内容説明
ロシア革命後に旧満州~朝鮮半島を経由して日本に渡来し、コミュニティを構成していた在日タタール人の歴史を明らかにする。
目次
第1章 在日タタール人コミュニティーの成立
第2章 クルバンガリーと東京回教団
第3章 イスハキーの訪日とタタール人の組織化
第4章 クルバンガリーの追放と在日タタール人の統一
第5章 戦時下のタタール人コミュニティー
第6章 新天地を求めて
著者等紹介
松長昭[マツナガアキラ]
1960(昭和35)年生まれ。笹川平和財団主任研究員。慶應義塾大学文学部卒業、同大学院博士課程修了(トルコ民族史)。主な職歴:在トルコ日本大使館専門調査員、米国東西研究所主任研究員、東京大学教養学部非常勤講師、タファキュル大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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香菜子(かなこ・Kanako)
35
在日タタール人―歴史に翻弄されたイスラーム教徒たち。松長昭先生の著書。歴史に翻弄され、かつてのソビエト連邦から日本にわたってきたイスラーム教徒である在日タタール人。在日タタール人がこれまで辿ってきた足跡がわかる良書です。でも日本は今も昔も無責任でその場限りのご都合主義発言で周囲を混乱させてきたということも改めて感じさせられました。2018/12/13
yoneyama
10
タタール人とは何か?の関連で読みました。ロシア革命でソ連を追われた資本主義者とされたタタール人は、アムール川を越えて満州ハルピン経由で東京へ。戦前は軍のツラン民族構想計画か、漢族周縁部のアジア民族との関係強化つまりスパイ化の目論見で利用されたり。戦後も残った人が居たりと、駆け足で日本のタタール人について知ることができた。ユーラシア・ブックレットってシリーズも気になる。2022/11/14
牛タン
2
ロシア革命前後に極東へ移住してきたタタール人がWW2、朝鮮戦争を経て最終的にトルコやアメリカ、オーストラリアへ新天地を求めて去っていく経緯がまとめられている。クルバンガリー、イスハキー、イブラヒムの3人の指導者を軸に解説されている。東京ジャーミイの設立の経緯を知りたいと思って読んだのだが、それのみならず在日タタールの歴史の概略が、日本、トルコ、ソ連など関係国の情勢などを参照しながら、それでいて平易に書かれており良書だと思った。トルコ留学前に読んでおくべきだったと少し後悔2014/10/26
アキコ
1
代々木上原にある東京ジャーミーが在日タタール人によって建てられたため、この本を手に取りました。戦前に来日し、ロシア革命の避難民として無国籍のタタール人。かなり国策に翻弄されて大変な状況だったと知りました。特にクルバンガリーは波乱万丈すぎます。2018/05/11
宵子
0
ロシア革命後に、日本&満州へ亡命してきたタタール人(正確にはチュルク系)がどのように関わったのかを書いたもの。日本で行商して、絨毯や洋服を売っていたのは知らなかった。ちなみに彼らを含む亡命したチュルク系の人々に対して、トルコ政府は受け入れを表明したらしい。もしかして、トルコの親日ってこのことも多少は関係しているのかな、2013/11/22
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