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中国の大盗賊・完全版 (講談社現代新書) 新書 – 2004/10/19

4.4 5つ星のうち4.4 183個の評価

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秘かに待望されてきた幻の完全版ついに刊行。名著のほまれ高い『中国の大盗賊』で割愛されていた150枚を完全収録。陳勝や高祖から毛沢東まで、縦横無尽に活躍する「盗賊」の姿を活写する中国史の決定版! (講談社現代新書)


秘かに待望されてきた幻の完全版ついに刊行名著のほまれ高い『中国の大盗賊』で割愛されていた150枚を完全収録。陳勝や高祖から毛沢東まで、縦横無尽に活躍する「盗賊」の姿を活写する中国史の決定版!
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2004/10/19)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2004/10/19
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 336ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4061497464
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4061497467
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.6 x 1.5 x 17.4 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.4 5つ星のうち4.4 183個の評価

著者について

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高島 俊男
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上位レビュー、対象国: 日本

2017年2月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本にも出てくる言葉ですが、
中国には「農民起義」という言葉があります。
いや、本当は「民」という漢字以外は中国語では別の字にしか見えないのですが、
日本の漢字に当てはめるとこうなります(とくに「義」は、
中国語では「必」から左右の「、」を外した漢字にしか見えず、最初は理解できんかった)。

自分のレビューの中国史関連のものは、
すべて友人・同僚である中国人たち、
U(90后< ジョウリンホゥ >の25歳、女性)と、
S(80后< バーリンホゥ >の33歳、男性)が、
実際にその本を読んで手伝ってくれています。

彼女たちの話では、この「農民起義」という言葉は、
< 中国の歴史は、常に農民が決起して立ち上がるところから始まる >というほどの意味だそうです。
ところが、この「農民起義」、外からよく見てみると
< えっ、じゃあ農民が決起しなきゃならないくらいに、各王朝末期はヒドイってことですか >になってしまいます。




著者の高島俊男氏の書く文章は、
憲政史家のクララ先生の文章に負けないくらいにユーモアたっぷりの文章なのですが、
おそらく日本でぶっちぎりの1位になるくらいに皮肉の効き過ぎる文章を書く人でもあるので、
これを中国人が読んだらどうなるかと思いましたが、
この本の中に登場する6人の大盗賊=英雄豪傑を選んだ高島氏のセンスが良かったらしく、
とくに一部については絶賛したほどです(また、高島氏の中国語読みの日本語発音表記は、
岩波の本と違って、ちゃんと合っているのも良い)。



以下、
序章(これだけで47ページもある!全部で新書のくせに327ページもある)以降の
各章の感想を少しづつ。
それと、例によって例のごとくUとSによる自国の英雄豪傑の感想も付けておく。
あと、これも例によって例のごとく、以降の中国語読みの日本語発音表記も、すべてUとSによる。




         第1章 陳勝(チェンシュン)と劉邦(リュウバァン)

陳勝、字は渉(シュウ)。
陳勝といえば、「 燕雀焉知鴻鵠之志哉(えんじゃく安んぞこうこくの志を知らんや) 」が有名ですが、
高島氏によると、
「 こういうのが『小説』なのである。
人間えらくなると、若いころのエピソードがあとからこしらえられるのであって、
豊臣秀吉がえらくなると
日吉丸のころに矢作(やはぎ)の橋で蜂須賀小六を叱咤した話ができるみたいなものである。
『 燕雀いづくんぞ鴻鵠の志を 』なんて日雇い百姓のセリフじゃない 」
と、ばっさり。
劉邦だって、「名無しのゴンベエ」とぶった斬りです。



と言っても、バカにしているのではなく、
「 昔の人たちにとっては、
その肉づけも含めたものが『歴史』なのであって、
『左伝(ゾゥワヅァン)』や『史記(スゥジィ)』がおもしろいのはそのゆえである。
そういう意味で『史記』のなかでとびきりおもしろいのは、
伍子胥(ごししょ=ウーズゥシュ)の復讐譚と
荊軻(けいか=チィンクゥー)の秦始皇(チィインシィーホヮン)暗殺譚だろうが、
おもしろいだけに、9割以上は作り話にちがいないと思われる 」  と、マジメに解説。

