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エリザベス: 華麗なる孤独 単行本 – 2009/4/1

3.9 5つ星のうち3.9 4個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 中央公論新社 (2009/4/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/4/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 612ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4120040291
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4120040290
  • カスタマーレビュー:
    3.9 5つ星のうち3.9 4個の評価

著者について

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石井 美樹子
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カスタマーレビュー

星5つ中3.9つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2010年5月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
エリザベスの両親の結婚の詳細から始まっているので、必然的に英国国教会設立の経緯にも非常に詳しい。
基礎知識は持っていたが、本書でさらにその周辺事情がよくわかるようになった。
もちろんヘンリー八世の6人の王妃とその結婚のいきさつにもちゃんと触れられている。
これがまた面白いので、この辺だけはつい野次馬根性で読んでしまった(笑)。

特筆すべきはエリザベスの受けた教育についてとても詳しい記述があることだろう。
何歳頃にどういう師の元でどんな勉強をしたのか、この3点セットがきっちり書かれている。
そのプログラムを見ていると、それらはもちろん今日の「教育」とは多分違うけれど、人間力を上げるものであっただろうなと納得。
賢く理知的で権謀術数に長けており、容易に言質を与えない頭の回転の良さは、こういった教育に依るところが大きいらしい。

異母姉・メアリー一世との確執についても非常に詳細な記述があるのも本書の良い点だ。
メアリー個人に関してもかなりの頁を割いているため、彼女の簡易的な伝記としても読める。
特に彼女が夫フェリペ二世への愛情から女王としての義務や責任をないがしろにし、イングランドを傾けてしまう経緯は興味深い。
しかし小さいうちから既に母は無く庶子の身であったエリザベスと違い、彼女はかなり成長してから人生が180度変わってしまったので、
エリザベスへの深い憎悪や、それと反対に愛する者への深い愛着、自分と母の人生を滅茶苦茶にしたプロテスタントへの弾圧等、
一つひとつの思考や行動の動機が何だか理解出来る気もする。

このように本書の読みどころはたくさんあるけれど、即位後のエリザベスが終始直面し続ける大きな問題である宗教の対立に関してとても解りやすかった。
この時代の、特にイギリス・フランス・スペイン・オーストリア・ネーデルラントの複雑に入り組んだこの問題が、本書では詳しく述べられている。
西洋の宗教事情はなかなか解りにくいが、著者のすっきりとした文章のおかげで結構頭に入って来た。
また、エリザベスと言えば欠かせない寵臣達についても、その出自から活躍の様子、実績、人柄等、一人ひとり詳しい。
彼女の寵臣については今まで正直誰が誰なのやらという認識だったけれど、今回やっと各人の横顔が見えた気がする。

非常に分厚い本だが、著者の日本語はとても読みやすく要旨が明解なので、長さを感じずに読むことが出来ると思う。
なお本書の3分の1はエリザベスが即位するまでに充てられているため、「エリザベス一世」という人間がどうして、またどのように形成されたのか理解出来ると思う。
同著者によるキャサリン・オブ・アラゴンの生涯を扱った『薔薇の冠』とほぼ類似する美しく華麗な装丁も嬉しい。
オールカラーの口絵写真も豊富なので、本文と併せて楽しめるだろう。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年3月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
冒頭の文章から想像力を刺激され、映像を見ているような感覚で読み始めた。
だが、ざっと読み終えるような本ではなかった。

著者は甘さを排した冷徹な観察眼を通して、エリザベス一世の手紙や演説録、
女王の周辺にいた人々の手紙のようなたくさんの資料により、ルネサンス時代の
政治的・宗教的・歴史的背景の詳細な構成のなかに見事に君臨する女王をあぶり
だしている。
その姿は聡明で激しく、時に切なく可愛らしささえ醸しだし、時には憎らしいほどの
強さ・頑固さ、国家の長としての非情さを感じさせる。単なる喧伝による伝記本では
なくて、事実の詳細な組み立てによる面白さ、重厚さがある。

あとがきによれば、著者は15年余りケンブリッジ大学図書館で執念にも似た熱意と
努力で資料を収集したようである。歴史のなかでふと抱いた小さな疑問を執念と
探求心で一つ一つ丹念に追い続け、イギリス人でさえ知らなかったような事実を
日本人が見つけ出した過程は読む者の好奇心をあおる。

