を語っていたわけだけど、この中で描かれている現実の日本政治の姿は、あまりにも悲しいね。政治だけではなく、それを取り囲む世論の枠組みも、グロテスクな姿をさらしているだけのようです。過去の日本の新聞が垂れ流していた幼稚な”戦争と平和”という善悪二元論は、確かに消えました。でもそれに代わったのは、テレビにより、無差別に流される、”腐敗と改革”という別な二元論です。でももはやこれは二元論というよりは、視聴率だけをメルクマールとした知性の退化としかいいようのない、シニシズムというのがその実態!のようです。この現状に対して、著者は成熟した現実主義、道徳禁欲主義からの脱却、つまり可能性としての政治の復権を提唱します。著者は必ずしも絶望してはいません。なぜなら著者によると、防衛問題については、90年代の日本は非武装主義を克服することに成功したからです。最後のあとがきで述べられているテーゼ、”今日の日本政治にとって最大の不幸は、改革派が常にマクロ経済的には、誤った政策を掲げ、政権をとったとたんにそれを推進してきたことにある”は、政治学者である著者の政治学を越えた大胆な結論です。
2003年10月23日に日本でレビュー済み
1990年以降に、どういう順番で、誰が総理大臣になったかいまいちわかんね~という方におすすめします。
ポピュリズムに対してより厳密で、深みのある議論を読みたいという方は、図書館にこもって、論文をあさったほうがよろしいかと存じます。
この本は、まずは、一通りの基本的な90年代政治史を、あさくでも良いから知っておきたい、という人が読むべき本です。文章が比較的読みやすいため、頭が痛くならずに、一冊を読み通すことができるはずです。
「これからどうなるか」ということを考えるのも大事なことですが、「いままで、何が起こったのか」を知ることも同じくらいに重要です。
だからこそ、「少し政治に興味がある」という人は、この本からはじめられたらどうでしょうか?
しかし、この本で!一番記憶に残っているのは、本論部分ではなく、あとがきです。唐突な著者の意見表明と仮説提示、それに続く、私的なことがらに対する記述。たとえは悪いですが、叙述トリック系のミステリを読んだときに感じる衝撃と同様の驚愕を感じました。
また、302ページから308ページまでの年表は、非常に役立つと思います。「ニュースステーション第一回放送の日」からはじまるその年表は、出来事の前後関係をやわらかく知ることができ、眺めるだけで充分楽しいです。
ポピュリズムに対してより厳密で、深みのある議論を読みたいという方は、図書館にこもって、論文をあさったほうがよろしいかと存じます。
この本は、まずは、一通りの基本的な90年代政治史を、あさくでも良いから知っておきたい、という人が読むべき本です。文章が比較的読みやすいため、頭が痛くならずに、一冊を読み通すことができるはずです。
「これからどうなるか」ということを考えるのも大事なことですが、「いままで、何が起こったのか」を知ることも同じくらいに重要です。
だからこそ、「少し政治に興味がある」という人は、この本からはじめられたらどうでしょうか?
しかし、この本で!一番記憶に残っているのは、本論部分ではなく、あとがきです。唐突な著者の意見表明と仮説提示、それに続く、私的なことがらに対する記述。たとえは悪いですが、叙述トリック系のミステリを読んだときに感じる衝撃と同様の驚愕を感じました。
また、302ページから308ページまでの年表は、非常に役立つと思います。「ニュースステーション第一回放送の日」からはじまるその年表は、出来事の前後関係をやわらかく知ることができ、眺めるだけで充分楽しいです。