感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
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市民社会が、自由・平等、よき社会秩序あるいは、民主主義という政治的正義という価値観を伴ったヨーロッパ近代社会の理念的な枠組みとして理論化された(105頁)。正直いって、アフリカ諸国の市民社会像というのは想定できなかった。フツ族とツチ族との対立とか、植民地帝国主義からどのように独立し、未だにスーダンのように南北に分かれる闘争など、難民を生む社会にあって、市民社会の形成はなかなか厳しいものがある。シカゴ大ハチンソンによると、南は家族崩壊。北はアラブ人にしてイスラームだが、南の人は黒人と考える齟齬(132頁)。2014/01/27