1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
4
本書の主役はあくまでもメドベージェフなのだが、彼とプーチンを対比させることで、プーチンの凄みが際立ち、結局、主役はプーチンだろ?という中身になっている。ところで、プーチンは「シロビキ」(武闘派)であり、メドベージェフは「シビリキ」(市民派)である。プーチンとメドヴェージェフは対称的なのである。実はプーチンがメドベージェフを大統領に選んだ理由は、この対称的な違いにあったわけである。非対称な故に、メドベージェフはプーチンの独自性を脅かさない。それどころか、相互補完的な機能を果たすことさえ可能になるわけである。2014/02/21
メルセ・ひすい
4
貴重本 ロシア研究の第一人者による最新のロシア論。メドベージェフは贖罪の山羊…になるのは時間の問題か? 次期首相は失脚したクドリン前財務大臣か? 「プーチン2.0」とは何ぞや。プーチン分析…己が創り出したシステムを修正する。明らかにプーチンは現状維持主義者もしくは保守主義ー。メドベージェフが大統領時代に提唱した「近代化」路線を踏襲せざるをえないプーチン。メドベージェフとプーチンを切り離し、ロシアの今後の変貌を大胆に見通す労作。2013/02/24
元気ハイター
1
主人公はメドベージェフ。しかし、彼を語る上でプーチンの名を外すことは出来ない。それは、2人は古くからの盟友であり、ロシアの政治が人間主義と呼ばれることに依る。メドベージェフの背後には常にプーチンが居た。プーチンの次期大統領が決まると、メドベージェフはレームダックと化した。しかし、メドベージェフはプーチンの完全なる傀儡と化した訳ではなく、独自の路線を打ち出そうと励み、プーチンもある程度許容した。その理由や内容が、本書で綴られている。専門家の意見を丁寧に引用し、論理的で分かりやすい上に、大変面白かった!2014/12/04