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室町人の精神 (日本の歴史) 単行本 – 2001/10/5
桜井 英治
(著)
ダブルポイント 詳細
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崩れゆく秩序、中世の黄昏
恨みを忘れず、報復の機会を虎視眈々と狙う人々、くじ引きによる後継者選び、コネと賄賂がはびこる訴訟。公武にわたる権力争いから、家同士の確執・不義密通・自殺未遂・祟りと癒しまで、一見愚行とみえる行いは、いかに歴史を書きかえたのか。財政・相続・贈与・儀礼のしくみを解明しつつ三代将軍足利義満の治世から応仁・文明の乱後までを描く。
恨みを忘れず、報復の機会を虎視眈々と狙う人々、くじ引きによる後継者選び、コネと賄賂がはびこる訴訟。公武にわたる権力争いから、家同士の確執・不義密通・自殺未遂・祟りと癒しまで、一見愚行とみえる行いは、いかに歴史を書きかえたのか。財政・相続・贈与・儀礼のしくみを解明しつつ三代将軍足利義満の治世から応仁・文明の乱後までを描く。
- 本の長さ408ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2001/10/5
- ISBN-10406268912X
- ISBN-13978-4062689120
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商品の説明
著者について
桜井英治(さくらいえいじ)
1961年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科国史学専攻博士課程単位取得退学。文学博士。現在、北海道大学大学院文学研究科助教授。専門は日本中世史・流通経済史。主な著書に『日本中世の経済構造』(岩波書店)。主な論文に「折紙銭と十五世紀の贈与経済」(勝俣鎮夫編『中世人の生活世界』山川出版社)、「日本中世の貨幣と信用について」(『歴史学研究』703号)、「日本中世の贈与について」(『思想』887号)などがある。本シリーズの編集委員の1人を務める。
1961年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科国史学専攻博士課程単位取得退学。文学博士。現在、北海道大学大学院文学研究科助教授。専門は日本中世史・流通経済史。主な著書に『日本中世の経済構造』(岩波書店)。主な論文に「折紙銭と十五世紀の贈与経済」(勝俣鎮夫編『中世人の生活世界』山川出版社)、「日本中世の貨幣と信用について」(『歴史学研究』703号)、「日本中世の贈与について」(『思想』887号)などがある。本シリーズの編集委員の1人を務める。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2001/10/5)
- 発売日 : 2001/10/5
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 408ページ
- ISBN-10 : 406268912X
- ISBN-13 : 978-4062689120
- Amazon 売れ筋ランキング: - 557,645位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年10月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
政治の裏までわかっておもしろかった
2020年6月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
室町時代研究が近年急速に進展しているが、本書はその潮流のもととなった研究として高く評価したい。
今谷明の義満皇位簒奪説の批判や、応仁の乱に関する見解など、注目すべき見解をいくつも出しており読み応え十分。
この時代を研究する人なら真っ先に手に取ってもらいたい文献の一つ。
今谷明の義満皇位簒奪説の批判や、応仁の乱に関する見解など、注目すべき見解をいくつも出しており読み応え十分。
この時代を研究する人なら真っ先に手に取ってもらいたい文献の一つ。
2013年6月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何度読んでも発見があり、読み応えがある。お勧めです。全巻買いました。
2017年7月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
呉座勇一氏の「応仁の乱」を読んで以来、室町時代の本を読み漁るようになりました。
その中でもこの本はダントツに面白かったのでレビューを書きました。
本書は足利義満時代から応仁の乱までを扱っています。
題名にあるように、室町時代の人たちがどのような考え方をもっていたのか、
