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自然魔術 (講談社学術文庫) 文庫 – 2017/5/12

3.8 5つ星のうち3.8 17個の評価

イタリア・ルネサンス後期に活躍した自然探求者・技術者の著作。古代ローマの学者プリニウスの『博物誌』と並び称される。動植物の生成、磁石、女性美、蒸留、芳香、火薬、料理、狩猟、光学など、見聞と著者自身による実験観察をもとにした知識の万華鏡。黒魔術と言われる錬金術についても否定的に言及している。本書は博物誌としての歴史的意義とルネサンスから近代への思想的転換期を現している書物の抄訳。


デッラ・ポルタは16世紀から17世紀、イタリア・ルネサンス後期に活躍した自然探求者・技術者である。自然魔術師とも呼ばれる。その著書『自然魔術』は、古代ローマの学者プリニウスの『博物誌』と並び称される、自然に関する知識と観察・実験の成果をまとあげた書物である。
内容は、当時の自然観が率直に語られる一方で、動植物の生成、磁石、医術、女性美、蒸留、芳香、火薬、料理、狩猟、光学(レンズ研究)などについて、見聞と著者自身による実験観察をもとに詳細に語られている。いわば自然に関する知識の万華鏡とも言える。
デッラ・ポルタの近代科学への貢献は大きいと言われるが、その反面、黒魔術と呼ばれる錬金術についても言及されており、その技術は改良されることによって明るい見通しがつくとしている。ただし、錬金術師たちが吹聴しているようには「金」も「賢者の石」も「不老不死の妙薬」も作り出すことは不可能と断言している。
本書は博物誌としての歴史的意義とルネサンスから近代への思想的転換期を現している書物の抄訳。
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商品の説明

著者について

ジャンバッティスタ.デッラ・ポルタ
1538年頃生まれ、1615年没。イタリア・ルネサンス後期の自然魔術師。

澤井 繁男
1954年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。イタリア・ルネサンス文学・文化専攻。東京外国語大学論文博士。現在、関西大学文学部教授。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2017/5/12)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2017/5/12
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 288ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4062924315
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4062924313
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.8 x 1.2 x 14.8 cm
  • カスタマーレビュー:
    3.8 5つ星のうち3.8 17個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中3.8つ
5つのうち3.8つ
17グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2017年6月28日に日本でレビュー済み
16世紀のイタリアを生きたデッラ・ポルタ先生が残した『自然魔術』。全20巻から抜粋での翻訳です。

この本に書かれている内容は、『魔術』という言葉から連想するものとは大きく異なっています。なにしろルネッサンス後期ですので、自然に対する科学的な理解がずいぶんと進んでいます。古代や中世とは違う知性や想像力で書かれており、その視点は現代に通じるものもたくさんあります。なので、読み物として読むと「え、そうなの?」と感じるところも多いです。「16世紀の人はこんなことに興味を持って、こんなふうに理解していたんだなあ」と、その自然観を読み解くべき本かと思います。

扱われているジャンルはとても幅広いです。
・金属、磁石、火薬、蒸留といった科学的なこと。
・動物や植物はどのように生じるか。
・女性の顔を美しくする方法、家財の増やし方、男女の産み分けといった生活の知恵。

「処女を失った女性が再び処女を得る方法」なんてのもあります。怪しげな丸薬を膣に入れて小胞を作り、小胞をつぶして出血させるという驚きの方法。

3割が「科学」、7割が「おまじない&怪しい薬の作り方」といった感じです。

ファンタジー小説を創作するワナビーの人にも役立つと思います。「牛肉を軟らかくする方法」とか「火薬の作り方」とかをうまく作品世界に持ちこめば、リアリティが増すでしょう。
20人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2017年8月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ジャンバッティスタ・デッラ・ポルタの『自然魔術』全20巻(1589年)の抄訳である(原著はラテン語。底本として用いられているのは、17世紀半ばに刊行されたイタリア語訳と英訳。本書は1990年に青土社から単行本として出たもの)。「魔術とは何か」に始まり、動植物や金属に関する博物学的な知識、さらに化粧法、料理、火薬やレンズなどの性質が説明されている。錬金術や宝石の偽造、また17世紀の画家たちがしばしば用いた暗箱(カメラ・オブスクラ)についての言及もある。科学的な記述はかなり難解だが、「美しい子どもを産むためには、寝室にクピドやガニメデスなどの(美しい)像を置くと良い」だの、「松かさの汁で顔の皺がとれる」だの、「老いた雄牛は、猟犬に襲わせれば、肉が柔らかくなって食べやすい」だの、数々のトンデモ知識が、読者の興味を引きつける。この時代に至っても、ディオスコリデスやプリニウスなど、古代ギリシア・ローマの著作家の書が多く参照されている一方で、同じ16世紀の有名な数学者ジェロラモ・カルダーノの説は手厳しく批判されているのが、作者の人となりを示しているようで面白い。

この抄訳は、全体を三分の一に縮約したものだが、どこが省略されているか、そこでは何が論じられていたのかがわからず、人名や地名にきちんとした註がない(「トロイア」には〔 〕で説明がなされているのに、「ポエオニア」にはないなど、補足の基準も曖昧)。随所に入れられた挿絵も、どの版につけられたものかが明記されておらず、文庫化にあたり、これらさまざまな不足している点を改めるべきであったと思う。
21人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2024年1月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
困難な本!
2018年4月9日に日本でレビュー済み
16世紀に書かれた不思議な本。
魔術や錬金術などについて書かれた部分もあるが、料理や化粧といった、現代にも使えそうな身近な話題も取り上げられている。
原著は20巻にも及ぶが、それがコンパクトに1冊にまとめられている。
とにかくポルタのあらゆる事柄への関心の高さに圧倒させられる。
中世からルネサンスにかけて、人々の意識が変わっていく過渡期を象徴する貴重な作品。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2017年5月16日に日本でレビュー済み
ファンタジー世界で魔術を語るうえで
これは持っていた方がよさそうです。
通読ははっきり言って相当に難しいですが
どう自然を前に白魔術を考えていたかが
よくわかります。事典として持つべき1冊。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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