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秘密諜報員ベートーヴェン (新潮新書 366) 新書 – 2010/5/1
古山 和男
(著)
- 本の長さ232ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2010/5/1
- ISBN-104106103664
- ISBN-13978-4106103667
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2010/5/1)
- 発売日 : 2010/5/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 232ページ
- ISBN-10 : 4106103664
- ISBN-13 : 978-4106103667
- Amazon 売れ筋ランキング: - 100,365位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 247位新潮新書
- カスタマーレビュー:
著者について
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イメージ付きのレビュー
5 星
音楽好き必読。ベートーヴェンの人物と作品の見方が、まったく変わる。
今日の一般的なベートーヴェン像は、生涯に何人もの恋人がいて、恋愛を糧としつつ音楽一筋に生きた、というものだろう。しかし私自身は、彼の作品を聴いて、どうも腑に落ちないものを感じていた。その直感通り、一般的なベートーヴェン像は嘘だと教えてくれるのが本書である。秘密警察によって、あらゆる手紙が検閲されていた当時のハプスブルク帝国。ナポレオンの占領によってハプスブルク家を含む貴族たちが急速に没落し、他方ナポレオンと結び付いた啓蒙派の貴族たちが一気に勢力を伸ばす中、両者の間で展開していたすさまじい諜報戦。ベートーヴェンはその中で、自由を求める振興勢力の側に就き、情報のやり取りに従事していたと言うのである。そして、数々の恋文はすべて、検閲を逃れるために恋文を装って書かれていたものであると云う。本書は特に、いわゆる「『永遠の恋人』への手紙」をテクストとして、それがナポレオンのロシア遠征の裏側で展開していた諜報活動の一端であることを、ベートーヴェンほか主要人物の動きと合わせて解き明かしていく。クラシック音楽を演奏・鑑賞する人は必読である。ベートーヴェン像が、まったく変わる。貴族の子弟と音楽を通じて交流し、恋心が芽生えたりしていた――なんてのは、嘘だ。すべては自由のために戦う同士たちの交流であり、情報伝達だったのである。そう考えると、ベートーヴェン作品への理解がまったく変わって来る。本書では触れていないが、彼の一年後に亡くなったシューベルトも、なぜあのような作品を書いたのか、シューベルト作品のカッコ良さとか悲しさ苦しさはどこから来たものだったのかも、分かる。少しだけ出てくるモーツァルトも同様である。どうか本書の見解が世界中に広まり、世界中のベートーヴェン研究者はいい加減、音楽理解を歪める「恋人探し」から脱却していただきたいところだ。なお、有名な以下の肖像画の意味についても解き明かされている。それは本書の核心部分に関わる内容である。詳しくはご一読を。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年4月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は勉強になります。ベートーヴェンの活動背景、人脈など当時の時代背景、政治も絡まり興味深く読めます。この本を読んだあとではベートーヴェンの曲がよりよく聞けました。ベートーヴェンて政治的にはリベラルだったですね。曲を献呈した貴族は新興貴族が多く、新しい時代を作ろうとしていた気概を感じます。
2014年1月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
えっ本当なの? と思いながら 一気に読んでしまいました。
でも 確かに考えられるなぁ
少し ベートーヴェンを見る目が変わりました。
でも 確かに考えられるなぁ
少し ベートーヴェンを見る目が変わりました。
2013年3月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
書店でなかなか手にはいらなくて早速アマゾンさんで検索したところ在庫があり手にすることができました。ありがとうございます。
2011年3月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
不滅の恋人への手紙が、恋文を装った通信文であるという仮説は高い説得力がある。
しかしより重要なのは、なぜ40代のベートーヴェンの仕事量が減ってしまったのか、第9がなぜあんなに仰々しい音楽になったのか、なぜ後期ピアノソナタや弦楽四重奏はあそこまで晦渋なのか、という疑問が氷解したことである。1812年は、ベートーヴェンにとってもヨーロッパにとっても重要な転換点だった。
この本の読後は、ベートーヴェン後期音楽のある意味での見方(聴き方)を変えざるを得ないだろう。今までは疑問に思っていた第28番のソナタの狂気のはらんだロマンなどもとても納得できた。それほどの衝撃度がある。
しかしより重要なのは、なぜ40代のベートーヴェンの仕事量が減ってしまったのか、第9がなぜあんなに仰々しい音楽になったのか、なぜ後期ピアノソナタや弦楽四重奏はあそこまで晦渋なのか、という疑問が氷解したことである。1812年は、ベートーヴェンにとってもヨーロッパにとっても重要な転換点だった。
この本の読後は、ベートーヴェン後期音楽のある意味での見方(聴き方)を変えざるを得ないだろう。今までは疑問に思っていた第28番のソナタの狂気のはらんだロマンなどもとても納得できた。それほどの衝撃度がある。
2011年12月4日に日本でレビュー済み
ベートーヴェンは、その「不滅の恋人」の最有力候補とされるA・ブレンターノの夫であるフランツに対する、ナポレオン・ロシア戦線の情報提供の秘密諜報員である、という仮説は魅力的ではあるが、評価に耐える例証が欲しい。
彼による、エロイカ交響曲のナポレオンへの献呈予定に関する「有名な」一件も、メッテルニッヒ治下のオーストリア政権による改変を示唆する仮設も裏付けとして提出しているが、現在ならば、楽譜用紙やインクの科学的分析の成果はないのだろうか?
