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日露戦争、資金調達の戦い (新潮選書) 単行本(ソフトカバー) – 2012/2/24

4.5 5つ星のうち4.5 134個の評価

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二〇三高地でも日本海海戦でもなく、「国際金融市場」にこそ本当の戦場はあった!「戦費調達」の絶対使命を帯び欧米に向かった高橋是清と深井英五。彼らを待ち受けたのは、急速に進化した20世紀初頭の金融マーケットであった。未だ二流の日本国債発行を二人はいかに可能にしたのか? 当時の市場の動きを辿ることで外債募集譚を詳細に再現し、全く新たな日露戦争像を示す――これはもう一つの「坂の上の雲」だ!

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金融の世界史―バブルと戦争と株式市場― 日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち― 国家の命運は金融にあり 高橋是清の生涯 上 国家の命運は金融にあり 高橋是清の生涯 下
カスタマーレビュー
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【新潮選書】板谷敏彦 作品 シュメール人が発明した文字は貸借記録の必要に迫られたものだった。ルネサンス期に生まれた銀行・保険業と大航海時代は自由な金融市場をもたらし、国家間の戦争は株式・債券の基を創った。そして今日、進化したはずの国際市場では相変らずデフレ・インフレ・バブルが繰り返される……人間の営みとしての「金融」を通史として俯瞰する試み。 「戦費調達」の絶対使命を帯び欧米に向かった高橋是清と深井英五。彼らを待ち受けたのは、急速に進化した20世紀初頭の金融マーケットであった。未だ二流の日本国債発行を二人はいかに可能にしたのか? 当時の市場の動きを辿ることで外債募集譚を詳細に再現し、全く新たな日露戦争像を示す――これはもう一つの「坂の上の雲」だ! 奴隷、芸者のヒモ、相場師などの紆余曲折を経て、日露戦争の資金調達で国を救った男の前半生。従来の是清像を塗り替える圧倒的評伝! 昭和初期の激動の中で金融の舵取りを担い、2・26事件の凶弾に斃れた男の後半生。その財政家としての真価を問い直す画期的評伝!

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 (2012/2/24)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2012/2/24
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 464ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4106036991
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4106036996
  • 寸法 ‏ : ‎ 19.1 x 12.8 x 3.2 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.5 5つ星のうち4.5 134個の評価

著者について

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板谷 敏彦
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兵庫県西宮市生まれ、関西と首都圏半々で育つ、造船会社から証券会社へ、ウォール・ストリートに6年、その後も東京を中心に世界中、日本中を飛び回った。船舶全般/国内外株式/デリバティブス/ストラクチャー/投資ストラテジー/投資理論/金融史/軍事史に強み

週刊エコノミストに『コレキヨ 小説高橋是清』連載中、週刊金融財政事情、週刊新潮に書評および株式関連の記事執筆。早稲田大学社会人講座講師

共同翻訳に「プログラム・トレーディング入門」日本経済新聞社1989年

カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2021年6月2日に日本でレビュー済み
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時が急に戻ったりするので若干の読みづらさを感じたが、複数の線が同時並行で流れている歴史を単一の線で描写するのは不可能なので、しょうがないと思う。本筋とは関係ないが、マスコミは今も昔も糞なんだなということがよくわかるし、限られた情報だけでは真の正しさはわからない。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年1月3日に日本でレビュー済み
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日露戦争という歴史的かつドラマチックな事件を、様々なデータや日記・証言などに基づいて金融という側面から分析した、金融関係者にとって必読の良書です。当時はまだ発展途上国であった日本が金融先進国であるイギリスやアメリカで資金調達することがいかに難しいことであったか、イギリスやアメリカの投資家達が日露戦争をビジネスとしてどう捉えていたか、その中で高橋是清はどうやってロスチャイルドやシフといった大物投資家達と関係を築き巨額の資金調達を成功させたのか、それらを通して我々は、今から100年以上前においても金融の本質は現代と全く同じことに気付かされます。個人的に特に興味深かった点は3つあります。

