内容説明
本巻では、1945年2月ドイツ敗戦の直前から、1955年8月トーマスが80歳で亡くなるまでの10年間をあつかう。祖国ドイツ訪問へのためらいとようやくの実現。肺癌の手術で一時中断に追い込まれながらも完成にこぎつけた長編『ファウストゥス博士』。アメリカ滞在を諦めてスイスに終の住処を見出すなど、最晩年のトーマス・マンの姿をあつかう。
目次
『ドイツとドイツ人』
ゲルマーニアの終焉―大げさな慶事
間違ったトーンばかり
聞く耳もたない人びととの対話
ルサンチマンの応酬
ゼロ時などなかった
病気の影
癌
エキゾチズム
祭儀的な犠牲者〔ほか〕
著者等紹介
ハープレヒト,クラウス[ハープレヒト,クラウス][Harpprecht,Klaus]
1927年シュトゥットガルトに生まれる。「リアス・ベルリン」、「西部ドイツ放送」、「ZDF」などの放送記者として活躍。1966年~1972年の間フィッシャー出版社の編集局長を務める。1972年、ブラント内閣の首相府の「文書局長」となる。1982年以降フランスに居を移し、フリーの著述家として活躍
岡田浩平[オカダコウヘイ]
1937年生まれ。1967年早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。1969年早稲田大学専任講師、1972年助教授、1978年教授。2008年停年退職。現在早稲田大学名誉教授。専攻は1933~1945年の間のドイツ亡命文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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