内容説明
王朝物語群の中で特異な光を放つ『堤中納言物語』。物語から、和歌から、時代から、その魅力の機構に迫る。天喜三年の「物語合」に関する論考もあわせて収載。
目次
1 物語文学史の変容(「人に『すみつく』かほのけしきは」―平中の妻と『はいずみ』の女;『はいずみ』の散文世界―二人妻説話の変質 ほか)
2 物語の形象と詩歌(『ほどほどの懸想』と「〓(ひょう)有梅」
『花桜折る少将』の「桜」―詩歌の発想と物語の結構 ほか)
3 歴史と物語の往還(『はなだの女御』の執筆意図―敗者へのまなざし;『はなだの女御』と一条朝―花の喩えとモデルとの連関 ほか)
4 集としての『堤中納言物語』(「冬ごもる」断章の表現史的位置;「冬ごもる」断章と『堤中納言物語』―四季の「月」と『狭衣物語』の影 ほか)
著者等紹介
井上新子[イノウエシンコ]
1966年熊本県生まれ。1989年熊本大学教育学部卒業。1994年広島大学大学院文学研究科博士課程後期国語学国文学専攻単位取得。1995年日本学術振興会特別研究員(PD)(1998年3月まで)。現在、大阪大谷大学・甲南大学他非常勤講師。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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