内容説明
社会を覆い尽くそうとしている、レイシズム、ヘイトスピーチをはじめとする各種の差別を、わたしたちはどう考え、どう対抗すればいいのか。気鋭の研究者21名によるさまざまなアプローチを通して、この腐った現実に楔を打ち込む決定的な論集。主要ブックガイドを附す。
目次
第1部 差別とは何か(日常をとりまくレイシズム;一世紀前の「ヘイトの時代」から考える―アメリカ南部におけるリンチとその歴史的背景;レイシズムの精神分析―ヘイトスピーチを生み出す享楽の論理;レイシズムの社会心理学的研究;差別とは何か;資本主義・国民国家・レイシズム―反レイシズム法の意義と限界)
第2部 差別を支えるもの(ヘイトスピーチとナショナリズム;ヘイトクライム、あるいは差別の政治化について―アレントの全体主義からレイシズムを考えるための試論;国籍と戸籍;日本型ヘイトスピーチを支える一九五二体制―「在日特権」を生み出す戦後日本の入管法制;「左翼的なもの」への憎悪―ヘイトスピーチを増幅させるもの;ネット右派の起源―九〇年代後半のネット右派論壇の成り立ち;多様性を祝う―『仲良くしようぜパレード』が喚起した感情/情動)
第3部 差別に抗する(差別否定という言説―差別の正当化が社会にもたらすもの;朝鮮人差別克服のための闘い―日本朝鮮研究所の反差別語闘争を中心に;公的レイシズムとしての環境レイシズム―環境正義運動の示唆する社会変革への視座;ヘイトに立ち向かう社会的免疫力―オーストラリアのイスラムフォビアの事例から;リベラリズムにおけるヘイトスピーチへの対抗策―ミルとローティからの応答;ヘイトスピーチに対する大学の対応のあり方;トランスナショナル・ヒストリーとしての美術史に向けて―プリティッシュ・ブラック・アートを中心にレイシズムに抗するアートを考える;プロパガンダの中の「日本人」―文学研究とレイシズム批判の接続に向けて;戦後補償問題に取り組む社会運動―歴史に埋め込まれたレイシズムに向き合うことの意味)
著者等紹介
清原悠[キヨハラユウ]
1982年生まれ。立教大学兼任講師。専攻は、社会運動論、メディア論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鴨長石
Go Extreme
poUoq