また、経済史に大きな足跡を残したロートシルド(ロスチャイルド)に数ヶ所で言及しているが、その都度「ユダヤ人」とくどいように但し書きを付けていることはどういう意図に基づくのだろうか。
さらに、プラハ事情を説明する一件に、モーツァルトがウィーンで初演してさほどの成果を収めず、プラハで熱狂的歓迎を受けたオペラは「ドン・ジョヴァンニ」である、と記しているが、少なくとも、この時代の音楽史を扱う上では考えられない誤認であり、他の多くの記述も同様の誤謬に溢れているか、との疑念さえ抱かせる。
彼による、エロイカ交響曲のナポレオンへの献呈予定に関する「有名な」一件も、メッテルニッヒ治下のオーストリア政権による改変を示唆する仮設も裏付けとして提出しているが、現在ならば、楽譜用紙やインクの科学的分析の成果はないのだろうか?
また、経済史に大きな足跡を残したロートシルド(ロスチャイルド)に数ヶ所で言及しているが、その都度「ユダヤ人」とくどいように但し書きを付けていることはどういう意図に基づくのだろうか。
さらに、プラハ事情を説明する一件に、モーツァルトがウィーンで初演してさほどの成果を収めず、プラハで熱狂的歓迎を受けたオペラは「ドン・ジョヴァンニ」である、と記しているが、少なくとも、この時代の音楽史を扱う上では考えられない誤認であり、他の多くの記述も同様の誤謬に溢れているか、との疑念さえ抱かせる。
2017年3月12日に日本でレビュー済み
今日の一般的なベートーヴェン像は、生涯に何人もの恋人がいて、恋愛を糧としつつ音楽一筋に生きた、というものだろう。しかし私自身は、彼の作品を聴いて、どうも腑に落ちないものを感じていた。
その直感通り、一般的なベートーヴェン像は嘘だと教えてくれるのが本書である。
秘密警察によって、あらゆる手紙が検閲されていた当時のハプスブルク帝国。
ナポレオンの占領によってハプスブルク家を含む貴族たちが急速に没落し、他方ナポレオンと結び付いた啓蒙派の貴族たちが一気に勢力を伸ばす中、両者の間で展開していたすさまじい諜報戦。
ベートーヴェンはその中で、自由を求める振興勢力の側に就き、情報のやり取りに従事していたと言うのである。そして、数々の恋文はすべて、検閲を逃れるために恋文を装って書かれていたものであると云う。
本書は特に、いわゆる「『永遠の恋人』への手紙」をテクストとして、それがナポレオンのロシア遠征の裏側で展開していた諜報活動の一端であることを、ベートーヴェンほか主要人物の動きと合わせて解き明かしていく。
クラシック音楽を演奏・鑑賞する人は必読である。ベートーヴェン像が、まったく変わる。貴族の子弟と音楽を通じて交流し、恋心が芽生えたりしていた――なんてのは、嘘だ。すべては自由のために戦う同士たちの交流であり、情報伝達だったのである。そう考えると、ベートーヴェン作品への理解がまったく変わって来る。
本書では触れていないが、彼の一年後に亡くなったシューベルトも、なぜあのような作品を書いたのか、シューベルト作品のカッコ良さとか悲しさ苦しさはどこから来たものだったのかも、分かる。少しだけ出てくるモーツァルトも同様である。
どうか本書の見解が世界中に広まり、世界中のベートーヴェン研究者はいい加減、音楽理解を歪める「恋人探し」から脱却していただきたいところだ。
なお、有名な以下の肖像画の意味についても解き明かされている。それは本書の核心部分に関わる内容である。詳しくはご一読を。
その直感通り、一般的なベートーヴェン像は嘘だと教えてくれるのが本書である。
秘密警察によって、あらゆる手紙が検閲されていた当時のハプスブルク帝国。
ナポレオンの占領によってハプスブルク家を含む貴族たちが急速に没落し、他方ナポレオンと結び付いた啓蒙派の貴族たちが一気に勢力を伸ばす中、両者の間で展開していたすさまじい諜報戦。