1つめは、100年前においてもマーケットは効率的であったという点です。板谷氏が整理した日本国債とロシア国債のチャートを見ると、日露戦争の局面の変化に応じて機敏に反応していますが、必ずしも局地戦の勝敗だけでは動いておらず、むしろその戦闘の結果今後の出費はどうなるのか、あるいは誰か公募に参加したか、次回募集の可能性はあるか等、様々な要因が絡んでいることがわかります。当時の日本の世論は局地戦の勝利報道の連続で浮かれ調子であったことは想像に難くありませんが、一方で株式市場や債券市場を見ると必ずしもマーケットはこれらの局地戦の勝利をそれほど評価していません。例えば局地戦におけるロシアの敗退は戦略的なものであり、むしろ戦争が長引けば日本にとって不利であることなどをマーケットは冷静に織り込んでおり、情報通信がそれほど発達していなかった100年前でもマーケットがこれほど効率的であることには驚かされます。

2つめは、世界はバランスを保つように動いているという点です。日露戦争においてはロシアが戦力を極東に移動させてしまったため、当時ロシアと同盟関係にあったフランスは、相対するドイツからの脅威に晒されます。そこでフランスはイギリスと協定を結ぶことでバランスを保ちますが、その結果フランスはロシアへの依存度を落とし、最終的にはロシアからの資金調達を断ってしまうほどに冷めきってしまいます。日本政府は各国のバランスを意識してコントロールしたわけではないでしょうが、結果としてこのバランスの変化が日本にとって様々な形で追い風になり、日露戦争を優位な形で進めることになりました。

3つめは、世界を動かすのは、最終的には個人間の関係性であるという点です。本書にはJ.P.モルガン、ヤコブ・シフ、ロスチャイルド一家、イギリス王エドワード7世、ドイツ皇帝ウィルヘルム2世、アメリカ大統領ルーズヴェルトなど様々な歴史的人物が登場しますが、要所において個人間の関係性が物事を動かしている様子が描かれています。例えば日本として資金調達の正当化が難しかった第4回の公債募集において、ヤコブ・シフが娘婿の兄であるマックス・ウォーバーグにドイツの参加可能性について打診したところ、ウォーバーグはハンブルクでヨット・レースを一緒に観戦中だったウィルヘルム2世に直接電報を見せ、「やってやれ」という返答を受けたという記述があります。他にもヤコブ・シフと高橋是清、ルーズヴェルトと金子堅太郎、あるいはウィッテと記者団の関係性が物語を大きく動かした点は、リレーションシップ・マネジメントの重要性を痛感させられるのに十分でしょう。
26人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年5月16日に日本でレビュー済み
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この本からは日露戦争当時の国際金融の情勢がよく分かる。日本は当時、まだ世界の一流国ではなく、ロシアとの戦争もロシア優位と見られていた中で、高橋是清は日銀副総裁として諸外国の投資家向けに資金調達をする役割を担う。高橋の経歴は、米国で「奴隷」を経験するなど普通の金融マンとは違うとは知っていたが、彼のユニークなキャリアも危機の局面では役だったに違いない。高橋は226事件の際に暗殺された蔵相として有名だが、彼は緊縮財政も積極財政もできた。このコロナ危機、ポストコロナ危機のような局面はで柔軟な金融政策が求めらると思うが、高橋のような人物が日銀総裁だったらいいのにと思った。本書では最終章にポーツマス講和条約との絡みで「桂・ハリマン協定」の話が出てきて、南満州鉄道のことなどが書かれている。日米関係の歴史をみていくうえでも興味深い。
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年9月24日に日本でレビュー済み
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日露戦争前、戦争中、戦後の満州統治に至るまで、
イギリス、アメリカ、フランスの証券市場で、
いかに日本国債を売却し、資金調達をするかについて詳細に書かれた本です。

