多少なりとも時代劇が好きだというかたであれば
確実に面白く読めます。
知識の一つとしても、
職人、スタッフさんたちの熱い想いを
うけとめるにしても
お勧めです。
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時代劇は死なず! ―京都太秦の「職人」たち (集英社新書) 新書 – 2008/12/16
春日 太一
(著)
座頭市や必殺を創った“職人"たちの証言!
60年代後半。京都・太秦の撮影所で時代劇映画の製作に携わってきたスタッフは、テレビへと主戦場を移す。数々の名作の製作秘話を関係者たちの証言で綴り、モノづくりの熱さを伝える。
60年代後半。京都・太秦の撮影所で時代劇映画の製作に携わってきたスタッフは、テレビへと主戦場を移す。数々の名作の製作秘話を関係者たちの証言で綴り、モノづくりの熱さを伝える。
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2008/12/16
- ISBN-104087204715
- ISBN-13978-4087204711
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2008/12/16)
- 発売日 : 2008/12/16
- 言語 : 日本語
- 新書 : 256ページ
- ISBN-10 : 4087204715
- ISBN-13 : 978-4087204711
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,456,472位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年6月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
時代劇が好きな人しか読まない本です。いまや2時間サスペンスや事件ものといった現代ドラマで、京都の職人さんたちは何とか食べているようです。そのあたりを続編としてぜひ書いていただきたいと思います。
2009年8月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
時代劇ファンには大変興味深い本でした。著者は若い方なのに、かなり勉強や調査をし、かつ読みやすい文体で著作されてます。論旨も分かり易い。TVの台頭→映画の低迷=時代劇の低迷→TV時代劇の台頭=時代劇の復活。まさにその通りとは思います。大映などは。特に60年代後半から70年代を、過渡期と論じていて、非常に論の展開が美しいだけに、論理に素朴な疑問がでてきます。時代劇の代表ともいえる「水戸黄門」とかNHK大河ドラマには、なぜ、ほとんど触れず、必殺シリーズなどが、時代劇中興の立役者なのか?戦後時代劇史に、水戸黄門や大河ドラマ抜きにして、時代劇復権論は果たして成し得るのか?著者さんは、時代劇について研究されている方だと書いてます。次回の作では是非ともその点に触れた方が、レベルアップして、単刀直入でない浮き沈みを含んだ深みのある論究になると思います。次も期待してます。でも、大変面白い作品でした。だからこそ、こういう指摘が出てくるのでしょうね。
2008年12月29日に日本でレビュー済み
映画やテレビを撮るときに優れたスタッフがいなければ名作はできません。にもかかわらず、スタッフの職人的仕事をきちんと評価する人はなかなか現れませんでした。時代劇においては特に技術スタッフの貢献は大きいと思います。不遇の監督・勝新太郎も含め旧大映のスタッフ、撮影の牧浦地志や森田富士郎、美術の西岡善信、照明の美間博といった黄金のスタッフが、「世界最高峰」のスタッフと評価され、大映倒産後の活躍が紹介されています。春日氏の取材が豊富なことが分かります。いろいろと発見の多い本でした
2012年11月20日に日本でレビュー済み
私が今まで読んできた書籍と、若干かぶるような記述内容(TVシリーズ『座頭市』・勝新太郎さんに関わるもの)もありましたが、大変読みやすくて面白い内容でした。
時代劇映画・映画界の斜陽、スターシステムの崩壊、東映の時代劇から任侠・大奥路線への変更、TV時代劇を手がけるようになった経緯が、本書の第1章に書かれています。
本書で取り上げられていたのは、近衛十四郎さんと品川隆二さんの『素浪人月影兵庫』『素浪人花山大吉』の隠れたエピソード(猫嫌い・蜘蛛嫌い)等をはじめ、『銭型平次』『人斬り』『木枯らし紋次郎』『必殺』シリーズ『柳生一族の陰謀』など。『仮面の忍者赤影』が取り上げられていなかったのが、少し残念。
