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漫画 吾輩は猫である (岩波文庫) 文庫 – 2017/2/17

3.8 5つ星のうち3.8 19個の評価

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近藤浩一路の漫画のたのしさは、漫画はもとより、各画に添えられた近藤による文章にも発揮されている。滑稽味ある小見出し、表現のポイントを押さえながら、俳文を読むようなユーモア溢れる達意の文にまとめている。『吾輩は猫である』は国民文学の代名詞ともいえる作品。漱石生誕150年、漫画で文豪の名作を存分に楽しむ。(解説=夏目房之介)
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (2017/2/17)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2017/2/17
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 240ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4003357922
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4003357927
  • カスタマーレビュー:
    3.8 5つ星のうち3.8 19個の評価

カスタマーレビュー

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5つのうち3.8つ
19グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2017年3月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
夏目漱石の「吾輩は猫である」を読んで、
いつも途中で読む挫折をしておりました。
この漫画本で、要約、全体を読むことができました。
文章と漫画が一体となって、
雰囲気が伝わってきました。
このような形で読めたこと自体、
最高です。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年2月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 近藤浩一路による漫画版漱石シリーズの第2弾です・・・といっても「坊っちゃん」とこの「「吾輩は猫である」の2冊だけですけど・・・。
 オリジナルは、言わずと知れた漱石の処女小説で、1905年ホトトギスに読み切りで発表れましたが、好評で連載が継続されることになりました。
 内容は、珍野苦沙弥先生の家に迷い込んだ猫の視点で、珍野一家、その友人、書生等を描き出したものです。
 苦沙弥先生は、英語の先生であることや胃弱などから、漱石自身がモデルとされていて、そのほか、実在の人物がモデルになっています。
 しかし、苦沙弥という名前から想像できるように、内容は相当諧謔的で、その意味では漱石の作品の中では最も漫画化にふさわしい作品といえます。
 本作品は、1919年、「坊っちゃん」に続いて、新潮社から発売されています。
 漱石のオリジナルは、かなりヴォリュームがあり、内容を相当間引いて漫画化してあります。
 また、漫画といっても現在のマンガのように動きもなければ、吹き出しもなく、今でいう挿絵入りの小説といった感じのものです。
 解説で夏目房之介氏も指摘されていますが、内容がかなり間引かれていて、翻案に近いものですが、
 漱石原作等の表記は無く、漱石の許可をどのように得たのか、版権問題はどうクリアーしたのか、これは疑問の残るところです。
 なお、久保田万太郎、芥川龍之介、菊池寛の随想が、巻末に収録されています。
 漱石生誕150年ということで刊行されたものと思いますが、かなりの珍品であることは間違いありません!!
 
 
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年3月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アニメに、はまっているので全て漫画だと思い注文しました。
半ページが文章、後はイラスト。
しまった感で読み始めました。
でも、読みやすいです。
スラスラと内容が入ってきました。
夏目漱石途中挫折が克服できました。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年4月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 (深謝。畏れながら微細でも役立てば)愉快で豊穣な良書です。でも、必ず原典も読んだ方がいいです。もっと愉快で豊穣ですし、誤解で終わってしまってはいけません。原典には、漱石の鋭い人間観と文明批評の「芽生え」が散見されます。本書ではかなり割愛されています。例えば、原典の次文「…今の人の自覚心というのは自己と他人の間に截然たる利害の鴻溝があるという事を知り過ぎているという事だ。そうしてこの自覚心なるものは文明が進むに従って一日一日と鋭敏になっていくから、しまいには一挙手一投足も自然天然とはできないようになる。…」などは予言しているようです。 (ただ、この自覚心も人格最高価値への覚醒なら{河合榮治郎に拠る}、良いと思うのですが…。)
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年4月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
巻末に久保田万太郎,芥川龍之介,菊池寛の三名による随想も掲載されています.芥川の巻頭の文章を改行なしに次に抜粋します.

近藤君は漫画家として有名だった.今は正道を踏んだ日本画家としても有名である.が,これは偶然ではない.漫画には落想の滑稽な漫画がある.画そのものの滑稽な漫画がある.或いは二者を兼ねた漫画もある.近藤君の漫画の多くは,この二者を備えた漫画でなければ,画そのものの滑稽な漫画であった.唯,威儀を正しくさえすれば,一頁の漫画が忽ちに一幅の山水となるのは当然である.近藤君の画は枯淡ではない.南画じみた山水の中にも,何処か肉の臭いのする,しつこい所が潜んでいる.そこに芸術家としての貪婪が,あらゆるものから養分を吸収しようとする欲望が,露骨に感ぜられるのは愉快である.(以下略)

解説によると,本著は1919年に新潮社より発刊されました.元の小節の文章をそのままに漫画を挿入したわけではなく,本書を読みやすくするため相当短く編集しているそうです.原本の愛読者は本書をも通覧され,発刊当時の風俗を偲ばれるのも一興です.
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2017年9月12日に日本でレビュー済み
作者の名前は漫画家としても記憶は無かった。時代が戦前で復刻もされてなければ知る機会もなかった。本の中身を見て、どこかで見たような画風なのに驚いた。それは初期の原爆絵本として有名で原本は希少となってしまったピカドンと言う作品である。夏目漱石は日本人社会を評して、こんなことをしていると今に行き詰ってしまいますと予言めいたことを言ったはずだった。それから数十年もして原子爆弾と言う不条理で恐ろしいものが使用された。それを漫画的表現で初めて描かれたものがピカドンなのである。比べてみれば画風が似ていると思う人は多いのではないだろうか。二人の作者は水墨画という共通項がある。原爆の子、夏の花、という作品はすでに岩波文庫になっているので、できればピカドンも文庫化して欲しいものである。