U < (劉邦について) やっぱり天下を取ったからエライです。
一方、ライバルの項羽(シァンユゥ)は、純粋すぎました。
だから、味方には一兵卒にも優しくて、略奪も許す。そして、敵ならどんな人民でも殺す。
しかも、最後に自殺したのがいけません。
たとえ逃げてでも、志は遂げなければいけません >




         第2章 朱元璋(しゅげんしょう=ズゥユゥエンザン)

「 中国歴史上の二大盗賊皇帝、
といえば漢(ハン)の高祖(ゴォズゥウ)劉邦と
明(ミン)の太祖(タァイズゥウ)朱元璋である。
どちらも百姓の子で、盗賊の頭目を経て皇帝となった。
しかもその打ち立てた王朝は数百年もつづいている。

もっとも、
漢の高祖はかなりの年になってから子分たちにかつぎあげられたのであったが、
明の太祖はそうではない。
25歳の時に『 よし、おれは盗賊で身を立てよう 』と決意して、
たった一人、郭子興(かくしこう=グゥワズゥシィン)という大親分に身を投じたのである 」



・・・のちに大明帝国を開闢する朱元璋のお話。
朱元璋のライバルである張士誠(ザンスゥチャン)は、

「 その経済力・軍事力からいえば多分最も天下を取る可能性の大きかった男で (中略) 」、
「 知識人のあつかいも太祖とはちがう。
太祖は自分の身辺に呼びよせて爵位を与え、戦略、財政、治民などにあたらせた。
張士誠は、これまでどおり自由に学問や文学をやらせておき、
それと交際して楽しむという風である。
軍隊に対するあつかいもおだやかで、
(中略) よく言えば温厚で寛容な、悪く言えばズボラで軟弱な首領であった 」。



そんな張士誠が破れ、朱元璋がどうして頂点を極めることができたのか。
このあたり、先の項羽と劉邦などでも同じですが、
中国の英雄たちの光と闇を見た思いがします。

S < (朱元璋について) あっ、この人はスゴイよ!今の中国でも人気のある人 >

ちなみに、朱元璋の話になると必ずと言っていいほど出てくる、
朱元璋の後を継いだ允炆(いんぶん=ュウエンワン)こと建文帝(けんぶんてい=ジャンウェンディ)ですが、
この「 建文帝はどこへ逃げた? 」については、
中国でも< わからない >が定説だそうです。




         第3章 李自成(りじせい=リィーズゥーチャン)

「 もし中国で、古今の盗賊の人気投票をやったら、トップは李自成であるにちがいない。
それはもう、2位以下に大差のダントツであろうと思われる。
李自成はなぜそんなに人気があるのか。

強くて、しかも負けたからである。
強くて勝ったやつというのは立派ではあるけれど、そうおもしろくはない。
弱くて負けるのは、これはあたりまえである。
強いのに負けたやつ、あるいは勝てなかったやつ、これは人気が出る。
中国の諸葛亮(ズゥーグゥーリャン)・関羽(グワンユゥ)・張飛(ザンフェイ)、
我が国でも源義経とか上杉謙信とか真田幸村とかいろいろいる。

李自成は、
一介の駅卒から身をおこして大盗賊団の首領となり、
ついに明王朝を倒して帝位につき、ところがわずか40日の天下で
にっくき満洲(マンジョウ)族の清(チン)に北京から追い出されて、
敗走また敗走、最後は百姓に突き殺されて
40年の波瀾の生涯を終えた、という悲劇の英雄である。

しかも------
李自成が清に負けたというのは、単に李自成個人が負けたというにとどまらない。
中国人が夷狄(いてき=イーディー)に負け、
以後二百数十年、屈辱の異民族支配に甘んずることになった、ということなのだ。
李自成は、いわば中国人を代表して負けたのである。
人気第一もむべなるかな、と言うべきであろう 」