日本にいながらにしてこれだけの稀覯本、資料で紡がれた本に巡り会えた幸せを
有り難く思う。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年1月16日に日本でレビュー済み
石井氏の作品は、前作『薔薇の冠―イギリス王妃キャサリンの生涯 』と後作『エリザベスー華麗なる孤独ー』を併せて読みました

両者を読み比べてみると、前作の最後で使われていた史実の一部は、本作ではバッサリ切り捨てられています。
前作でかなり批判的に書かれていた人物を本作では大幅に肯定的に描いているので、以前掲載したものではあっても、
都合が悪いのでカットせざるおえなかったのでしょう。
著者による情報操作の意図を感じました。もっとハッキリ言えば、前作ではアン・ブーリンは否定的に書かなければ
成立しない作品ですが、本作では(作者の気分が変わったのか?と推定)アン・ブーリンを絶賛して書いても成り立ち
うる作品です。

前作は1993年、本作品は2009年出版で、16年の開きがあるので、石井氏の考え方に多少のずれが生じるのは
しかたないとは思います。しかし前作での人物評価を本作品で覆すほどの新史料が発見されたかというと、
そんな事実もありません。あくまでも同じ史実に対して、石井氏の主観が変わったに過ぎません。
どんな事情があるにせよ、1人の人物に対する評価を180度変えてしまうのは、ご都合主義ではないでしょうか。
「この著者は気分によって史実に対する解釈が大きく変わっている」というのが正直な感想です

また、全体的に従来の説に対してこれといった根拠もないのに、批判的な姿勢も気になりました。

石井氏の、他の著作や関連映画に対して反論したいという気持ちが強くて、たとえば「メアリー・ブーリンの産んだ子供は
ヘンリー8世の子ではない」といった、「どこにそんな証拠があるんですか?」と突っ込みたくなるような一文もあります。
もっと説得力のある反論を展開してほしかったです。

それらは史実とおりまぜてあるので、パッと見は石井氏の主観なのか史実なのか判別がつきません。
「著者の第一資料に基づく長年の研究」と説明されたら、なおさら読者は判別しにくいでしょう。

いくら長年研究なさった方ではあっても、従来の説を確証がないのにサクッと否定するのはどうかと思います。

全体としては、石井氏の思い浮かべる主観的なエリザベス像であり、アン・ブーリン像です。
石井氏の大ファンの方にはいいかもしれませんが、納得できない読者がいても当然だと思います。
歴史小説として読んで感想をつけるとしたら、後半は前半ほど引っかかりもなく順調に読めるので、全体的にはまあ面白かったと思います。
「3000円出して新刊を買うか?」と聞かれたら、私はいりません。

史料解釈としてのユニークさ、客観的な視点ではクリストファー・ヒバート著
女王エリザベス〈上〉波瀾の青春
女王エリザベス〈下〉大国への道 がオススメです。
ユーモアや余裕が感じられる文体、人間味あふれたエリザベス像が読みやすいです。

石井氏の著作を機に、ヒバートの伝記のような優れた翻訳本も読んでいただけたらと思います。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年9月3日に日本でレビュー済み
エリザベス1世に関する本は沢山あり、
少なからず読んでいますがこちらは大変な価値を感じます。

まずあとがきによって述べられているように、
著者の第一資料に基づく長年の研究による真実に限りなく近いという意味で。
他の本で知ることのなかった事実も
数多く書かれていると思いました。

そして、エリザベスが深く関わった人物の描写も、
時代背景やそれぞれの思惑、勢力関係、
有力貴族の衰退・顛末までも、
彼女が所有していたもの、おかれていた状況・事情を
できる限り詳しく描かれ
エドワード6世やメアリー1世との確執や
身辺に寄り添っていた女官や家臣など、
その時々によっての相手に対して持っていた感情とその変化を
自然にストーリーに組み入れて
素晴しい歴史伝記となっています。

かのエリザベス1世を育むことになった構成要素。
生い立ち、幼少期、多感な少女期、
そして信念や哲学形成に与えた出来事や教育や生活に関しても
物語の中にうまく描かれています。

今まで読んだエリザベス1世についての本の中で
いちばん正確にエリザベスを語り、
美しい日本語で仕上げてくれた素晴しい本だと感じました。

新書の「イギリス中世の女たち」を併読すると、
ほんの細かいエピソードですが、
本書で触れられてない事が書かれていたりして満足です。
21人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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