ムスリム女性に救援は必要か

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ムスリム女性に救援は必要か

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  • サイズ 46判/ページ数 350p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784906917839
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C0036

出版社内容情報

ムスリム女性を抑圧しているもの、それはイスラームなのか?
ムスリム女性の権利という概念は何を覆い隠しているのか?

普遍的人権擁護の美名のもとに語られる〈他者〉の救済というリベラルファンタジーの強制。その言説構造と問題点を明らかにし、それにかわる、現実に即した公正さを提唱。ムスリム女性に権利があるのかと問うのではなく、ムスリム女性の権利、抑圧されたムスリム女性という概念がこの世界でどう作用しているのか、その概念を利用しているのは誰なのかを問う。


目次
はじめに――権利と人生
人類学者的思考/オルタナティブ・ボイス/フェミニズムはどこに/選択が生み出す混乱/傷ついた小鳥/日常という政治

1 ムスリム女性に(いまだに)救援は必要か
文化起因論と女性の動員/ヴェールのポリティクス/救済というレトリックを超えて

2 新たな常識
女性のために戦争に赴くということ/理解をこえているという感じ/「イスラーム・ランド」/ムスリム女性とは何か/道義的十字軍に備える

3 道義的十字軍の認可/権威づけ
ユートピア的至高の価値観/「読み捨て三文ノンフィクション」のめくるめく世界/権力を求める(嗜好する)/人身売買文学(文学による人身売買)/奴隷ポルノ/欲望の構造化

4 「名誉犯罪」の誘惑
モラル・パズル/リベラル・ファンタジーの強制/軽んじられるガバナンス/変化の風/誠実な活動家のジレンマ

5 「ムスリム女性の権利」の社会生活
エジプト――変化し続けるフィールド/政府管理下におかれる権利/融通無碍なイスラームの諸機関と宗教言説/権利の商業化/パレスチナ――逃れられない政治/日常生活におけるハイブリッドな経路

6 権利という領域のただなかに、人類学者として
女性の権利とイスラームの改革/〔権利の世界とは〕かけ離れた生活/家庭領域における暴力/恣意的な介入

結 論 人道主義の記録
考慮すべき条件/合意形成と自由選択権/恋愛至上主義――〔気づきにくい〕もう一つの束縛/ワンクリックの正義ではなく

原注 謝辞 NGO等団体名一覧 訳者あとがき 参考文献 索引


著訳者紹介
Lila Abu-Lughod(ライラ・アブー=ルゴド) 主にエジプトを専門とするアメリカの人類学者、ジェンダー学者。コロンビア大学人類学部教授。ハーヴァード大学より博士号取得。研究テーマは、文化様式と権力、知と表象の政治、ジェンダーの多様性と中東における女性の権利。主な著書にVeiled Sentiments: Honor and Poetry in a Bedouin Society(1986/2000), Writing Women's Worlds: Bedouin Stories(1993/2008), Remaking Women: Feminism and Modernity in the Middle East(ed., 1998)〔『「女性をつくりかえる」という思想』、明石書店、2009年〕, Dramas of Nationhood: The Politics of Television in Egypt(2005)など。

鳥山純子(とりやま・じゅんこ) お茶の水女子大学人間文化研究科博士後期課程修了。博士(学術)。立命館大学国際関係学部准教授。専門はジェンダー学、文化人類学。研究テーマは、現代エジプト都市部の女性の自己成型、中東における格差と教育。主な著書に『イスラームってなに? シリーズ2イスラームのくらし』(かもがわ出版、2017年)、『不妊治療の時代の中東――家族をつくる、家族を生きる』(共著、アジア経済研究所、2017年)、『世界史のなかの女性たち』(共著、勉誠出版、2015年)など。

嶺崎寛子(みねさき・ひろこ) お茶の水女子大学人間文化研究科博士後期課程修了。博士(学術)。愛知教育大学教育学部准教授。専門はジェンダー学、文化人類学。研究テーマは、エジプトにおけるイスラームとジェンダー、ムスリム移民。主な著書に『イスラーム復興とジェンダー――現代エジプト社会を生きる女性たち』(昭和堂、2015年、第10回女性史学賞、第43回澁澤賞)、『宗教とジェンダーのポリティクス――フェミニスト人類学のまなざし』(共著、昭和堂、2016年)、Women, Leadership and Mosques: Changes in Contemporary Islamic Authority(共著、Leiden: Brill, 2012)など。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Y.Yokota

3
9.11以降イスラーム世界が注目され、しばしば虐げられているムスリム女性の救済という理念が掲げられそのイメージを作ってきたが、ヴェールを纏うことが抑圧の象徴である、というのは本当だろうか?Tシャツにジーンズ姿が解放的で、自由な女性を表しているというのは欧米の価値観である、と著者は言い、その価値観は戦争の理由にもされてきたと語る。そしてその「イスラームからの解放」をテーマとした自伝や小説についても批判し、固定観念なく関係をもつ重要性を主張する。長年中東を訪れ研究してきた著者、それに当事者たちの言葉は力強い。2022/06/04

M

2
研究者視点からマスメディアがもつムスリムへのステレオタイプ形成を批判。情報が溢れる世の中だからこそ、自ら知識を増やし、「正しい」情報を集めなければならない。 2019/01/13

Kan T.

1
彼女たちのヴェールはそのままに、他者の救済という幻想は捨て去られるべきだというのが私の見解である。それに代わり、世界をより公正な場にするにはどうすべきかを考える方向に転換すべきだろう。差異の尊重と文化相対主義とを混同すべきではない理由は、前者が、特権的で権力のある場所に住む私たちが、どこか遠くの場所に住む人々が置かれた状況に関し、自分にどのような責任があるかを自己検証することを妨げないからである。→    2021/09/10

0
意地で終わらせたレポート用。 文化人類学者である著者らしい、文化相対主義で書かれているため、読みやすい。実例が多いのも読みやすい。 2022/08/01

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