どんな人間関係を築いていたのかを、当時の社会制度や社会通念を交え解説してくれています。
社会情勢や登場人物について、逐次解説を挟んでくれているので非常に読みやすかったです。
義満、義持、義教。時代が下るにつれ変わっていく幕府内部の権力構造。
現将軍が抱く前将軍への思いとそれによって行われる実際の政策。
将軍専制権力を抑止するための守護大名による幕府権力構造の仕組み。
将軍による有力守護大名の切り崩し・対抗策。
戦争を知る世代と知らない世代、時代の変遷による政策変化。
徳政一揆・土倉・酒屋と幕府の関係性変化と、幕府のしたたかな財政再建政策。
など、読むたびに今まで知らなかった内容(もっと掘り下げた内容・別の側面)が飛び出してきました。
できるだけ資料から公正に評価しようとしつつも、単純に歴史的事実を列挙するのではなく、なぜそのような政策・事変がおきたのか、それを引きおこした登場人物たちの心理にも言及しています。歴史を動かす要因にはもちろん利害関係もありますが、感情にも焦点を当てている点でかなり生々しいです。
時代が変われば社会制度や文化だけでなく、人々の社会通念も大きく変わります。現代人の自分にとっては、同じ日本人でも室町人は全く考えの通じない別世界の住人というイメージでしたが、これだけ深く歴史を掘り下げてくれたので室町人が生き生きとイメージできました。
それにしても室町時代は登場人物が個性的でドラマチックですね。常にぎりぎりの綱渡りをしているような感覚。こんな面白い時代があるとは。
その中でもこの本はダントツに面白かったのでレビューを書きました。
本書は足利義満時代から応仁の乱までを扱っています。
題名にあるように、室町時代の人たちがどのような考え方をもっていたのか、
どんな人間関係を築いていたのかを、当時の社会制度や社会通念を交え解説してくれています。
社会情勢や登場人物について、逐次解説を挟んでくれているので非常に読みやすかったです。
義満、義持、義教。時代が下るにつれ変わっていく幕府内部の権力構造。
現将軍が抱く前将軍への思いとそれによって行われる実際の政策。
将軍専制権力を抑止するための守護大名による幕府権力構造の仕組み。
将軍による有力守護大名の切り崩し・対抗策。
戦争を知る世代と知らない世代、時代の変遷による政策変化。
徳政一揆・土倉・酒屋と幕府の関係性変化と、幕府のしたたかな財政再建政策。
など、読むたびに今まで知らなかった内容(もっと掘り下げた内容・別の側面)が飛び出してきました。
できるだけ資料から公正に評価しようとしつつも、単純に歴史的事実を列挙するのではなく、なぜそのような政策・事変がおきたのか、それを引きおこした登場人物たちの心理にも言及しています。歴史を動かす要因にはもちろん利害関係もありますが、感情にも焦点を当てている点でかなり生々しいです。
時代が変われば社会制度や文化だけでなく、人々の社会通念も大きく変わります。現代人の自分にとっては、同じ日本人でも室町人は全く考えの通じない別世界の住人というイメージでしたが、これだけ深く歴史を掘り下げてくれたので室町人が生き生きとイメージできました。
それにしても室町時代は登場人物が個性的でドラマチックですね。常にぎりぎりの綱渡りをしているような感覚。こんな面白い時代があるとは。
2018年7月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
的な意味で星3です。
歴史に限らないかもしれませんが、詳しいことが書いてある本で全貌をつかもうと思っても、微に入り細に入りを追いかけているうちに枝葉末節にとらわれて大きな流れが却ってわからなくなる、ということをひとまずは感じます。何度も読み返したり、ほかの本を併せて読む必要がありそうです。
歴史に限らないかもしれませんが、詳しいことが書いてある本で全貌をつかもうと思っても、微に入り細に入りを追いかけているうちに枝葉末節にとらわれて大きな流れが却ってわからなくなる、ということをひとまずは感じます。何度も読み返したり、ほかの本を併せて読む必要がありそうです。
2017年2月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
強大な軍事力を持たない室町幕府。
義満、義持、義教期の安定は将軍のバランス感覚のたまもの。
徳政一揆で幕府の商業基盤財政に打撃。
義政期の応仁・文明の乱で家格秩序や守護在京原則が崩壊。
在地守護代が実権握りいよいよ戦国へ。
義満、義持、義教期の安定は将軍のバランス感覚のたまもの。
徳政一揆で幕府の商業基盤財政に打撃。
義政期の応仁・文明の乱で家格秩序や守護在京原則が崩壊。
在地守護代が実権握りいよいよ戦国へ。
2016年6月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
室町時代の印象が、かなり豊かになりました。特に、支配階級の人々の暮らしを分析する切り口で。
室町人も、今の私たちと何も変わらない感じの印象が生まれ、何か親近感を持ちつつも、反省してしまいました。
