内容説明
本書では沿海地方の経済情勢について、林業、鉱業、港湾開発、農業という日本に関係の深い、もしくは今後日本にとって重要な意味を持つであろう分野に関するケース・スタディをまとめている。直近かつ現地からの、石油や天然ガスだけでもロシア政府内部の暗闘だけでもない、リアルなロシア地域経済情勢についての情報が提供されている。
目次
1 ロシアにおける日本的経営―総合林産企業テルネイレス
2 見直されるソ連的経営―レアメタル鉱山プリモルスク
3 露中朝3国国境地帯に向かう投資―ハサン地区港湾開発
4 大型国家プロジェクトの実態―ナホトカ・コジミノ石油港建設
5 農業の復興はなるか―ハンカ湖の歴史・現状・展望
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
DIVERmope
1
ロシア極東部のレアメタル、林業、エネルギー、国境地帯などの分野を解説した書籍。これらの幅広いジャンルを同時に扱うことは当然不可能であり、残念ながら情報量は物足りず、その内容はあくまでも「日本と極東ロシアビジネス概略」といった程度のものである。著者が外務省在外派遣専門調査員時代に集めた情報を元に編集したものなので、当然重要な情報は公に出来ないはずなので、情報の薄さや論点のズレなどは仕方がないのかもしれません。極東ビジネスの概要を知りたいという方には、入門書として丁度いいかもしれません。2014/08/02
晴天
0
ロシア極東経済は様々なステレオタイプがあり、第三国の企業に日本は出しぬかれているという話も巷間で流布するが、実際のところどの国の企業にとってもロシア国内独占企業にとってさえもロシア極東が困難な地域であることを描き出す。様々な地下資源があり、森林資源も豊かであり、さらには農業地域としての可能性も示唆されるが、いずれにしても容易くない。容易くないが、その可能性は座視しがたい。12年前の本だが、現在の経済事情を知る上での足掛かりともなる。2021/10/15
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