出版社内容情報
あとがきより抜粋
国語教育の今後のありようは、言語活動を主軸にすべきだという主張がある。〈言葉〉を大切にすることは重要だが、薬の効能書きと同質の説明文という教材で、確かな言語活動が可能なのかといえば否である。説明文では感性や情緒は培えないのである。感性や情緒を培うために、言語活動は重要だということを多くの教師は認めている。
〈中略〉
谷川の『ことばあそびうた』はまさしく詩集なのである。文学作品なのである。教師は教材の出典をしっかりと確認する必要がある。こうした文学作品こそ、感性や情緒を培うための言語活動のために存在するのだといえる。詩集はまさにそのためにあるのだ。
◆もくじ◆
・少年詩・少女詩の誕生
・児玉花外の少年詩の世界
・明治の唱歌『博物教育 動物唱歌』のこと
・有本芳水から西條八十へ
──少年詩の位相と少女詩の位相──
・サトウハチローの童謡と少年詩
・童謡界の巨匠 白秋と雨情
・時局を反映した詩集
・戦後の少年詩・少女詩
・少年詩・少女詩略年表
附 抒情歌一覧
・根本正義二十歳のころ
──インタビュー・二〇〇六年十二月十三日── ・武田 裕
・立正大学は私にとっての原点
・浅野晃先生のこと
──浅野晃先生を偲ぶ集いの出席者のために──
・根本正義 年譜と著作目録
? 年譜(二〇一三年現在)
? 著作目録(二〇一五年現在)
・附 国語教育・教育問題史年表(二〇一六年八月現在)
あとがき
根本 正義[ネモト マサヨシ]
1942年、東京生まれ。1964年、立正大学文学部国文学科卒業。1971年、立正大学大学院修士課程修了。現在、東京学芸大学名誉教授。日本文芸家協会会員。
著書に『詩と童謡の校長歳時記』(全4巻)らくだ出版、『子ども文化にみる綴方と作文――昭和をふりかえるもうひとつの歴史』KTC中央出版、『占領下の文壇作家と児童文学』高文堂出版社、他多数。