室町人も、今の私たちと何も変わらない感じの印象が生まれ、何か親近感を持ちつつも、反省してしまいました。
2021年10月21日に日本でレビュー済み
本書は、足利義満の頃から応仁の乱後までを描いた通史『日本の歴史』シリーズの一冊である。
乱が多く、また同族での仲違いや争いも多いため把握しづらい時代ではあるため、本書も(通史の定めで)人名の海となってしまう面は回避しきれていないが、しかし全体の見取り図の提示や興味深いエピソード、視点の提供などには成功していると思う。
本書の一つのキーワードは「神」である。当時は天皇を神の軸として、地上での戦いと並行して神々の戦いが起きていたという見方がなされていたという。また、神慮をとかく重視した足利義持、その結果籤によって選ばれ、自らも籤を頻繁に利用した足利義教などがいる。
足利義教はまさに籤で選ばれたがゆえに、当初は積極的に政治に介入し(それが空回って最後は専制に至る)、また外聞をつとに気にしたという(しかしそれは後には、外聞自体を否定する箝口令の頻発につながる)。
もう一つのキーワードとしては、特に畠山満家が何度も口にしたという「無為(ぶい)」がある。これは穏便な措置とも言うべきもので、外聞を気にして厳格な処置を取りたがる義教とよく対立した。
関東公方との対立関係が幕府の結束と成熟を促した点(それが失われた後分裂へと進む)、将軍権力は強くなく有力守護の結束が必要だった点など、要所の見取り図はきちんと与えてくれている。
経済、文化面は、制度の話はやや難しめだが、徳政の位置づけ(村の年貢未納が負債となっている面もあった)やその利用(徳政で取り戻した人に何分の1かを納税させて政府の懐に入れるという儲け方まで考えられた)などは筆者の専門にも近く興味深い話である。
文化面でも、義教の趣味がために和歌と蹴鞠が優遇される一方で琵琶法師や闘鶏(後花園天皇は好きだった)が抑制される一方で義教死後に再び闘鶏ブームが起きたりする話や、中国では当時軽視されていた牧谿の水墨画の発見、雪舟が冷遇されたがゆえに自由に絵をかけ、小栗宗湛は義政に好まれたがゆえに自由に絵がかけなくなってしまったという対比など、なかなか面白い。
こうした流れの中にも、幕府が唐物を独占していた状況が財政難で困難となるという背景がある。
易しい本ではないし、整理しきれていない面もあるが、有意義な指摘も多い一冊である。
天皇ー将軍関係は本書を読む直前に 北朝の天皇-「室町幕府に翻弄された皇統」の実像 を読んでいたのでスムーズに読めた。こちらの方が割とわかりやすい記述で書かれていると思うので、本書でスッキリわからなかった人は上記石原書を読んでみるといいかもしれない。
乱が多く、また同族での仲違いや争いも多いため把握しづらい時代ではあるため、本書も(通史の定めで)人名の海となってしまう面は回避しきれていないが、しかし全体の見取り図の提示や興味深いエピソード、視点の提供などには成功していると思う。
本書の一つのキーワードは「神」である。当時は天皇を神の軸として、地上での戦いと並行して神々の戦いが起きていたという見方がなされていたという。また、神慮をとかく重視した足利義持、その結果籤によって選ばれ、自らも籤を頻繁に利用した足利義教などがいる。
足利義教はまさに籤で選ばれたがゆえに、当初は積極的に政治に介入し(それが空回って最後は専制に至る)、また外聞をつとに気にしたという(しかしそれは後には、外聞自体を否定する箝口令の頻発につながる)。
もう一つのキーワードとしては、特に畠山満家が何度も口にしたという「無為(ぶい)」がある。これは穏便な措置とも言うべきもので、外聞を気にして厳格な処置を取りたがる義教とよく対立した。
関東公方との対立関係が幕府の結束と成熟を促した点(それが失われた後分裂へと進む)、将軍権力は強くなく有力守護の結束が必要だった点など、要所の見取り図はきちんと与えてくれている。
経済、文化面は、制度の話はやや難しめだが、徳政の位置づけ(村の年貢未納が負債となっている面もあった)やその利用(徳政で取り戻した人に何分の1かを納税させて政府の懐に入れるという儲け方まで考えられた)などは筆者の専門にも近く興味深い話である。
文化面でも、義教の趣味がために和歌と蹴鞠が優遇される一方で琵琶法師や闘鶏(後花園天皇は好きだった)が抑制される一方で義教死後に再び闘鶏ブームが起きたりする話や、中国では当時軽視されていた牧谿の水墨画の発見、雪舟が冷遇されたがゆえに自由に絵をかけ、小栗宗湛は義政に好まれたがゆえに自由に絵がかけなくなってしまったという対比など、なかなか面白い。
こうした流れの中にも、幕府が唐物を独占していた状況が財政難で困難となるという背景がある。
易しい本ではないし、整理しきれていない面もあるが、有意義な指摘も多い一冊である。
天皇ー将軍関係は本書を読む直前に 北朝の天皇-「室町幕府に翻弄された皇統」の実像 を読んでいたのでスムーズに読めた。こちらの方が割とわかりやすい記述で書かれていると思うので、本書でスッキリわからなかった人は上記石原書を読んでみるといいかもしれない。