「 20世紀になって、第一次李自成ブームをおこした 」、郭沫若(かくまつじゃく=グゥワモールゥア)による
「 史実と小説とがゴチャまぜ 」な部分を取り除いて解説してくれます。

「 盗賊が人気を取るのは比較的楽である。
モトデがかからない。
悪いことさえしなければ『 盗賊だのに金も女も取らない 』と人気があがる。
共産党の軍隊が『 人民の物は針一本取らない 』と、
たいへん立派な高潔な軍隊みたいに言ったり感心したりする人が日本にもあるが、
考えてみれば他人の物を強奪しないというのは
別段そう高潔というほどのことではない。
堅気の世界ではあたりまえのことである。
それがものすごく立派なことのように言ってもらえるのだから盗賊はトクである 」  ・・・爆笑ですね。

S < (李自成について) この人もスゴイよ。中国では超人気者 >




         第4章 洪秀全(こうしゅうぜん=ホォウシュウチュエン)

「 洪秀全という男は、19世紀のなかば、
清の喊豊(かんぽう=シィエンフォン。本では、「喊」の左の「口」がない)年間に、
南京を中心に『 太平天国(タァーピンテェングォー) 』というけったいな国を作った盗賊の頭目である。
しかしどうも、この洪秀全というのは、おもしろみのない男だ。

これまで述べてきた盗賊たちは、
漢の高祖にせよ明の太祖にせよ大順(ダァースン)皇帝李自成にせよ、
それぞれに魅力があった。
悪党は悪党なりに、何かこう、『 英雄の気概 』とでもいうようなものがあった。
洪秀全のばあいは、もう一つそれが感じられない。
いたってつまらぬ男である。

その洪秀全がこしらえた太平天国というのが、これまたイヤな国である。
幼稚で狭量な理想家が、
頭だけで考えたことを現実化しようとした一種の共産主義社会なのだが、
それが全面的には現実化できなくて、暴力で強制できる部分だけが実際に行われた、
残酷で非人間的な『国』だ。

その太平天国を、
中国では、学者という学者が競争で『 偉大な農民革命運動 』と持ちあげる。
現在の中国では、『 太平天国研究 』というのは、
歴史研究のなかでも最も盛んな一分野なのであるが、
その『研究』というのがまことにおかしなもので、
よく研究してみたらたしかに偉大な農民革命であった、というのではなく、
まず初めに『 太平天国は偉大な革命運動なり 』という
動かしがたい前提があってそこから研究がはじまり、
とどのつまりはそれがまた結論にもなるという、
なんだか堂々めぐりみたいなものなのだ。

もっとも、
中国で太平天国がもてはやされるのは、今にはじまったことではない。
20世紀初めごろから、すでにそういう動きはあった 」



この「 頭がイカれ 」た洪秀全の話は、現代中国でも有名ではあるのですが・・・

S < 洪秀全・・・。 うっわー、ものすごいマイナーな人ですねぇ >

・・・どうやら、中国の学者の間でだけ超有名人&超人気者らしく、
普通の中国人の頭の中には入っていない、興味が湧いてこない人だそうです。




         第5章 毛沢東(マオズゥドン)

「 毛沢東のことを盗賊皇帝だなどと言うと、
鬼面人をおどろかす言いぐさのように思われるかたがあるかもしれない。
しかし、決してそうではないのである。
香港やアメリカなどにいる中国人のなかには、
そういう見かたをする人はすくなからずある。

本場の中国ではどうか。
そう考えている人はいっそう多いのであるが、
はっきり言っては危ないから遠まわしに言う。
中華人民共和国を『 封建ファッショ中華帝国 』と言ったり
毛沢東のことを『 秦始皇 』と言ったりするのはその意味である 」



・・・毛沢東の生涯を追いながら、その光と闇を解説してゆくのですが、
この終章では、とにかく著者の高島氏による
中国の文化的土壌と、マルクス主義の融和性を喝破するくだりが面白すぎます。



「 そもそも中国には、
マルクス主義は全然合っていなかったのだ、という意見が、
文化大革命の失敗以後、中国の若い人や海外の中国人からよく聞かれるようになった。
しかしはたしてそうだろうか。
『 全然合っていない 』ものが受け入れられるということがあるだろうか。

わたしは、
やはり中国自体にマルクス主義を受け入れる素地があったのだと思う。
それは『 経典(ジィンディアン) 』の必要である。
『経典』とは、時と所をこえて、
この世のありとあらゆる事物、人間が遭遇するありとあらゆる現象に、
正しい解釈を与え、さらに指針を与えてくれる、永遠の真理の書である。

中国では、実に2000年以上にわたって、
『易(イー)』 『書(スゥ)』 『詩(ツゥー)』 『礼(リィ)』 『春秋(チュンチュウ)』の『五経(ウージィン)』に
代表される儒家の経典がそれであった。
(中略) いかに新しい事態や現象に出くわしても、
その問題意識を持って経典を読みかえせば、正しい解釈と指針が得られる、
という絶対万能の書が経典である。
19世紀後半の危機の時期に
にわかに『 公羊学(ゴンヤンシュエ) 』が盛行したのなどはよい例である。



20世紀になって
『 打倒孔家店(ダァートォーコンジャーデェン) 』が叫ばれ儒教が権威を失うと、
中国人の心に空白が生じた。
その空白を埋めたのがマルクス主義である。
つまり、儒教そのものは否定されたが、
真理をしるした書物というよりどころをもとめる習性は、急にはなくならなかったわけである。

(中略) マルクス主義が他の西洋の学問とちがうのは、
一つには、全面的であること、
すなわちあらゆる学問、あらゆる方面にまたがっているか、もしくは応用が利くことである。
もう一つは、絶対に正しいことである。
この点で、他の学問は儒教のかわりにはなれなかった。

あるいは『 本来のマルクス主義はそんなものではない 』という人があるかもしれない。
しかしその抗弁は無力である。
中国人がそのようなものとして受けとったのはたしかなのだから。
(中略) しからばかつての儒家の経典と
こんにちの革命経典のあつかいは何から何まで同じなのかというと、そうではない。

儒家の経典は解釈の自由を許した。
だからこそ二千何百年も前の本がその後の時代の応用に耐えたのであって、
(中略) 結果的にはある程度柔軟な思想を展開したわけである。

革命経典は一般人が任意に解釈することを許さない。
解釈権を有するのは(中国共産)党のみである。
その解釈は党の必要に応じて変わり得る。
しかし一般の学者が革命経典を自由に解釈する形で
自己の考えを展開する餘地はない 」



・・・さすが、この終章だけで60ページ近くあるだけあって、
解説のほうも詳細です。

U < (毛沢東は)時代の偉人。彼がいなければ、今の中国は不存在です。
偉人であり、英雄であり、追求知識であり、真理です。
ただし、誰でも代わりにできない存在ですけど、権力をちょっと重要視(大好き)すぎました >

なお、
終章で毛沢東と、長子であった毛岸英(マオアンユン)の関係について、
黃文雄氏の「毛沢東 虚妄の言葉101」という本に書かれていることと、
この「中国の大盗賊・完全版」に書かれていることがまったく違います。
これは、そのレビューでも書いたのですが、
U曰く、毛岸英の記述については黃文雄氏の書いていることが正しいそうです。




・・・以上。
高島俊男氏の本を読んでいるとつくづく思ってしまうことなのですが、
中国史には二つの< 面白い >がありますね。
一つは、春秋戦国時代(チュンチュウジャングォーシュディ)や三国志(サングォージィー)のような
正味の意味での< 面白い >。
もう一つは、文化大革命や天安門事件のような、他所の国のことだから< 面白い >、
つまり< あぁ、オレ日本に生まれて良かった >という
不謹慎な< 面白い >の二つです。
まさに「農民起義」という言葉が、
中国人と日本人の視点では全く違うものに見えるのと同じですね。

高島氏の作品は、
中国の歴史を古代から現代まで幅広く扱うので、
この二つの< 面白い >が楽しめる稀有な人です。
加えて、曹操(サオサオ)の詩である「 歩出夏行(プゥーツゥーシャアマンシュン) 」などを
易々と日本語に訳したりするので、
UもSもびっくりするほど中国語に堪能です。

