本書（３巻組）では中世イスラーム研究における重要史料を提供します。原文のペルシア語は、長年の研究者にとってでさえいまだに難解であるともいわれていますが、本書は優れた言語学者、東洋学者であるWheeler Thackstonによるわかりやすい注釈付きの翻訳を収録しています。これら重要な文献が様々な学者の研究資料となることを願っています。
Mirzar HaydarのTarikh-i-Rashidiは当時中央アジアとモンゴルの広大な土地を領土としたモグーリスタン・ハン国のハーンの歴史についての著作です。KhwandamirのThe Reign of the Mongol and the Turkは13世紀から16世紀までのペリシア語文化圏の主要な帝国や王朝をカバーしており、モンゴル人による支配、ティムール、サファヴィー朝の勃興も取り上げています。最終巻はイランを支配したモンゴル人の大宰相によって書かれたテュルク系民族やモンゴル人に関する貴重な記録やチンギス・ハーンの先祖の歴史、そして彼の征服に関する詳細な解説を含んでいます。