各国のバンカー、政治家と渡り合える明治日本人の姿がとてもかっこよかった。

1世紀前の出来事にも関わらず、現在にも通じる物が多くあり非常に参考となりました。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2018年8月31日に日本でレビュー済み
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日本の歴史の中で最も重要な場面の1つである日露戦争を当時の両国の財政事情から解説している。
当時の日本での世界での立ち位置が日露戦争をきっかけに変わっていく様が大変興味深い。
ヤコブシフと高橋是清の偶然の出会いというのが世の定説だが、そんな単純な話では語りつくせないほど深い歴史がそこにある。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年2月2日に日本でレビュー済み
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・戦争は通常軍隊の動かし方の優劣(戦略・戦術面)の側面から勝敗という結果に結びつける切り口が多いが、本書はファイナンスが切り口
・日露戦争に係るイベントの一つ一つが資本調達市場の評価(スプレッド)にどのように影響を与えたかが示されており、それは読者にリアリティや臨場感を与えてくれると共に、本書を興味深いものとすることに成功している
・今日の所謂外資系金融機関が、この1900年初頭に、本邦の重要な転換点となるイベントへ深く関与していたことに素直に驚かされる

色々、気づかせてくれる、良書である。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年3月23日に日本でレビュー済み
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「日露戦争、資金調達の戦い」は大変興味深く読ませていただいた。これは今までにない視点で書かれた素晴らしい本である。掛け値なしで五つ星の評価だと思う。

著者の板谷敏彦氏は、以前からPorco Rosso Financial Weblog(紅豚金融ブログ+本+酒)という名のブログを匿名で投稿されていた方である。私のお気に入りの宮崎駿アニメ「紅の豚(=疲れて脳細胞が豆腐になった中年男のためのマンガ映画)」を連想させる名であったためにこのブログの世界に迷い込んだのがフォローするきっかけだった。これが非常に面白い。そして2010年の春ごろから、扱われるテーマが金融市場一般のものから高橋是清と深井英五に関するものへ、そして日露戦争をファイナンス面から検証していくものに絞られ、2010年末〜2011年初にかけては、「金融市場と日露戦争 外債募集談の真実」という表題で、同コンテンツが連載された。毎回のブログ更新を心待ちにしながら、いったいこの投稿者はどのような素性の人だろうか、と想像をたくましくしたことが懐かしく思い出される。

この「紅豚金融ブログ」の存在を知人や親戚の者に紹介した際の拙文を紹介すると:『記述の内容から言えることは、 (i) 長年金融(証券)業界の第一線で豊富な経験を積み、国際的な金融取引の実態、商売の機微やツボを押さえている、(ii) マクロ経済や金融について深い知識をもっている、(iii) 大変な読書家で思想的にはリベラルな国際派、(iv) 歴史好きの学者肌の方、というところでしょうか。日露戦争時の高橋是清による外債発行を、これほど詳細にしかも素人にも分かりやすい読み物として紹介した文章は、他に例がないと思われます』というものだった。

今回そのコンテンツが一冊の単行本として新潮選書から世に出されたのは大変喜ばしいことである。そして、謎の人物であった紅豚(ポルコ・ロッソ)氏が板谷敏彦氏であることが判明した。プロフィールを見てなるほど納得。本書は、国際金融市場において様々な利害と力関係がぶつかり合う中でディールを纏めていくことの難しさを身をもって体験した人のみが持ち得る一貫透徹した視点と尺度をもって史実に迫っている。

