内容説明
『ためらいの倫理学』『下流志向』『日本辺境論』など自らの重要11著作を語る。なぜウチダは、これらの本を書いたのか?内田樹の初の自著解説!
目次
『ためらいの倫理学』
『先生はえらい』
『レヴィナス序説』
『困難な自由』
『レヴィナスと愛の現象学』
『街場のアメリカ論』『街場の中国論』『日本辺境論』
『昭和のエートス』『「おじさん」的思考』
『下流志向』
著者等紹介
内田樹[ウチダタツル]
1950年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。神戸女学院大学名誉教授。凱風館館長。2007年に『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書)で小林秀雄賞、2010年『日本辺境論』(新潮新書)で新書大賞を受賞。2012年には第3回伊丹十三賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tui
30
これが僕の仕事です、と内田樹氏自身が語り遺したいと思う本のセレクト、と解釈しました。CDに喩えるとアーティスト自薦のベスト盤(本人による作品解説と脱線付き)かな。入門書としてもよし。すべて網羅されている訳じゃないけど、10冊かそこら読んで、残る膨大な著作リストを前にさてこれからどうしたものかと立ち尽くしている私のような中途半端な読み手には格好のガイド。特に、氏によるレヴィナスの翻訳はいつか読みたいと思っていたので、取っ掛かりが得られました(でも絶版…とりあえず『レヴィナスと愛の現象学』から入るかな)。2015/04/21
Gatsby
22
タイトルから自伝的な内容なのかと思ったが、そうではなかった。加藤周一の『羊の歌』を想像していたのだが。この本は、ブックガイドというよりも、内田樹をまだ読んだことがない、あるいはあまり読んだことのない人にとっては予習ができ、今まで結構読んできた人にはその復習ができる本だと考えた方がいいだろう。私は一番身近な本棚に内田先生の本を置き、頻繁に読み返している。こういう読み方をするようになったのは内田先生の本が初めてだった。これは、そういう読み直しを手っ取り早くできてしまう本であった。2013/09/18
Mumiu
19
しんどい、そして面白かった。レヴィナスという人も初めて知ったり、その人が内田さんからみても難解とか読み進まない!でも、それでも拾うべきは多々ありました。なぜ学校に行かなくてはならないのか⁈(すいません、理屈で「さもありなん」のように、返してしまうクチなんです)いちばんのストライクは共同幻想を抱けない関係は親密圏たりえない、ってところでした。シェアハウスなどの限界がわかりました。今回のこの本は、内田さんによる内田本解説でしたが、「街場の〜」など元ネタ本も読んでみたいと思いました。さあ、積ん読へらさないとね!2013/11/19
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
17
【14/10/13】これはいかんですよ。全部読みたくなるw▼内田さんご自身がセレクトした自作についての本人による解説を試みたもの。どの著作についても読んでみたくなって困ったものだった(18/09/10)。2014/10/13
おばけりんご
16
内田先生が、今までの著書について語る本です。選ばれた本はごく一部ですが、入門編としてはとっつきやすいと思います。「下流志向」とか読んでいても胸にくるものが多くて、現実をどうやりすごせばいいのか悩んでいる自分には助けになりました。でも性急なやり方はやはり難しいみたいですね。集団、共同体の中でどうふるまい、どのようにして自分の味方を増やしていくのかというのは、これからの時代とても必要な事だと実感しました。2014/03/10