国際社会と現代史<br> ボスニア内戦―グローバリゼーションとカオスの民族化

国際社会と現代史
ボスニア内戦―グローバリゼーションとカオスの民族化

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  • サイズ B6判/ページ数 443,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784903426129
  • NDC分類 239.34
  • Cコード C1022

内容説明

ボスニア内戦は、1990年代のヨーロッパで「民族浄化」と呼ばれる残虐行為やジェノサイドを現出させた。この内戦の本質は民族の怨念だったのだろうか?本書は、市民同士が突然「殺し合う」ようになった真の原因が、グローバリゼーションの圧力であったことを、ボスニア社会の構造と歴史から明らかにした。ボスニアで起こったことは、カオス化する現代社会に共通する病理であり、どこでも起こりうるのだ。我々はこの暴力の連鎖をどう断ち切るのか。

目次

1 ボスニア内戦の歴史的背景
2 虐殺の記憶
3 冷戦からグローバリゼーションへ
4 ユーゴ解体―「グローバリゼーション」の戦争
5 内戦勃発
6 民族浄化
7 ジェノサイド
8 ボスニア内戦のメカニズム

著者等紹介

佐原徹哉[サハラテツヤ]
1963年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科西洋史学専攻博士課程中退。専門は東欧史・比較ジェノサイド研究。現在、明治大学政治経済学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yooou

4
☆☆☆☆★ ボスニアの内戦にここまで踏み込んだ本が日本人によって書かれていたことに驚きでした。非常に複雑で難解な情勢であったことの一端をすこしでも本書で理解することができたと思う。2014/03/31

Fumitaka

3
論旨は最初の方の「宗教や民族の問題は後」(p. 8)や地域的なトラブルや氏族間の対立が「「民族」の記憶に作り替えられていった」(p. 158)という文に集約される。ボスニア紛争においてナチ的なジェノサイドにあたるのはスレブレニツァだけで、それ以外は「無秩序で刹那的な暴力」(p. 219)や「杜撰な計画」(p. 249)、ユーゴスラヴィア崩壊の過程でかつての対立が遡及的に持ち出されたこと(p. 198)が激化させたとする。扱われているのはボスニアだが他のバルカン諸国ともいくらか共通点があるのではないか。2024/02/20

takao

3
ふむ2023/12/08

1
ボスニア内戦への過程及び内戦中の各陣営による残虐行為を詳細に辿りながら、内戦の複合的な原因を一つ一つ解説した研究書。ユーゴスラビアの各民族について、第一次大戦前の状況から説明してくれるため、専門的な内容ではあるけれど初学者にも読みやすかった。民族主義による単純な理解を拒む原因分析の真摯さは勿論、この内戦は極めてローカルで氏族支配とも結びついているのだという事例の紹介も、他の邦語本では読めない点だと感じた。 ヴィシェグラードの石橋に旅行で訪れたことがある分、民兵ルキッチの描写には一層恐怖を感じた。2019/08/11

muko1610

0
2008/08/15

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