本書では、プランクより始まる量子論の発展史を通じて、量子論の説明を試みている。
総勢30名程度の物理学者の名が登場し、その発見や予想を通して解説するという体裁。
オーソドックスな説明方法ではあるが、タイトル名に惹かれた読者は冗長に感じるのでは。
門外漢の読者は、馴染み深い古典力学とは別世界たる量子力学の本質を知りたいのだろう。
幸いにして現代の我々はプランクやボーアと違い、かなりの解明された事実を手にしている。
であれば、解明されてきた経緯よりも、解明している事実のなかからエッセンスを抽出して、
いかに効率的に分かりやすく伝えるか、というのが本書の目指すべきところであったのでは。
また、パソコンも携帯電話もMRIも量子論あってのもの、という表紙の宣伝句のわりには、
量子力学のどの部分が日常のテクノロジーに応用されているのか、という記載はほぼ皆無だ。
方法論含め、著者と編集者の意図がきちんと刷り合わさっていなかったのではないかと思う。

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文系にもわかる量子論 (講談社現代新書 1619) 新書 – 2002/8/1
森田 正人
(著)
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パソコンも携帯電話もMRIも、この理論なくして実現しなかった!
宇宙の謎、脳の不思議の解明にも不可欠な量子論を初歩から解説する画期的入門書。
量子とは「かたまり」――わたくしたちの日常生活では、コンピュータの部品に使われる半導体、テレビ、ファックス、多くの通信機器、CDプレーヤー、レントゲン写真、MRI撮影装置など、量子の世界の知識を応用した技術によってもたらされた製品が数多くあります。レーザー光線ひとつにしても、金属の切断や距離の測定、外科手術、観賞用と幅広く用いられていますが、これも量子論の応用からできています。これは、物質の最小単位である原子や分子(あとで述べるように、ほんとうは、もっと基本的な単位もあるのですが)を調べるのに、量子論が大きな役割を果たしているからです。
量子論は、ミクロの世界を記述する方法であり、これによって光や電子の振る舞いを正確に理解することができます。わたくしたちの日常の世界(マクロの世界)の物の動きとはかなり違ったルールで物事が進行しているので、奇妙に感じる点もありますが、ミクロの世界の論理、量子論を、文系の方を含めて、みんなにわかりやすく紹介するというのが著者に与えられた課題でした。――(本書より)
宇宙の謎、脳の不思議の解明にも不可欠な量子論を初歩から解説する画期的入門書。
量子とは「かたまり」――わたくしたちの日常生活では、コンピュータの部品に使われる半導体、テレビ、ファックス、多くの通信機器、CDプレーヤー、レントゲン写真、MRI撮影装置など、量子の世界の知識を応用した技術によってもたらされた製品が数多くあります。レーザー光線ひとつにしても、金属の切断や距離の測定、外科手術、観賞用と幅広く用いられていますが、これも量子論の応用からできています。これは、物質の最小単位である原子や分子(あとで述べるように、ほんとうは、もっと基本的な単位もあるのですが)を調べるのに、量子論が大きな役割を果たしているからです。
量子論は、ミクロの世界を記述する方法であり、これによって光や電子の振る舞いを正確に理解することができます。わたくしたちの日常の世界(マクロの世界)の物の動きとはかなり違ったルールで物事が進行しているので、奇妙に感じる点もありますが、ミクロの世界の論理、量子論を、文系の方を含めて、みんなにわかりやすく紹介するというのが著者に与えられた課題でした。――(本書より)
- 本の長さ237ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2002/8/1
- ISBN-104061496190
- ISBN-13978-4061496194
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商品の説明
著者について
■森田正人(もりたまさと)
1927年、長崎県生まれ。東京大学理学部物理学科卒業、同大学院前期修了、理学博士。米国コロンビア大学助教授、京都大学助教授等を経て大阪大学名誉教授。現在、城西国際大学教授。専攻は素粒子論、原子核理論。主な著書に『原子核の世界』―講談社ブルーバックス、『相対論的量子力学』―共立出版―などがある。
1927年、長崎県生まれ。東京大学理学部物理学科卒業、同大学院前期修了、理学博士。米国コロンビア大学助教授、京都大学助教授等を経て大阪大学名誉教授。現在、城西国際大学教授。専攻は素粒子論、原子核理論。主な著書に『原子核の世界』―講談社ブルーバックス、『相対論的量子力学』―共立出版―などがある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2002/8/1)
- 発売日 : 2002/8/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 237ページ
- ISBN-10 : 4061496190
- ISBN-13 : 978-4061496194
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,142,470位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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カスタマーレビュー
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2002年11月10日に日本でレビュー済みその昔、朝日新聞の時評欄で高橋源一郎が『量子力学の冒険』をとりあげたことがあって、あれはあれで一つの見識だと思ったことがある。そこでも書かれていたかしれないが、『フィネガンス・ウェイク』と素粒子の幸福な(?)出会や、イナガキ・タルホと宇宙論、小林秀雄と相対性理論の関係などを考えてみただけで明らかなように、文学と科学を何か別物のように発想するのはごく近年の錯覚にすぎない。文学が文系の代表格というわけではなく、むしろそれは歴史だろうと思うが、そもそも「文系にもわかる」というタイトルに赤面しないセンス(著者ではなくて編集者のセンス、あるいは編集者によって見透かされた読者のセンス)がおかしい。でも、中身はきわめてまっとうで、「画期的」かどうかはともかくわかりやすい入門書であることはたしか。
- 2005年5月9日に日本でレビュー済み「文系にもわかる」というので手にとって見ました(理系ですが、生物系で物理化学は苦手なので)。
非常にわかりやすいです。高校の物理で根拠もなく覚えされられたエネルギーと質量の関係式、大学の量子化学で理解できなかったシュレーディンガーの方程式の意味…。「文系相手」とはいえ、数式が全くないということはありませんが、苦痛になることはないでしょう。そもそも数式というのはわかりやすい説明があるのであれば、理解を助けるものです。本書では結構複雑な式が(波動方程式などは仕方ないのですが)出てきますが、この記号は振動数で、これは波長で…といった「記号の説明」に終わらず、きちんとその式が導き出された背景にある考え方が示されているので、理解しやすいです。何というか、こういう本にありがちな殺伐とした(失礼)感じがないです。
高校物理などで苦しめられた方にこそ薦められる本です。「あ、あの時こういうことやったけど、そういう意味だったんだ」とわかると昔の勉強に懐かしみも覚えるというものですよ。