陸戦や海戦の場合はどちらか一方が全滅でもしない限り、両サイドに証人があって、その勝敗は客観的事実に基づいた歴史として残される。しかし、金融、特に100年前の欧米の起債市場では、一握りの有力なプレーヤー達(シフ、カッセル、レベルストーク、キャメロン、ロスチャイルド、ウォーバーグ等)によって交渉が極秘裡に進められ、ディール成立後もその経緯が公表されることはまずなかった。日露戦争時の外債募集に関しては、高橋是清や深井英五の残した文章で、あらましその経緯は後の人の知るところとなったが、その決定的な欠陥として指摘されているのは、彼らが日本国を代表する立場にあったため、相手側欧米バンカーの内部情報から完全にシャットアウトされていたことである、という点である。従って、日本側の進める交渉に当時いかなる市場ダイナミズムが働いていたのか、その交渉が成功であったのか不成功であったのかを、交渉相手の側(金を貸す側)にも立って、客観的に検証し記述するとことは非常に困難なことであったはずである。舞台となったロンドン、パリ、ニューヨーク、ハンブルクの当時の金融機関も、今やその多くがその後の企業統廃合で存在しない。日本側の横浜正金銀行にしても、今や三菱東京UFJ銀行の名前にその前身の「東京」の名が入るのみとなっている。どれだけの議事録、日記、交換電文や書簡類の原文書がそれぞれの承継会社のアーカイブスに引き継がれているか筆者は知らないが、その調査研究には気の遠くなるような時間がかかることだけは間違いない。

著者の板谷氏はこの本を書くために膨大な内外の資料を、時には一次史料まで遡って渉猟している。巻末の参考文献リストには本格的な学術書が多く含まれている。これらの書物にはそれこそ何十年というそれぞれ優れた研究者の調査研究の成果が詰まっている。しかし残念ながら、一般の読者には、これらアカデミックな書籍は敷居が高く、文章も難解で、まず手に取ろうという気が起こらない。また多くは発行部数が限られるため非常に高価である。例えば、板谷氏が最も参考にしたという藤村欣市郎著「高橋是清と国際金融 上・下」1992年初版は、¥15,000.-、いまや古書として何点か市場に出ているだけである。

その意味で、本書の成し遂げた功績は非常に大きいと言わねばならない。私は特に次の三点を挙げたい。
1) これほどまで内容の濃いしっかりした良書を1700円で売り出したこと
2) 日露戦争時の外債募集が交渉されたコンテクスト(=金融市場の動向と論理)をグラフやチャートを用いて素人にも理解できるよう"見える化"したこと
3) 戦後の長い平和で脳細胞が豆腐になった現代日本人に対するメッセージとして、『金融とは、借りる側の要求に対して貸す側の事情と計算が折り合って始めて実現する』という最も初歩的かつ根本的な真理を伝えたこと

この本が多くの人々に読まれることを心から願うと共に、板谷氏の今後のますますの活躍に期待したい。
77人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年6月3日に日本でレビュー済み
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日露戦争といえば乃木希典の203高地攻略や秋山真之の日本海海戦が真っ先に思い浮かぶが、板谷敏彦『日露戦争、資金調達の戦い』には国際金融市場における日本のもう1つの戦いが描かれている。

「当時の金融取引の中心はロンドン市場にあって」「各国の公債は、その元利支払能力に応じて値付けされ取引されていた。日本海海戦や奉天会戦など日露戦争における個々の戦闘も金融市場で評価され、ロシア公債や日本公債も戦いのたびに国家存亡のリスクに応じて冷徹な価格付けがなされていたのである」。
このもう1つの戦場を舞台に高橋是清や深井英五らによる戦費調達という国家の存亡をかけた戦いが繰り広げられた。

「ロシア公債は講話が成立すると、結局、改選前の水準に戻ってしまったが、日本はその利回りを大きく下げた。日本はこの戦争を通じて、国際金融市場における国家としての地位を大きく飛躍させたのである。クーポン3%が一流国としてのれーとであるならば、日本は国際金融市場において、開戦直後のジャンク債からロシア並みの一・五流国程度には地位が上がった」。

この本を読むと、国債を発行して海外から資金調達ができるということは国力そのものであることを痛感する。現在欧州ではギリシャを始め国際金融市場からの資金調達が不可能になってしまった国がもがき苦しんでいる。一方、先進国中最悪の財政情態と云われる我が国は国際的に見てもかなりの低金利でファイナンスができている(日露戦争時と異なり大半が国内資金によるものではあるが)。今後も多額の国債発行を続けていかなければならず経常収支の赤字化が遠くない将来に想定されることを踏まえると、国力そのものとも云える日本国債への信認を保持していくことは極めて重大な課題である。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート