本書を読み終えて「目からうろこが落ちました!」
私は、今年で71年間生きております。本を買って読む場合、理解出来ない時に、脚注に目を通すことは時々ありました。今回、著者でもなく、翻訳者でもなく、
校注者という名目の本に初めてお目にかかりました。松沢弘陽校注『福澤諭吉集』がその本です。脚注あり、補注あり、解説ありで、最初は違和感を覚えました。
ところが、『福翁自伝』を今まで福澤研究のために数回読んでいますが、今回購入した松沢弘陽校注の『福翁自伝』を、隅から隅まで読んで大変感銘を受けました。
脚注、補注、解説が、一つのストーリーだということに気がついたのです。
9月中旬から10月下旬、約1ヵ月半の間に、本文も含めて脚注、補注、解説を10数回読み、大きな感動を覚えました。
今までは、大きな魚の身だけ食べても、骨と皮は捨てていましたが、今回は美味しくて、むしろ、身を残して骨と皮を中心に残さず全て食べた感じが致しました。
改めて松沢弘陽先生の功績に感謝したいと思います。
滅多に経験しませんが、今回は読み終わって「目からうろこが落ちました。」
さて、この本の読後感はこのくらいにして、今回話題になっている事に関して、
一言質問したい事があります。
それは、「福澤が語らなかった事項」に関する事柄です。幾つかある中で、
何と言っても福澤の幕臣時代(1864年〜1866年)2年間の空白事項です。
なぜ福澤先生はこの時代のことを自伝に残さなかったのでしょうか?
平山洋先生が言うように、薩長中心の明治政府に知られたくなかったからでしょうか? それはともかくとして、私は福澤先生が、あの時代のことを自伝で堂々と語っても、誰からも批判されずに、後世に残すことが出来たと思います。
なぜなら、福澤先生の幕府に対する態度は、その後2年間で180度変わりますが、福澤先生の「日本の文明化」'「独立自尊」の考えは終始一貫しているからです。
あの2年間、福澤が幕府に加担したのは、日本を開国させて、西洋の文明を取り入れ、日本の「文明開化」を推進しようと思ったからです。あの時は薩長中心の大名同盟は「攘夷主義」が中心で、幕府は表面的だが「開国主義」だったので、福澤は、「大名同盟」よりも「大君のモナルキー」を選択するのが、当然だったと思います。
福澤先生は、日本を「文明開化」するには、「大名同盟」よりも「大君のモナルキー」
の方がベターであると、ロンドンに留学している福澤英之助に書簡を認めています。
したがって、この事を『自伝』で語って問題となるようなことがあるのでしょうか?
その事を語っても、明治政府との過去の問題が再燃することはなかったでしょう。
しかし、思慮深い福澤先生には、もっと別な考えがあったのかもしれません。
したがって、これ以上ヤボな詮索をする事を慎みたいと思います。
最後に、多くの人が本書を読まれることを希望致します。
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福沢諭吉集 (新日本古典文学大系 明治編 第10巻) 単行本 – 2011/2/26
福沢諭吉集
- 本の長さ496ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2011/2/26
- ISBN-10400240210X
- ISBN-13978-4002402109
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2011/2/26)
- 発売日 : 2011/2/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 496ページ
- ISBN-10 : 400240210X
- ISBN-13 : 978-4002402109
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,058,100位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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