大映の倒産により、皮肉なことに大映京都撮影所が、自由にモノづくりができることによって取り戻した活気とやりがい、『木枯らし紋次郎』が世界最高のスタッフが結集してつくられたドラマであったこと〜視聴率競争の激化、<紋次郎VS必殺><必殺VS岸部のアルバム(ホームドラマの大ヒット作>の、熾烈な競争が記されている部分が、一番躍動感を感じて興味深く読んだ箇所でした。
最近の時代劇映画やTV時代劇作品が取り上げられていないのは、それだけ魅力にあふれた上質な時代劇映画、TV時代劇作品が少ないということでしょうか。
是非、再び上質な時代劇、魅力あふれる時代劇が製作されることを祈念しますが、かつての映画会社撮影所に勤務した職人気質のスタッフの方々の高齢化や、本格的な時代劇を演じられる俳優の激減を鑑みると、やはり難問なのかもしれません。タイトルは、著者の切なる願いがこめられているように感じました。
本書内には、懐かしい作品の写真(モノクロ)が掲載されています。
巻末には参考文献掲載あり。
時代劇映画・映画界の斜陽、スターシステムの崩壊、東映の時代劇から任侠・大奥路線への変更、TV時代劇を手がけるようになった経緯が、本書の第1章に書かれています。
本書で取り上げられていたのは、近衛十四郎さんと品川隆二さんの『素浪人月影兵庫』『素浪人花山大吉』の隠れたエピソード(猫嫌い・蜘蛛嫌い)等をはじめ、『銭型平次』『人斬り』『木枯らし紋次郎』『必殺』シリーズ『柳生一族の陰謀』など。『仮面の忍者赤影』が取り上げられていなかったのが、少し残念。
大映の倒産により、皮肉なことに大映京都撮影所が、自由にモノづくりができることによって取り戻した活気とやりがい、『木枯らし紋次郎』が世界最高のスタッフが結集してつくられたドラマであったこと〜視聴率競争の激化、<紋次郎VS必殺><必殺VS岸部のアルバム(ホームドラマの大ヒット作>の、熾烈な競争が記されている部分が、一番躍動感を感じて興味深く読んだ箇所でした。
最近の時代劇映画やTV時代劇作品が取り上げられていないのは、それだけ魅力にあふれた上質な時代劇映画、TV時代劇作品が少ないということでしょうか。
是非、再び上質な時代劇、魅力あふれる時代劇が製作されることを祈念しますが、かつての映画会社撮影所に勤務した職人気質のスタッフの方々の高齢化や、本格的な時代劇を演じられる俳優の激減を鑑みると、やはり難問なのかもしれません。タイトルは、著者の切なる願いがこめられているように感じました。
本書内には、懐かしい作品の写真(モノクロ)が掲載されています。
巻末には参考文献掲載あり。
2011年9月27日に日本でレビュー済み
東映、大映、松竹の現在に至る歴史が分かり、心を打たれました。職人気質のスタッフがつくった数々の作品は、後世に伝えていきたいです。現在、連続TV時代劇が、少なく、とても寂しいです。カメラマンの森田さんが、おっしゃっているとおり、人材の欠乏が心配です。次世代のスタッフが育って欲しいです。
2010年2月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ネットラジオ「談話室オヤカタ」に出演されたのをきっかけに本書を知りました。春日先生は時代劇の研究で博士号をとった本当の時代劇博士。本書執筆の折、取材は客観的に取材を心がけていたそうです。以前から必殺シリーズの推移に興味があり、関連する書籍を何冊か読んではいましたが本書は1960年代後半より斜陽となった映画産業の起こりから絶頂期についても触れられていますが、それ以降のテレビ台頭期より斜陽していく映画産業の中で時代劇に携わっていたスタッフがいかに平成の世まで、その明りを守り育んできたのかを伝えています。
春日先生は本当にまだお若いのですが、彼がなぜ時代劇に興味を魅かれたのか?これは私も同じですが70年代の80年代の傑作時代劇を再放送してくれたテレビ東京お昼の「時代劇アワー」での数々の作品との出会い
があったそうです。基本的に時代劇は勧善懲悪が人気となります。ですが、なぜか時に情念の塊や愛憎、悲哀、胸のかきむしられるやるせない気持ちを「これでもか」と描く作品に巡り合うのです。
そこでエンディングに見るスタッフの名前に関心が動いたのがきっかけだったそうです。正味45分のテレビ映画の中になぜこれほど引きこまれるのか?春日先生はフジテレビの能村庸一氏と知己を得たのをきっかけに旧大映の流れをくむ制作「映像京都」のスタッフと連日の取材を慣行。多くの当時を知るスタッフの声を集め、大映の時代劇に取り組む職人たちの活動と苦悩を聴きとっています。大映では勝新太郎の座頭市への取り組みの凄まじさと、没頭していくが故の周囲との軋轢など。(勝新太郎については2010年単行本を上梓)