洋の東西を問わず、< 歴史的なるもの >が大好きな人には死んでもオススメの作品。
むっちゃ面白いです。

このレビューが参考になれば幸いです。 (*^ω^*)
16人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年11月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1937年生まれの筆者、根からの中国好き、それもイデオロギー
からではなく、中国文化そのものが好きという視点で書いていますね。

やはり、第五章「これぞキワメツキ最後の盗賊皇帝、毛沢東」の部分が面白かったですね。
毛沢東の話しになると、毛沢東信者(日本ではこれ多い)か
毛沢東を蛇蝎のごとく嫌う人々の2種類の人々の
書いた書物しか目にしないものですが、筆者はかなり
冷静な目で中国近代史を、中国文化・大好きの視点からまとめてますね。
複雑怪奇な中国共産党史を1921年の結党のときから、現代まで明解に叙説。

ただ、中国近代史の最大の謎、1971年9月13日の林彪のモンゴルでのトライデント墜落による死亡に関する
解説には疑問あり。筆者は林彪事件は、
「周恩来が米国と手を結ぼうとして、林彪がこれを拒もうとして、毛沢東が周恩来のほうに傾いたので、危機感をいだいた
林彪がクーデターを企て、周恩来が機先を制して林彪を殺した、というのが一番ありそうなシナリオである」
と書いているのはかなり的外れでは。そもそも周恩来がそのようなイニシアチブが取れる立場には
なく、あくまでの毛沢東の忠実な秘書役ですから。

林彪事件の真相は、1969年の第9回党大会で、林彪が
毛沢東の後継者と党則で明記されたが、林彪グループが
毛沢東や4人組との対立を徐々に深めて、毛沢東が
林彪グループの排除を決めつつあったので、林彪グループが
反撃のためにクーデター計画を立てて、それが失敗したので
国外逃亡をはかり、飛行ミスで墜落というのでは。
林彪グループも実際は、葉群夫人と長男・林立果が主導で
林彪自身は病弱(阿片中毒もあり)で補助的な
役割しか果たしてないと、言われてます。

筆者はあくまでも文学者としての立場で、本書を
書いているので、政治学者ではないのでしかたないのでしょう。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年7月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何気なく使っていた盗賊という言葉の定義から始る。

隣国を盗賊たちの歴史として見た本書であるが、今まで感じていた隣国へのもろもろの疑問が一気に解消した。

盗賊のメンタルを遺伝子に持つ隣国は決して侮れないし、今後は絶対騙されない、と日本は肝に銘じよう。
現代人必読の書。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2022年3月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中国という国が形成してきた価値観を歴史を通してみることができる良本。
日本人にはあまりなじみない考え方や行動基準を学ぶと、現代にも残る文化の違いを少しは理解することができるのではないだろうか、と思う。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2023年5月16日に日本でレビュー済み
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そうだろうなあとは思っていました。上層部と庶民とはまた違うのでしょうけどね。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2021年5月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
劉邦やら朱元璋やらが本書のいう盗賊の集団の親分から天子となったのは認識していたが、著者によると毛沢東と中国共産党もこの流れに連なるとのこと。言われてみれば納得できるところが多い。これまでこんなことを2200年間繰り返してきたのだから、現政権もまた天命を失えば動乱が起きて盗賊や軍閥が跋扈することになるのだろうかとも考えてしまう。
本書は各動乱時の盗賊たちやそれに従った群衆の有り様を詳しく説明していてとても面白い。途中で明史を批判するのに熱くなって話がそれたりするが、中国史が好きな方は気軽に楽しく読めると思う。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2010年9月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
完全版(もともと省略されていた毛沢東に関する章を掲載したバージョン)ということなので、その箇所に関する感想を少し。

