■かなり専門的でかつ難解な内容で、
すべてを読み通すことはできず途中でGive upしたことを、
まず最初にお断りしておかなければなりません。
その中で「アマチュア合唱団」にふれている箇所があり、
私の興味・関心からそこに目が止まりました。
印象に残ったキ−ワ−ドです。
「合唱の練習は“対話”であり地道な“合意形成過程”
⇒都市市民の人間関係を作り変える機能」
■ちょっと古い書ですが「合唱音楽の歴史」(皆川達夫著/全音楽譜出版/初版1965)では、
ベ-ト-ヴェンやシュ-ベルト、シュ-マンたちが活躍していた19世紀のドイツ・ロマン派の音楽が
花開いていたた時代について、こう記述されています。
「この時代、民族の個性を尊重するロマン主義的傾向から、民衆的な合唱音楽が好まれ、
アマチュアのための合唱を作曲する音楽家が多数活躍していたと言われています。
ドイツ市民階層の生活は一応経済的に安定していくがね政治的にはいろいろトラブルが多く、
市民たちは社会の現実を正視するのを回避して、芸術の世界に息抜きを見出すようになります。
市民の楽しみのためのアマチュア合唱団があちこちに誕生し、空前の合唱ブ−ムとなります。」
この“ドイツ”というところをどこかに置き換えてみてはいかがでしょうか。
なんとなく今の日本の合唱活動に当てはまりそうではないですか。
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教養の歴史社会学: ドイツ市民社会と音楽 単行本 – 2006/2/17
宮本 直美
(著)
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購入オプションとあわせ買い
ドイツ文化と社会の本質に迫る鮮やかな考察
- 本の長さ350ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2006/2/17
- ISBN-104000225472
- ISBN-13978-4000225472
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2006/2/17)
- 発売日 : 2006/2/17
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 350ページ
- ISBN-10 : 4000225472
- ISBN-13 : 978-4000225472
- Amazon 売れ筋ランキング: - 940,269位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 40,863位楽譜・スコア・音楽書 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年6月16日に日本でレビュー済み
本書は19世紀ドイツの市民及び教養概念を、音楽を通して読み解くという体裁を取っている。しかし本書の中心にあるのはクラシック音楽であり、クラシックファンにとっては実に刺激的な論考となっている。
クラシック音楽マニアである自分にとっては、日頃から感じていた素朴すぎる疑問や違和感:大作曲家はなぜ大作曲家なのか、傑作はなぜ傑作なのか、コンサート会場空間の異常性等々・・にストレートに、また真摯に回答を与えてくれるまさに快著だった。クラシック音楽をもっと楽しみたい者にとって、自明視されていたこれらの意味を考え直すのも無駄ではあるまい。
一方、伝統的なクラシック音楽ファンにとっては、自分が拠って立つ土台を根底から揺るがされる、もしくはひっくり返される覚悟をしなければならないだろう。その論旨を不愉快に感じる向きもあるかもしれない。
しかしクラシック音楽が市場的にジリ貧になっているとすれば、本書が明らかにしている、クラシック音楽を19世紀後半以来「崇高な芸術」たらしめていた音楽観とそれを支える構造が無効化(あるいは逆効果)しつつあるということだろう。
本書の認識と問題意識をもって出発して、はじめてクラシック音楽の未来が見えてくるのではないかという気がする。
本書の最大の欠点はボリュームと相まったあまりに誠実すぎるタイトルである。私も某紙サイトの書評欄で見つけなければ、書店で見かけても手に取ることはなかっただろう。
是非クラシックファンを対象にした新書を出して欲しい。
クラシック音楽マニアである自分にとっては、日頃から感じていた素朴すぎる疑問や違和感:大作曲家はなぜ大作曲家なのか、傑作はなぜ傑作なのか、コンサート会場空間の異常性等々・・にストレートに、また真摯に回答を与えてくれるまさに快著だった。クラシック音楽をもっと楽しみたい者にとって、自明視されていたこれらの意味を考え直すのも無駄ではあるまい。
一方、伝統的なクラシック音楽ファンにとっては、自分が拠って立つ土台を根底から揺るがされる、もしくはひっくり返される覚悟をしなければならないだろう。その論旨を不愉快に感じる向きもあるかもしれない。
しかしクラシック音楽が市場的にジリ貧になっているとすれば、本書が明らかにしている、クラシック音楽を19世紀後半以来「崇高な芸術」たらしめていた音楽観とそれを支える構造が無効化(あるいは逆効果)しつつあるということだろう。
本書の認識と問題意識をもって出発して、はじめてクラシック音楽の未来が見えてくるのではないかという気がする。
本書の最大の欠点はボリュームと相まったあまりに誠実すぎるタイトルである。私も某紙サイトの書評欄で見つけなければ、書店で見かけても手に取ることはなかっただろう。
是非クラシックファンを対象にした新書を出して欲しい。
2006年5月6日に日本でレビュー済み
音楽社会学の立場から、近代ドイツの教養概念や音楽が果たした役割を論じている。きわめて曖昧でありながら、貴重で価値あるものであるかのように感じられる、ドイツ由来の、日本における教養概念についても、考える糸口を与えてくれる。既存の音楽学の視野のせまさ(社会科学的視点のなさ)の批判になっているくだりはまさに痛快。クラシック音楽を趣味にする人、アマチュア・オーケストラや合唱団で活動する人々にぜひよんでもらいたい本である。ただし博論であるためか、文章が硬すぎ、読まれることを拒んでいるようにも思えた。さらに出版助成の影響か、値段も高すぎる。新書でも書いて「普及版」を作るべきでしょう。