東映は家族そろっての東映から、スターシステムに陰りが出てから以降の、生き残りをかけた任侠路線、猥雑な大奥などの路線、そしてテレビプロの活躍、人員整理することなく生き残りを図った太秦映画村の誕生にまつわる話。特に東映の岡田氏の徹底した制作管理は今の東映の作品にも通ずるところを感じます。撮影所の稼働率も映画会社にはあたり前ですが関わる人員をいかに動かしながらきたのかに感心しました。
そして松竹京都映画。本編のベテランが去り若者と年寄りの残った撮影所で70年代、フル稼働で大映の三隅監督や東映の深作監督、工藤監督ら本編の監督との演出を通じての交流。狭い撮影所の所帯を逆手にとった陰影の深い影を生かした照明や、スタジオ内で撮る方が早いというスケジュールを逆手にとった技術の蓄積
や、何より70年代若者のエネルギーが、必殺の作品の中にほとばしることを私も本書を読みながら、唸ってしまった。そして必殺終了以降のフジテレビ鬼平犯科帳の誕生や、他の作品、評価を得た深作監督の劇場作品のことも漏らさず取材している。
春日氏によれば本書は膨大な取材による成果をまとめた名刺的な著書ということだ。折に触れ、時代劇、テレビ時代劇に携わってきた職人たちの様子を著書として発表していくそうです。春日先生出演のネットラジオは談話室オヤカタのアーカイブで1時間にわたり今でも聞くことできます。そして2010年、先ぶれしましたが天才・異才と唄われた 天才 勝新太郎 (文春新書) が発売されました。こちらもぜひお確かめ下さい。
追記 藤沢周平作品の映像化について春日先生の記事が収録された雑誌を見つけました。興味のある方はこちらをご覧ください。
オール讀物 2010年 07月号 [雑誌 ]
春日先生は本当にまだお若いのですが、彼がなぜ時代劇に興味を魅かれたのか?これは私も同じですが70年代の80年代の傑作時代劇を再放送してくれたテレビ東京お昼の「時代劇アワー」での数々の作品との出会い
があったそうです。基本的に時代劇は勧善懲悪が人気となります。ですが、なぜか時に情念の塊や愛憎、悲哀、胸のかきむしられるやるせない気持ちを「これでもか」と描く作品に巡り合うのです。
そこでエンディングに見るスタッフの名前に関心が動いたのがきっかけだったそうです。正味45分のテレビ映画の中になぜこれほど引きこまれるのか?春日先生はフジテレビの能村庸一氏と知己を得たのをきっかけに旧大映の流れをくむ制作「映像京都」のスタッフと連日の取材を慣行。多くの当時を知るスタッフの声を集め、大映の時代劇に取り組む職人たちの活動と苦悩を聴きとっています。大映では勝新太郎の座頭市への取り組みの凄まじさと、没頭していくが故の周囲との軋轢など。(勝新太郎については2010年単行本を上梓)
東映は家族そろっての東映から、スターシステムに陰りが出てから以降の、生き残りをかけた任侠路線、猥雑な大奥などの路線、そしてテレビプロの活躍、人員整理することなく生き残りを図った太秦映画村の誕生にまつわる話。特に東映の岡田氏の徹底した制作管理は今の東映の作品にも通ずるところを感じます。撮影所の稼働率も映画会社にはあたり前ですが関わる人員をいかに動かしながらきたのかに感心しました。
そして松竹京都映画。本編のベテランが去り若者と年寄りの残った撮影所で70年代、フル稼働で大映の三隅監督や東映の深作監督、工藤監督ら本編の監督との演出を通じての交流。狭い撮影所の所帯を逆手にとった陰影の深い影を生かした照明や、スタジオ内で撮る方が早いというスケジュールを逆手にとった技術の蓄積
や、何より70年代若者のエネルギーが、必殺の作品の中にほとばしることを私も本書を読みながら、唸ってしまった。そして必殺終了以降のフジテレビ鬼平犯科帳の誕生や、他の作品、評価を得た深作監督の劇場作品のことも漏らさず取材している。
春日氏によれば本書は膨大な取材による成果をまとめた名刺的な著書ということだ。折に触れ、時代劇、テレビ時代劇に携わってきた職人たちの様子を著書として発表していくそうです。春日先生出演のネットラジオは談話室オヤカタのアーカイブで1時間にわたり今でも聞くことできます。そして2010年、先ぶれしましたが天才・異才と唄われた 天才 勝新太郎 (文春新書) が発売されました。こちらもぜひお確かめ下さい。
追記 藤沢周平作品の映像化について春日先生の記事が収録された雑誌を見つけました。興味のある方はこちらをご覧ください。
オール讀物 2010年 07月号 [雑誌 ]