毛沢東が盗賊まがいからなりあがった劉邦、朱元璋といった皇帝達に類する人物であるというのは、国取りの過程のみをみれば、そうだと思う。だからそれをプロットとして一冊の本を構成するのは「あり」だけれど、どこか納得しきれない感もある。個々の人物の個性や時代背景考えるとそのような簡単なまとめに入りきらぬことも当然出てくるからだ。

中華人民共和国建国後の毛があたかも皇帝のように振る舞ったというのも、そうなのだろうが、皇帝が皇帝なりに思うにまかせぬようなところがあったからこそ、文化大革命のようなものが起ったとも思われる。毛を皇帝として措定してしまえば、共産党のその他大勢は毛に平身低頭したかのように想像されるが、ことはそれほど簡単ではないため、問題が起こったのではなかろうか。

毛の計画経済への関与はどう考えればよいか。中国は第一次五カ年計画期にソビエト流の中央集権的計画経済体制を導入するが、それが中国の間尺に合わぬというので大躍進などという形でいろいろやろうとした。それは毛の差し金であり大失敗したのも筆者の指摘するとおりだが、そもそも計画経済体制というのは資源配分機構としては欠陥だらけのものであり(ミーゼス、ハイエク、コルナイといった経済学者によって議論されている)、だからこそ、多くの社会主義国で様々な「改革」が行われたのであり、毛もまた同様に中国の現実に計画経済をあわせようとして様々な「改革」を試みたすえに、失敗を重ねたようにみえる。そういったものは後世からみれば、まったく無意味な行為に映るかもしれない。しかし、後付けの知識によって歴史を弾劾し、歴史上の人物を安易に罵倒出来るわけもない。整風運動や反右派闘争だけで毛を語りきれるのかと問うたとすれば、毛の肩を持ちすぎだろうか?

この本を読んでも、盗賊から成り上がって皇帝となった個々の独裁者の統治における思考はよくわからない。それは陳勝や劉邦や朱元章や李自省では資料制約からしかたがないとしても、毛のような現代史上の人物では物足らなくはないか?高島先生のような方だからこそ、その点に踏み込んでいただきたかったといえば、求めすぎだろうか?

古代から現代にいたる中国史を「盗賊史観」としてまとめようとするのはわかりやすいけれど、細部でどこか無理があるように感じる。大変おもしろい本なのだが、納得したわけではない。私の読後感は、正直、そんな感じだった。
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2017年10月25日に日本でレビュー済み
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中国における盗賊とは、実力で要求を通そうとする官憲以外の武装集団をいう。
正義、不正義は関係がない。山賊野盗であろうと、世直し集団であろうと、徒党を
組んで不逞を働くやからはすべて盗賊である。世の中が乱れると、農村地域で働き
場のない者、働いても食えない者が大量に生じる。これが盗賊発生の根本原因であ
る。そういう盗賊はさまざまな要因が重なって突然大きくなることがある。中国で
は、膨れあがった盗賊が、地方を支配し、やがて都を攻略して天下を取ることを繰
り返してきた。せっかく天下を取ったのにすぐに滅びたのが唐末の黄巣や明末の李
自成、長続きしたのが漢と明である。漢の劉邦はヤクザあがりの盗賊、明の朱元璋
は乞食坊主あがりの盗賊だった。

本書は、元祖盗賊皇帝こと陳勝・劉邦、玉座に登った乞食坊主こと朱元璋、人気は
抜群われらの闖王こと李自成、十字架かついだ落第書生こと洪秀全、これぞキワメ
ツキ最後の盗賊皇帝こと毛沢東について縦横に論じたものである。高島の特色は、
歯に衣着せぬ小気味よいコメントにある。例えば、毛沢東について高島は言う。

 「毛沢東の伝記はおもしろい。まさしく波瀾万丈である。しかしそれは、史上
 あまたの盗賊首領や建国皇帝の伝記と、大筋において少しもちがわぬのである。
 つまり毛沢東の伝記の面白さは、こいつの前では朱元璋も李自成もケチなコソ
 泥くらいに見えてくるという大盗賊が、中国をムチャクチャに引っかきまわす
 という、一般中国人にとっては迷惑千万の歴史がおもしろいのである。」
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