ベートーヴェンはその中で、自由を求める振興勢力の側に就き、情報のやり取りに従事していたと言うのである。そして、数々の恋文はすべて、検閲を逃れるために恋文を装って書かれていたものであると云う。
本書は特に、いわゆる「『永遠の恋人』への手紙」をテクストとして、それがナポレオンのロシア遠征の裏側で展開していた諜報活動の一端であることを、ベートーヴェンほか主要人物の動きと合わせて解き明かしていく。
クラシック音楽を演奏・鑑賞する人は必読である。ベートーヴェン像が、まったく変わる。貴族の子弟と音楽を通じて交流し、恋心が芽生えたりしていた――なんてのは、嘘だ。すべては自由のために戦う同士たちの交流であり、情報伝達だったのである。そう考えると、ベートーヴェン作品への理解がまったく変わって来る。
本書では触れていないが、彼の一年後に亡くなったシューベルトも、なぜあのような作品を書いたのか、シューベルト作品のカッコ良さとか悲しさ苦しさはどこから来たものだったのかも、分かる。少しだけ出てくるモーツァルトも同様である。
どうか本書の見解が世界中に広まり、世界中のベートーヴェン研究者はいい加減、音楽理解を歪める「恋人探し」から脱却していただきたいところだ。
なお、有名な以下の肖像画の意味についても解き明かされている。それは本書の核心部分に関わる内容である。詳しくはご一読を。
今日の一般的なベートーヴェン像は、生涯に何人もの恋人がいて、恋愛を糧としつつ音楽一筋に生きた、というものだろう。しかし私自身は、彼の作品を聴いて、どうも腑に落ちないものを感じていた。
その直感通り、一般的なベートーヴェン像は嘘だと教えてくれるのが本書である。
秘密警察によって、あらゆる手紙が検閲されていた当時のハプスブルク帝国。
ナポレオンの占領によってハプスブルク家を含む貴族たちが急速に没落し、他方ナポレオンと結び付いた啓蒙派の貴族たちが一気に勢力を伸ばす中、両者の間で展開していたすさまじい諜報戦。
ベートーヴェンはその中で、自由を求める振興勢力の側に就き、情報のやり取りに従事していたと言うのである。そして、数々の恋文はすべて、検閲を逃れるために恋文を装って書かれていたものであると云う。
本書は特に、いわゆる「『永遠の恋人』への手紙」をテクストとして、それがナポレオンのロシア遠征の裏側で展開していた諜報活動の一端であることを、ベートーヴェンほか主要人物の動きと合わせて解き明かしていく。
クラシック音楽を演奏・鑑賞する人は必読である。ベートーヴェン像が、まったく変わる。貴族の子弟と音楽を通じて交流し、恋心が芽生えたりしていた――なんてのは、嘘だ。すべては自由のために戦う同士たちの交流であり、情報伝達だったのである。そう考えると、ベートーヴェン作品への理解がまったく変わって来る。
本書では触れていないが、彼の一年後に亡くなったシューベルトも、なぜあのような作品を書いたのか、シューベルト作品のカッコ良さとか悲しさ苦しさはどこから来たものだったのかも、分かる。少しだけ出てくるモーツァルトも同様である。
どうか本書の見解が世界中に広まり、世界中のベートーヴェン研究者はいい加減、音楽理解を歪める「恋人探し」から脱却していただきたいところだ。
なお、有名な以下の肖像画の意味についても解き明かされている。それは本書の核心部分に関わる内容である。詳しくはご一読を。
その直感通り、一般的なベートーヴェン像は嘘だと教えてくれるのが本書である。
秘密警察によって、あらゆる手紙が検閲されていた当時のハプスブルク帝国。
ナポレオンの占領によってハプスブルク家を含む貴族たちが急速に没落し、他方ナポレオンと結び付いた啓蒙派の貴族たちが一気に勢力を伸ばす中、両者の間で展開していたすさまじい諜報戦。
ベートーヴェンはその中で、自由を求める振興勢力の側に就き、情報のやり取りに従事していたと言うのである。そして、数々の恋文はすべて、検閲を逃れるために恋文を装って書かれていたものであると云う。
本書は特に、いわゆる「『永遠の恋人』への手紙」をテクストとして、それがナポレオンのロシア遠征の裏側で展開していた諜報活動の一端であることを、ベートーヴェンほか主要人物の動きと合わせて解き明かしていく。
クラシック音楽を演奏・鑑賞する人は必読である。ベートーヴェン像が、まったく変わる。貴族の子弟と音楽を通じて交流し、恋心が芽生えたりしていた――なんてのは、嘘だ。すべては自由のために戦う同士たちの交流であり、情報伝達だったのである。そう考えると、ベートーヴェン作品への理解がまったく変わって来る。
本書では触れていないが、彼の一年後に亡くなったシューベルトも、なぜあのような作品を書いたのか、シューベルト作品のカッコ良さとか悲しさ苦しさはどこから来たものだったのかも、分かる。少しだけ出てくるモーツァルトも同様である。
どうか本書の見解が世界中に広まり、世界中のベートーヴェン研究者はいい加減、音楽理解を歪める「恋人探し」から脱却していただきたいところだ。
なお、有名な以下の肖像画の意味についても解き明かされている。それは本書の核心部分に関わる内容である。詳しくはご一読を。
このレビューの画像
2017年12月25日に日本でレビュー済み
ベートーヴェンレベルの音楽家でも、芸術以外の関心ごとがあったんだという、当たり前のことに気づかせてくれる本でした。一つ、期待外れだったことは、文中でもう少し実際の手紙の内容の謎解きがあるかと思っていましたが、そうではなく、あくまで状況証拠の話だったことがありますが、全体的に一読して損の無い本です。
2010年6月6日に日本でレビュー済み
ベートーヴェンの遺品から見つかった『不滅の恋人』宛の手紙。
この手紙は、そこに書かれた日付と曜日から1812年に書かれたことが判っている。
ナポレオンのロシア遠征の年だ。
この作品で作者は『不滅の恋人』の手紙は、メッテルニヒの秘密警察による検閲を避けるためにそう偽装されていただけで、実際は反ナポレオン・守旧派の動きを伝えるための手紙であったという大胆な仮説を立てた。
『不滅の恋人』が誰であるかという問題については、青木やよひ氏が郵便馬車の時刻表などを駆使して推理した著作がある。本作品で古山氏は青木氏の結論から一歩踏みだし、一ひねりしてみせる。
そして自由主義者ベートーヴェンを活写する。
タイトルの「秘密諜報員」というのはあまりに扇情的すぎて滑稽だが、内容はもっと説得力があるものだ。
難点は、手紙がなぜベートーヴェンの遺品から発見されたのか、という点について歯切れが悪いところが気になる。
この手紙は、そこに書かれた日付と曜日から1812年に書かれたことが判っている。
ナポレオンのロシア遠征の年だ。
この作品で作者は『不滅の恋人』の手紙は、メッテルニヒの秘密警察による検閲を避けるためにそう偽装されていただけで、実際は反ナポレオン・守旧派の動きを伝えるための手紙であったという大胆な仮説を立てた。
『不滅の恋人』が誰であるかという問題については、青木やよひ氏が郵便馬車の時刻表などを駆使して推理した著作がある。本作品で古山氏は青木氏の結論から一歩踏みだし、一ひねりしてみせる。
そして自由主義者ベートーヴェンを活写する。
タイトルの「秘密諜報員」というのはあまりに扇情的すぎて滑稽だが、内容はもっと説得力があるものだ。
難点は、手紙がなぜベートーヴェンの遺品から発見されたのか、という点について歯切れが悪いところが気になる。