ハンス・ヨナスを読む

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  • サイズ 46判/ページ数 228p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784909237347
  • NDC分類 134.9
  • Cコード C0010

内容説明

ハイデガーの弟子であり、アーレントの親友でもあったハンス・ヨナスは、欧米では著名な哲学者でありながら、今まで日本ではあまり注目されてきませんでした。しかし、生命科学や科学技術をめぐる彼の考察は、非常に今日的なテーマとして、徐々に関心を集めつつあります。初学者にもわかりやすくまとめられた日本初となるハンス・ヨナスの入門書です。

目次

第1章 ヨナスの人生
第2章 テクノロジーについて―技術論
第3章 生命について―哲学的生命論
第4章 人間について―哲学的人間学
第5章 責任について―責任概念の構造
第6章 未来倫理について―形而上学的演繹
第7章 神について―神話の思想

著者等紹介

戸谷洋志[トヤヒロシ]
1988年、東京都世田谷区生まれ。専門は哲学、倫理学。大阪大学大学院博士課程満期取得退学。大阪大学大学院医学系研究科医の倫理と公共政策学教室特任研究員。現代思想を中心に、科学技術をめぐる倫理のあり方を研究している。第31回暁烏敏賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

花男

23
難しいが、興味深く読んだ。 人間は未来への存続の責任を持つ。そして無限に多様な人間像を描くことになるが、人間が物理的に絶滅する危機と排他的なシステムに組み込まれ自分自身を失う傀儡化は絶対に避けなければならない。 テクノロジーが進む現代においてこそ考えるべき哲学であった。2022/05/29

吟遊

17
装幀も挿絵も、内容も素晴らしい本。新書のような感じで、日本ではあまり知名度のないヨナスを紹介。全体像が見えてくる。未来の世代への倫理とは。2018/03/13

sasara

16
20世紀において最も読まれた倫理学書と呼ばれながら日本で知名度が低い「責任という原理」戸谷洋志さんによる日本初の入門書望ましい未来を実現するのではなく最悪の未来を回避するためには救いの予言よりも不吉な予言にこそ耳を傾けよ 未来倫理思想は地球温暖化対策国連気候会議、国連SDGsなどにも多大な影響を与えた。2021/08/27

おおにし

15
テクノロジーは自己生産的に進歩し、人間はテクノロジーの進歩を止めることはできない。そしてテクノロジーは有用性において没価値性を持つ。テクノロジーの進歩が幸福という価値を我々に与えるかどうかわからないのだ。原爆の有用性を考えると、その破壊力が過去の武器よりも効率的な殺人を行えるという点で有効性が進歩しているといえる。ヨナスの主張はここから未来への責任という未来倫理へと進むのだが、この入門書をもってしてもかなり難解であり、うまくまとめられない。しかしとても重要な議論であり、再読して理解を深めたいと思う。2018/04/30

Tenouji

14
「少女終末旅行」の後に読んだので、かなり響くものがあった。また、人間とはランダムネスを追い求め続ける生命体、という私の持論が、ここでは言語化されているではないかw。先端科学が明らかにしてきた内容とも合う気がするし、特権的視点での分析的思考ではなく、開放系の円環的な視点からの哲学なので、日本人には馴染みやすいんじゃないかな。ただ、責任についての理屈づけは、少し苦しめかな。社会と空間の次元で語られていた倫理感を、個人と時間へマッピングし直すことが求められてるんだなと感じました。2018/10/25

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